2012年6月4日月曜日

各種がん:抗PD-1抗体治療の安全性・有効性

遅ればせながら、先週のNEJMの要約

癌免疫治療として、一つの方向性が提示されたと思う。ASCOでも関連演題が四件報告され、マーケットも反応しているようだ。抗PD-1(BMS-936558/ONO-4538)は、抗PD-1(BMS-936558/ONO-4538)として小野製薬と共同開発という形になっている。



T細胞で発現される抑制性受容体である、 programmed death 1 (PD-1)をblockadeすることで免疫的抵抗性を克服させることをめざす、抗腫瘍性と安全性評価 報告(BMS-936558,)

Safety, Activity, and Immune Correlates of Anti–PD-1 Antibody in Cancer
Suzanne L. Topalian, et. al.
N. Engl. J. Med. June 2, 2012 (10.1056/NEJMoa1200690) 

296名の患者(進行メラノーマ、NSCLC、castration治療低抗前立腺がん、腎細胞がん、直腸結腸がん)
抗PD-1 抗体 0.1から10.0mg/kg体重 2週毎
反応は八週間治療サイクル後評価

Grade 3、4副事象は14%、最大耐容投与量定義づけできず。

236名で治療反応評価j可能

全投与量に対する累積治療反応率は、NSCLC 18%(14/76)、メラノーマ 28%(26/94)、腎細胞癌 27%(9/33)

 治療反応は持続性で、一年以上族例は20/31

腫瘍内のPD-1・PD-L1 pathwayのmodulation発現研究のため、42名で治療前サンプル採取
PD-L-1陰性腫瘍17名では、客観的治療反応認めず、陽性では36%(9/25)反応認めた。


PD-1の序文中説明
 Programmed death 1 (PD-1) is a key immune-checkpoint receptor expressed by activated T cells, and it mediates immunosuppression. PD-1 functions primarily in peripheral tissues, where T cells may encounter the immunosuppressive PD-1 ligands PD-L1 (B7-H1) and PD-L2 (B7-DC), which are expressed by tumor cells, stromal cells, or both Inhibition of the interaction between PD-1 and PD-L1 can enhance T-cell responses in vitro and mediate preclinical antitumor activity.

BMJ後顧的コホート;ピオグリタゾンと膀胱癌の関連確認 期間・投与量累積と相関 but 日本ではジェネリック・合剤と製品増加!

2型糖尿病患者において、ピオグリタゾンは膀胱癌頻度増加と関連する。

JAMA誌: アクトスを安易に使うな! 2011年 02月 09日
フランス:アクトス投与控えるよう呼びかけ 2011年 06月 10日
アクトスと膀胱癌の関連性報告 2011年 05月 19日

昨年のこの騒ぎが無かったかのように、後発品めでたく大量出現&合剤出現

一方、「フランスでは販売禁止取り消し」と製薬側は火消しに懸命


この薬剤でなければいけないというエビデンスでもあれば別だが・・・あえて臨床医として使う必要有るのだろうか?体重増加的に働き、浮腫をもたらす薬剤。


The use of pioglitazone and the risk of bladder cancer in people with type 2 diabetes: nested case-control study BMJ 2012; 344

nested case-control analysisによる後顧的コホート研究

GP研究データベースに関係するUKの600GP

2型糖尿病のコホート(1998年1月1日~2009年12月31日)

115727名の経口血糖降下剤使用者を含むコホートで、4膀胱癌を有すると診断された患者 470名(10万人年あたり 89.4)

マッチ化対照 6699名で、一年超フォローアップ膀胱癌症例は376名

全体から、ピオグリタゾン使用歴は、膀胱癌率増加と相関   (rate ratio 1.83, 95% 信頼区間1.10 ~ 3.05).

この率は、使用期間増加と共に増加。 24ヶ月を超す使用の場合最も多く(1.99、1.14-3.45)で、累積28000mgで多い(2.54,1.05-6.14)




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