2015年4月8日水曜日

BRCA1/BRCA2遺伝子変異種類・部位にてより細かに癌リスク評価可能になった

Association of Type and Location of BRCA1 and BRCA2 Mutations With Risk of Breast and Ovarian Cancer
Timothy R. Rebbeck, et. al.
JAMA. 2015;313(13):1347-1361. doi:10.1001/jama.2014.5985.


意義: BRCA1もしくはBRCA2 (BRCA1/2)の特異的遺伝子変異と癌リスクの関連性情報は実は乏しい


目的: BRCA1/2キャリア毎、変異特異的癌リスク


デザイン、セッティング、被験者: 1937−2011年(中央値、1999年)の間に確認、疾患関連BRCA1もしくはBRCA2変異発見された症例
BRCA1 19581名、 BRCA2 11900名、 6大陸33カ国55センター


遺伝子型、昨日、核酸部位ごとの乳がん、卵巣癌ハザード比


RHRは、乳がん対卵巣癌ハザード比で、1を超えるRHRのあたいは、乳がんリスク増加を意味する。1未満は卵巣癌リスク増加を意味する。



暴露: BRCA1もしくはBRCA2遺伝子変異



主要アウトカム・測定 乳がん・卵巣癌リスク


結果
BRCA1遺伝子変異キャリア
卵巣癌 2317名(12%)
乳がん・卵巣癌 1041名(5%)
がん無し 7171名(37%)
BRCA2遺伝子変異キャリア
卵巣癌 682名(6%)
乳がん・卵巣癌 272名(2%)
がん無し 4766名(40%)


BRCA1において、3つのbreast cancer cluster regionを同定、すなわちBCCRsとして、 c.179 to c.505 (BCCR1; RHR = 1.46; 95% CI, 1.22-1.74; P = 2 × 10−6)、c.4328 to c.4945 (BCCR2; RHR = 1.34; 95% CI, 1.01-1.78; P = .04)、c. 5261 to c.5563 (BCCR2′, RHR = 1.38; 95% CI, 1.22-1.55; P = 6 × 10−9)


ovarian cancer cluster region、すなわちOCCRとして、 c.1380 to c.4062 (approximately exon 11) で、 RHR = 0.62 (95% CI, 0.56-0.70; P = 9 × 10−17)


BRCA2において、 multiple BCCRs spanningがみられ、  c.1 to c.596 (BCCR1; RHR = 1.71; 95% CI, 1.06-2.78; P = .03)、  c.772 to c.1806 (BCCR1′; RHR = 1.63; 95% CI, 1.10-2.40; P = .01)、 c.7394 to c.8904 (BCCR2; RHR = 2.31; 95% CI, 1.69-3.16; P = .00002)

3つのOCCRsとして、1番目は、c.3249 to c.5681で、 c.5946delT (6174delT; RHR = 0.51; 95% CI, 0.44-0.60; P = 6 × 10−17)近傍。2番目のOCCRのspanningは、 c.6645 to c.7471 (OCCR2; RHR = 0.57; 95% CI, 0.41-0.80; P = .001)

nonsense-mediated decay 関与変異は、様々な乳がん、卵巣癌リスクと相関し、若年乳がん診断は、BRCA1とBRCA2遺伝子変異キャリア両有キャリアであった
乳がん 9052名(46%)
乳がん 6180名(52%)



結論: 乳がん・卵巣癌リスクはBRCA1/2遺伝子の変異タイプ・変異部位により異なる。
適切な評価により、BRCA1とBRCA2のキャリアに関してリスク評価及び予防意思決定の改善をもたらす


慢性外傷性脳症:[F-18] FDDNP PET で診断可能に!

慢性外傷性脳症: chronic traumatic encephalopathyは、震盪外傷など脳への外的反復性物理的ストレスによる脳変性疾患で、病理的にしか診断不能であった。

今回、非侵襲的診断可能にと・・・

In vivo characterization of chronic traumatic encephalopathy using [F-18] FDDNP PET brain imaging Jorge R, Barrio , et. al. http://www.pnas.org/content/early/2015/04/01/1409952112


症例対照研究だが、Tau蛋白沈着の領域パターンで、アルツハイマー病のそれと明確に異なる所見で、”medial temporal lobe and progresses along the cortical default mode network, with minimal involvement of subcortical structures”だそうで・・・default mode networkに沿った側頭葉病変で、皮質下構造は比較的保たれているのが特徴。
 vs. 「アルツハイマー病で最初に代謝・血流が低下する部位は後部帯状回から楔前部、視覚評価ではこの部分は評価不能・・・default mode networkと呼ばれ自己に関する思考を行う場として・・・この部位の代謝・血流低下する。アルツハイマー初期に代謝・血流低下が見られる大脳皮質連合野・・・


この問題はエリートアスリートや若年スポーツで大きな問題だと思うのだが・・・小学・中学格闘技とかKなんたらとか・・・ 。極真は対策されてはいるようだ・・・

フィンランド住民コホート: 卵で糖尿病リスク減少:卵週5個以上で半減

似たような記事
2型糖尿病:卵1日2個/週6回以上でも脂質特性に悪影響を与えず、満腹感を与え空腹を抑制する  2014年10月7日


平均約20年間フォローアップ研究、2332名の被験者
フィンランドの前向き住民ベース: Kuopio Ischemic Heart Disease Risk Factor Study

卵摂取最小4分位に比べ最大4分位で半減以上。


Egg consumption and risk of incident type 2 diabetes in men: the Kuopio Ischaemic Heart Disease Risk Factor Study

Am J Clin Nutr April 2015 ajcn104109
First published April 1, 2015, doi: 10.3945/​ajcn.114.104109


1984–1989年調査開始時42-60歳、2332名の男性 
平均フォローアップ期間19.3年間、 2型糖尿病発症 432名

寄与共役要素補正後、卵摂取最大4分位 対 最小4分位では、 2型糖尿病発症  38% (95% CI: 18%, 53%; P-trend across quartiles  p < 0.001)

代謝リスクマーカー解析にて、空腹時血糖、sCRPとの関連性あり、しかし、血中インスリンとの関連性認めず

コレステロール摂取と2型糖尿病リスク、血糖、血中インスリン、CRPの相関について特に、卵摂取量を考慮した場合に有意ではない。




noteへ実験的移行

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