2013年11月12日火曜日

米国予防医療サービス専門作業部会:サプリメントによる心血管疾患・がん予防ベネフィット有無エビデンス存在せずと推奨案

米国予防医療サービス専門作業部会(the U.S. Preventive Services Task Force):USPSTFの「心血管疾患、がん一次予防に対するビタミン、ミネラルサプリメントへの賛否推奨するほどのエビデンスは、いまだ存在しない」とアップデート推奨(案)


さらに、βカロチン使用に関しては肺がんリスク増加するが、ベネフィットのエビデンス欠如故、心血管疾患・がん予防使用に反対する推奨を再確認

2003年の推奨との変化は、ビタミンEを心血管疾患、がん予防使用反対すべきエビデンスが存在すること。

栄養不足のない健康成人への一次予防ガイダンスであり、葉酸を含む日々のサプリメント投与により妊娠、妊娠可能性のある女性では、神経管欠損を予防する可能性があり、この一群は例外。


"Vitamin and mineral supplements in the primary prevention of cardiovascular disease and cancer: an updated systematic evidence review for the U.S. Preventive Services Task Force"
Fortmann S, et al
Ann Intern Med 2013.


<推奨ステートメント案>

USPSTF "Vitamin, mineral, and multivitamin supplements for the primary prevention of cardiovascular disease and cancer: U.S. Preventive Services Task Force draft recommendation statement" 2013.
http://www.uspreventiveservicestaskforce.org/draftrec2.htm



マスゴミさんたち・・・ちゃんと、報道してよね、ロイター様が報道してるんだから
・・・こういうサプリメントの問題は無視する日本のマスコミの常道

Supplements may not guard against cancer, heart disease BY ANDREW M. SEAMAN NEW YORK Mon Nov 11, 2013 5:13pm EST http://www.reuters.com/article/2013/11/11/us-supplements-cancer-idUSBRE9AA10920131111

生涯教育:GLP−1アゴニスト:インスリンとの併用

生涯学習:併用としてのインスリン治療新しいアプローチ

GLP−1アナログの種類と、インスリン併用に関する学習

From Medscape Education
New Approaches to Insulin Therapy in Combination CME
Tim Heise, MD; Stephen Gough, MD, FRCP; Chantal Mathieu, MD, PhD; Juris J. Meier, MD, FRCP Edin; Tina Vilsbøll, MD, DMSc
Faculty and Disclosures
CME Released: 11/01/2013; Valid for credit through 11/01/2014

・GLP−1受容体アゴニストとの併用

・GLP−1アゴニスト+基礎インスリン
http://www.medscape.org/viewarticle/813146_3

IDegLira combinationとそれぞれの比較

・インスリン治療障壁克服:flexible dosing

・インクレチンとインスリン併用:臨床的実践上の考察


短時間作動vs長時間作動GLP-1RA





















食後高血糖(短時間作動:exenatide(バイエッタ、ビデュリオン)、lixisenatide(リキスミア))


空腹時高血糖:消化管障害の可能性、投与量柔軟性(長時間作動性:liraglutide(ピクトーザ)、exenatide LAR(ビデュリオン皮下注用2mg))






インスリンとGLP-1アゴニスト併用に関する優れたデータ

基礎インスリンにインクレチン作動薬追加の順番?それとも逆の順番?

ケイ酸ジルコニウム:高カリウム血症治療薬トライアルにて有効性・安全性確認

ケイ酸ジルコニウム

ZS-9のPIIIトライアル (Safety & Efficacy of Zirconium Silicate in Chronic Kidney Disease or Moderate Kidney Dysfunction With Mild Hyperkalemiahttp://clinicaltrials.gov/show/NCT01493024)

高カリウム血症に対しては、主に、臨床の場では、ケイキサレートが用いられているが、耐用性・有効性に限界がある
カリウムへの高選択性の無機カチオン交換作用があり、従来の薬剤の9倍の効率とのこと

American Society of Nephroloy
Source reference: Ash SR, et al "Safety and efficacy of ZS-9, a novel selective cation trap, for treatment of hyperkalemia in CKD patients" ASN 2013; Late-Breaking Abstract.
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ASN/42851

トライアルは、753名のCKD有無問わず、投与量4種とプラシーボ
プライマリエンドポイントは、48時間後の血中カリウム低下

・ 2.5 gm -0.46 mEq/L  p = 0.009
・5 gm - 0.54 mEq/L p < 0.0001
・10 gm -0.74 mEq/L p < 0.001
耐用性良好で、12日間継続後も、胃腸障害プラシーボと同様

