2015年8月29日土曜日

抗生剤使用するほど糖尿病になりやすい?

住民ベース症例対照報告なので、エビデンスレベルは低い
だが、昨今のmicrotiota:細菌相の話題と合わせ考えると興味深いのかもしれない


Nature Communicationsの報告で、 pulsed antibiotic treatment (PAT) with a beta-lactam or macrolideで、microbiome影響が抗生剤の回数、クラスにより異なり、撹乱と回復を繰り返す
Metabolic and metagenomic outcomes from early-life pulsed antibiotic treatment
Nature Communications 6, Article number: 7486
http://www.nature.com/ncomms/2015/150630/ncomms8486/full/ncomms8486.html

これと関連する考察もなされている


Use of Antibiotics and Risk of Type 2 Diabetes: A Population-Based Case-Control Study
JCEM First Published Online: August 27, 2015
Kristian Hallundbæk Mikkelsen, et. al.
DOI: http://dx.doi.org/10.1210/jc.2015-2696

種類を問わず抗生剤暴露と2型糖尿病の(薬剤費用償還回数5以上 vs 0-1比較)オッズ比(OR)は、 1.53(95% 信頼区間 1.50ー1.55)


抗生剤個別群では2型糖尿病リスクと特異的相関性示せないが、2型糖尿病において狭域スペクトラム・殺菌性抗生剤で広域・静菌的抗生剤に比べオッズ比高い(前者オッズ比 1.55、 1.48、後者オッズ比 1.31、1.39)。


 量依存関係が累積抗生剤量において見られる


2型糖尿病患者の抗生剤使用増加は、診断前15年間と診断後も同様にみられる



テレビの影響で、2型糖尿病の患者が薬剤を止めて、糞便移植をしたいと・・・口あんぐり・・・

米国FDA:DPP4阻害剤により機能障害を与えるほどの関節痛を生じる可能性

FDA Adverse Event Reporting Systemデータベースによる検討で、「DPP4阻害剤により機能障害を与えるほどの関節痛を生じる可能性」


sitagliptin:ジャヌビア・グラクティブ
saxagliptin:オングリザ
linagliptin:トラゼンタ
alogliptin:ネシーナ


FDA Drug Safety Communication: FDA warns that DPP-4 inhibitors for type 2 diabetes may cause severe joint pain
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/ucm459579.htm



<追記>
DPP4ホモ接合ノックアウトマウスの研究や関節リウマチ患者で、DPP4活性は関節リウマチの重症度と逆相関の可能性報告有り、DPP-4阻害剤が関節リウマチの病態と関連する可能性が示唆されていた



Sitagliptin (DPP-4 inhibitor)-induced rheumatoid arthritis in type 2 diabetes mellitus: a case report.
Intern Med. 2012;51(15):2041-4. Epub 2012 Aug 1.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/51/15/51_51.7592/_pdf



DPP4阻害剤は、臨床的なハードアウトカム効果示されてないが、明確で重大な副作用が無いため、重用されている薬剤。稀とはいえど、特有な副作用報告されたため、今後の処方動向へ影響を与えることになるはず。関節リウマチなど自己免疫系疾患等。
加齢変化による関節痛などへの処方影響あればマーケットへの影響も出現するかも・・・

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note