2018年3月29日木曜日

50代運動開始は心不全リスク防御的

中年期に定期的運動を始めることは、左室駆出保持型心不全リスクに防御的
運動は、心血管機能とともに構造をも改善する


Reversing the Cardiac Effects of Sedentary Aging in Middle Age—A Randomized Controlled Trial: Implications For Heart Failure Prevention
Erin J. Howden, et al.
circ.ahajournals.org/content/early/2018/01/03/CIRCULATIONAHA.117.030617


中年期運動不足(poor fitness)は心不全、特に左室駆出率保持型心不全において、リスク要素

平均年齢 53±5歳、健康、運動不足、48%男性の61名被検者
2年間運動トレーニング n=34 vs 注意制御下 n=27


完遂53名、運動セッションadherenceは 88±11%
Vo2max増加 18% 増加
・運動トレーニング群: 前  29.0±4.8 → 後 34.4±6.4
・対照群: 前  29.5±5.3 → 後 28.7±5.4 p < 0.001


左室 stiffness定数 (左室拡張期圧容積関連拡張期部分、左室拡張期壁間圧容積関連の定数) 減少
 ・運動トレーニング群:: 前 0.072±0.037 →  0.051±0.0268  P=0.0018
 ・対照群: 前 t 0.0635±0.026 → 0.062±0.031 P=0.83 変化無し


運動で左室拡張期終末容積増加するも肺毛細血管楔入圧は不変、一定充満圧に対する一回駆出量増加を意味する

非弁膜症性心房細動:COPDは心血管重大イベント独立予後要素

この報告が気になって仕方が無い
COPD:LABA and/or LAMA投与開始後30日目に心血管イベント増加し、その後ベースラインまで減少する
http://kaigyoi.blogspot.jp/2018/01/copdlaba-andor-lama30.html

LABA/LAMA処方開始後発作性心房細動を来した症例経験ある
ベースラインにNVAF(非弁膜症性心房細動)のある患者ではより注意が必要だろうと直感はしていた。

以下の報告は、COPD診療に影響を与えるべき報告だと思う
COPDと診断したからには心電図で心房細動や他虚血所見確認をする必要はやはりあるだろうと・・・


Major adverse cardiovascular events in non-valvular atrial fibrillation with chronic obstructive pulmonary disease: the ARAPACIS study
Valeria Raparelli et al.
Internal and Emergency Medicine pp 1–10
https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs11739-018-1835-9

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の死亡率リスク増加させる
COPDの重大心血管イベント(MACD)との関連性データは不明瞭
研究目的は3年間フォローアップに於けるNVAF中のMACE発生へのCOPDの予測的要素推定
Atrial Fibrillation Registry for Ankle-Brachial Index Prevalence Assessment-Collaborative Italian Study (ARAPACIS)コホートに於けるCOPDの以下の臨床的エンドポイントへのインパクト評価:心血管死、致死性・非致死性心筋梗塞・卒中、心血管死亡、全原因死


2027名のNVAF患者において、COPD患者では男性、高齢、血栓塞栓高リスク
36ヶ月フォローアップ期間中、MACE 186名、心血管死 n=72、心筋梗塞 n=52 、卒中 n=57
重大アウトカム(卒中/TIA、心筋梗塞、血管死、全死亡)を中心的判断下した

Kaplan–Meier curveでCOPDでのNVAF患者はMACE、心血管死、全原因死亡にて高リスク (p < 0.001, p < 0.001,(p < 0.001)

Cox比例ハザードモデルで、COPDはMACE (Hazard ratio [HR] 1.77, 95% 信頼区間 [CI] 1.20–2.61; p = 0.004)、心血管死 (HR 2.73, 95% CI 1.76–4.23; p < 0.0001) 、全死亡(HR 2.16, 95% CI 1.48–3.16; p < 0.0001)の独立予測要素

結論:NVAF患者において、COPDは、長期観察に於ける、MACE、心血管死、全原因死の独立因子である。

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