18−24歳若年者うつ:スーパーバイズされた運動訓練+動機付けインタビュー 劇的効果

Source reference: Callister R, et al "12-weeks supervised exercise training plus motivational interviewing can reduce depression symptoms in youth with major depressive disorder" SFN 2013; Abstract 13.02.
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/SFN/42852

18−24歳・うつ対象とした、小規模パイロット研究

1回のみの簡易動機付けインタビュー(臨床心理士による運動への動機付け、目標達成補助、定期的運動障壁要素評価、運動障壁要素除外戦略、社会的サポート資源発見、全般的活力復活試み)
3−6名の小グループ分け、個別トレーナー週3回面会し、pedometer記録、日々オンライン記録(気分、運動量)記録、さらに週2回の気分スクリーニング検査

運動により、うつ重症度を63%減少し、12週間プログラムでうつ消失83%という夢のような報告(the Society for Neurology meeting オーラル発表)


メタアナリシスによる運動の効果とずいぶん開きがある
メタアナリシス解析と神経生物学的メカニズム:運動のうつ・不安への効果量 http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/11/blog-post_165.html

Beck Depression Inventory scoreは、上体筋力 (r=0.69, P=0.001)、ジム・セッション参加度合い(r=0.39, P < 0.01)
被験者除外は自殺願望、精神疾患合併、頭部外傷など、重度・複雑な症例は除外されている。




小規模パイロット研究逸脱例なのか?それとも、選択的例での普遍的効果なのか?

いんちき?真実:酸性食品は2型糖尿病発症リスク増加と関連?

タイトルの報告だが、酸性食品とか、アルカリ性食品とか、久しく聞いてない。
マイナスイオンもそうだった。1950年代当時、一般には、電気が特別な存在で、荷電という当時最先端の科学的知識だったころ、それが健康によいという仮説( Albert P. Krueger)が一気に検証無く広がる。一般には、 インチキと認識され、一時廃れてたが、それが1990年代後半から、現時点で検証できてない新しい概念、作為的・非作為的に、電機メーカーが再び持ち込み、付加価値ねらいの商売をはじめた。
そもそも、都市伝説って概念もインチキ臭いが、この「酸性食品・アルカリ性食品」概念もこの都市伝説とされているものの一つだろう。

「○○は健康に良い・悪いという dichotomy判断には注意が必要」と私は思う。

Medpageをみても、従来の不健康食と重なっただけとも思えるし・・・あえて、寄与要素補正として、動物性蛋白・脂肪摂取という要素を補正しているようにも思えない。あだ花概念となることも否定できないと思う。



以下の報告のベースは、Ströhle らが、2010年それまでの概念を発展させ、酸・塩基バランスと健康への影響に着眼したものの延長。

例えば、酸性食品は野菜でもこと細かく分かれている
http://goaskalice.columbia.edu/which-foods-are-acidic

    pHフルーツ
    2 - 3レモンジュース、ビネガー
    3 - 4りんご、ブルーベリー、チェリー類、グレープ、グレープフルーツ、ネクター類、ピーチ、なし、パイナップル、プラム、ラズベリー
    4 - 5バナナ
    6メロン
野菜はpH 4-6.8で、比較的酸性度の高いものは、escarole(エンダイブ)、ピメント、トマト、ビネガー加工野菜(缶詰アンチチョーク、缶詰ビート、缶詰ピクルス、缶詰サワークラウト)
酸性食事は、「脂肪・動物蛋白」摂取量増加、「炭水化物」摂取量減少を含み、これらはリン酸、カルシウム、ナトリウムを多く含み、マグネシウム少ないというもの





French E3N-EPICコホート・女性 66,485名を食事アンケートとともに糖尿病発症リスク調査(14年間フォローアップ、2型糖尿病発症率1372名)

疫学的研究ベースの食事性酸性食品負荷量推定(potential renal acid load : PRALスコア (http://www.saeure-basen-forum.de/pdf/IPEV-Food_table.pdf)、net endogenous acid production (NEAP)スコア)

結論としては、PRALスコア、NEAPスコアとも2型糖尿病発症と関連あり
・ PRAL ハザード比 1.71 (95% CI 1.40 to 2.07)
・ NEAP ハザード比 1.74 (95% CI 1.44 to 2.11)

リスクはBMI補正後現弱するも、有意差残存

メカニズム不明だが、筆者らは 、酸/塩基ホメオスタシス仮説を主張

Source reference: Faherazzi G, et al "Dietary acid load and risk of type 2 diabetes: The E3N-EPIC cohort study" Diabetologia 2103; DOI: 10.1007/s00125-013-3100-0.

http://www.medpagetoday.com/Endocrinology/Diabetes/42850

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