2012年8月23日木曜日

総頚動脈IMTは一般の動脈硬化指標として用いられるべきでない

common CIMT:総頚動脈:common carotid artery の内膜中膜複合体厚 intima-media thickness (IMT)


初回AMI・卒中: 総頚動脈内膜中膜複合体厚は通常のリスク推定スコアに追加しても役立たず

筆者らは、common CIMTを一般対象の動脈硬化指標として行うべきではないと主張、さほどやくだたない。

CIMT測定を Framingham Risk Scoreに加えても、初回心筋梗塞、卒中の10年リスク推定に役立ちません。指標による推定改善効果に関して、この臨床的な意味は少ない。


Common Carotid Intima-Media Thickness Measurements in Cardiovascular Risk Prediction
A Meta-analysis
JAMA. 2012;308(8):796-803. doi:10.1001/jama.2012.9630
14の住民ベースコホート(45828名)、11年中央値フォローアップ期間で、心筋梗塞・卒中 4007例
Framingham Risk Scoreをcommon CIMT測定拡大し推定した場合の初回心筋梗塞・卒中発症10年絶対的リスクモデルを比較。
両モデルC統計は類似  (0.757; 95% CI, 0.749-0.764; vs 0.759; 95% CI, 0.752-0.766)
ネット再分類にて、common CIMTを加えることの改善効果は乏しい (0.8%; 95% CI, 0.1%-1.6%)
中間リスク症例では、ネットの再分類改善度は、全例に対して3.6%程度 (95% CI, 2.7%-4.6%)
男女間差認めず

日本でも、IMTって比較的普及している。日本人にはこういうちまちました測定が好きなのだろう。
ただ、これって、測定者によるばらつきがあると思う。高価な超音波検査機器だとアシスト機能があり、ばらつきすくないとイメージがある。当面IMTに近づかなくて良さそうだから私は安心した。

アロプリノールに降圧作用 ・・・ 軽度だが・・・

Effect of Allopurinol on Blood Pressure: A Systematic Review and Meta-Analysis
J Clin Hypertens (Greenwich). 2012;

10臨床研究(738名)のシステマティック・レビュー

対照群に比較して、アロプリノールにて、収縮期血圧 3.3 mm Hg (95% 信頼区間 [CI], 1.4–5.3 mm Hg; P=.001) 、拡張期血圧 1.3 mm Hg (95% CI, 0.1–2.5 mm Hg; P=.03) 減少
高質RCTで同様の降圧効果:収縮期 3.3 mm Hg (95% CI, 0.8–5.8 mm Hg; P<.001) 、拡張期  1.4 mm Hg (95% CI, 0.1–2.7 mm Hg; P=.04)

アロプリノールは小程度だが、有意な血圧減少効果

この効果は高尿酸血症を有する高血圧患者では補助的な役割はある。

マウス実験・ヒト疫学調査: 乳児期抗生剤暴露と肥満との関連

経験的に治療域に至らない抗生剤投与は家畜に対し10%ほど成長を促進すると経験的に伝えられてきた。このメカニズムを検討。



Antibiotics in early life alter the murine colonic microbiome and adiposity
Ilseung Cho,stem et. al.
Nature (2012) doi:10.1038/nature11400

農業にて1950年代以降、成長促進として、低用量抗生剤投与されているが、このメカニズムは不明。
種類毎異なる作用が脊椎動物毎にみられるので、腸内細菌叢構成変化とその代謝能変化を観察。
治療域下でのマウスへの投与でadiposityモデルを作成し、腸内細菌構成とその作用変化を評価。
若年マウスでadiposity促進し、代謝関連ホルモン増加をもたらす。
微生物環境でのtaxonomic changeが観察され、炭水化物から短鎖脂肪酸への代謝、腸内短鎖脂肪酸量の増加、脂質・コレステロール肝臓代謝の変化をもたらした。




そして、疫学研究で、乳幼児期の抗生剤暴露と肥満との関連が示唆された。

Infant antibiotic exposures and early-life body mass
L Trasande, et. al.
International Journal of Obesity , (21 August 2012)
11532名の子供での抗生剤暴露歴とbody mass指標の検討

6ヶ月未満での抗生剤使用は、10-38ヶ月後のbody mass増加をもたらす
6-14ヶ月、15-23ヶ月での抗生剤暴露はbody mass増加とは関連しない。
乳児での抗生剤暴露は小児期の肥満回避という面で今後検討されなければならない。



エリスロマイシン少量持続投与では、モチリン様作用ということで食欲亢進およびその後の体重増加、脂質代謝異常が示されている。
上記乳幼児抗生剤は短期投与、せいぜい繰り返し投与の話だと思う、成人で少量長期の場合の影響はどうなのだろうか? ちょっと疑念が・・・


それと、家畜投与抗生剤と環境的暴露と、肥満の関連性などは完全に除外出来るのだろうか?

肥満外科治療は糖尿病発症抑制

Swedish Obese Subjects study
通常ケア vs 肥満外科手術で、 糖尿病発症 1000人年あたり、28.4 vs 6.8例



Bariatric Surgery and Prevention of Type 2 Diabetes in Swedish Obese Subjects
Lena M.S. Carlsson, et. al.
N Engl J Med 2012; 367:695-704 August 23, 2012




刺青のインクが原因でマイコバクテリウム・ケロネ集団感染発症

非結核性抗酸菌:nontuberculous mycobacteria (NTM)のひとつ マイコバクテリウム・ケロネ

刺青のインクが原因で集団感染発症


Outbreak of Mycobacterium chelonae Infection Associated with Tattoo Ink
Byron S. Kennedy, et. al.
NEJM August 22, 2012 (10.1056/NEJMoa1205114)

2001年10-12月に、刺青師 (single artist)1人にpremixed gray inkで施術された後3週後、19名(男性13名、女性 6名)持続的、膨隆、紅斑性皮疹が入れ墨部位に発症

11月が最も多く発疹発生

平均年齢35歳(18-48歳)

17名の患者からの皮膚生検標本ですべて異常有り、その14標本からM. chelonaeを分離、DNA sequencingで確認

PFGE analysis で11臨床分離株と3つの未開封premixed inkの一つで分離不能パターンを見いだした。

19名の患者のうち18名で抗生剤治療、状態改善

米国の刺青師たちは、消毒器具使用、清潔なディスポーザブル手袋、単回使用インク材料、アフターケアなど、衛生に注意しているとのこと。


ウェブ検索すると、通販サイトに、内外インク製品が並んでいる



元々、日本では、“無資格刺青施術行為は医師法違反”
入れ墨で医師法違反の容疑 兵庫県警、彫師を逮捕へ
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010070901000380.html
故に、このような健康被害は表に出にくいため、医師たちにも啓発されず、治療機会の喪失をもたらしている可能性がある。


入れ墨・ピアスによるC型肝炎ウィルス感染伝播 2012年2月8日水曜日

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