2016年9月7日水曜日

米国予防医学専門委員会:潜在性結核感染スクリーニング

日本では・・・
http://www.kekkaku.gr.jp/commit/yobou/201306.pdf



米国は「結核撲滅」成功国であり下記ステートメントは一般住民対象となるのかもしれない。一方日本では、BRMsや抗がん剤など使用時問題になることが多く、他の分野のステートメントと異なりそのまんま採用というわけにもいかないのだろう
参考:http://www.bdj.co.jp/micro/articles/tb/1f3pro00000rog4x.html


例えば、「関節リウマチ」患者に、TST/IGRA年次検査推奨している報告もある





Screening Optimization of Latent Tuberculosis Infection in Rheumatoid Arthritis Patients
Arthritis. 2015; 2015: 569620. 
Published online 2015 Jul 29. doi:  10.1155/2015/569620









US Preventive Services Task Force | September 6, 2016
RECOMMENDATION STATEMENT

Screening for Latent Tuberculosis Infection in Adults
US Preventive Services Task Force Recommendation Statement
JAMA. 2016;316(9):962-969. doi:10.1001/jama.2016.11046.
http://jama.jamanetwork.com/article.aspx?articleid=2547762


「結核菌は空気感染でひろがり、結核菌排除されるか、活動性病変(一次病変)を形成するか。感染性となる場合と、無症状/非感染性の場合にわかれる。潜在性結核感染(LTBI)の場合は、後に再活動化し、活動性結核病変を形成する。活動性結核菌感染暴露の約30%が潜在性結核感染と成り、ツベルクリン陽性の5〜10%のあ人がLTBI再活性化、活動性結核となる」



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潜在性結核感染高リスク対象者

  • 結核高感染リスク国生まれあるいは居住既往
  • 高リスク密集地域(例;ホームレスや矯正施設)生まれ・居住継続
米国内で地理的地域ばらつき有り、臨床家はそれら地域・州の専門部署により地域の健康情報について詳しい情報を求めることができる

Mantoux ツベルクリン検査とIGRA;共に感度中等度、特異度高度


治療は




日本では、INH:6ヶ月から9ヶ月という曖昧な表現だったと思うが、9ヶ月治療はHIV、2-11歳、妊娠女性により適応とされている
(慎重なのだろう・・・担当医がやたらと9ヶ月に伸ばしたがることがある・・・)

妊娠初期MRIの安全性と、造影MRIの胎児リスク




Association Between MRI Exposure During Pregnancy and Fetal and Childhood Outcomes
Joel G. Ray, et. al.
JAMA. 2016;316(9):952-961. doi:10.1001/jama.2016.12126.


研究意義  妊娠1st trimesterにおけるMRIの胎児安全性、ガドリニウム造影時の全妊娠期安全性不明
目的 1st trimester中のMRI後、妊娠全時期のガドリニウム造影時の長期安全性
デザイン・セッティング・被検者 カナダ・オンタリオ州 Universal health care database、2003-2015年20週間超生存児同定
暴露 妊娠1st trimester中のMRI、妊娠全期間ガドリニウムMRI暴露
主要アウトカム・測定 1st trimester MRI暴露に対し死産・新生児死亡(28日内)、先天異常、腫瘍、聴力・視力障害:4歳まで評価
妊娠全時期ガドリニウムMRI暴露に対しては、 nephrogenic systemic fibrosis (NSF-like) 様結合織・皮膚疾患(参考:http://emedicine.medscape.com/article/1097889-overview#showall)やより広範なリウマチ関連、炎症性、浸潤性皮膚疾患を同定
結果 1,424,105出産(女児 48%; 平均妊娠期間 39週)、MRI包括発生率 1千対3.97
no MRIに対する1st trimester MRI比較
死産・死亡 19 vs 9844(補正相対リスク[RR], 1.68; 95% CI, 0.97 to 2.90)、補正リスク差 1千人年 4.7s (95% CI, −1.6 to 11.0)
リスクは先天、新生物、視力・聴力障害で有意な増加見られず

no MRI (n = 1 418 451)に対するガドリニウム MRI(n=397)では
NSF-様アウトカムハザード比統計学的有意差認めず

リウマチ関連、炎症性、浸潤性皮膚疾患のより広いアウトカムは 123 vs 384,180(補正HR, 1.36; 95% CI, 1.09-1.69)、補正リスク差は1千人年で 45.3(95% CI, 11.3 - 86.8)
死産・児死亡は、 7 vs 9844(補正RR 3.70; 95% CI, 1.55 - 8.85) 、補正リスク差は1千人年あたり47.5 (95% CI, 9.7 - 138.2)

結論・知見 妊娠1st trimesterでのMRI暴露は非暴露に比べ胎児へ有害性リスク増加と相関せず
全妊娠期ガドリニウムMRI暴露はリウマチ関連、炎症、浸潤性皮膚疾患リスク、死産・児死亡リスク増加と関連
稀な副事象アウトカム検出不能な研究の可能性あり


添付文書上「妊娠、産婦、授乳婦等への投与」に関して、曖昧な「診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与」とある。

https://www.medicallibrary-dsc.info/di/omniscan_intravenous_injection_syringe_10ml/pdf/pi_oms2_1109.pdf

noteへ実験的移行

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