2018年7月28日土曜日

血圧自己測定デバイス→無駄な救急外来受診増加

あんまり家庭血圧測定というものだから、カナダでは高血圧による救急受診が著増しているそうな・・・ 
e.g.
仮面高血圧は脳卒中リスク増大と関連、冠動脈性心疾患とは関連示せず https://kaigyoi.blogspot.com/2018/07/blog-post_27.html



「血圧150/90だから心配になって予定外受診しにきた」というのは良くあるけど・・・「血圧値上昇→脳梗塞・脳出血・心臓発作」というイメージをもってる場合が多い。基本的にはパンフレットにて、自覚症状のない"silent killer”であることと累積リスクの一つであることを平易な表現で説明することになる。初めての高血圧治療するときは薬剤使用有無にかかわらず説明するのだが・・・それでも納得してないケースも多々。
家庭内血圧啓発は合理的だとおもうが、片方で、医療リソースの無駄遣いになる部分もある


注意喚起になる報告と思い、取り上げた・・・



自宅あるいは薬局血圧デバイス使用後救急受診患者の特性とアウトカム
後顧的観察研究、カナダ・オンタリオ州5つの地域・三次病院での高血圧診断、ED受診(2010年4月〜2011年3月)

The Characteristics and Outcomes of Patients Who Make an Emergency Department Visit for Hypertension After Use of a Home or Pharmacy Blood Pressure Device
 [Ann Emerg Med. 2018;-:1-10.]
https://www.annemergmed.com/article/S0196-0644(18)30497-9/fulltext



ED受診を「家庭血圧測定後」、「薬局血圧測定後」、「医師受診後」、「詳細不明その他」に分け、入院・ED治療(降圧剤投与、処方箋提供)、EDクリニックイベント(フォローアップケア、ED再受診、長期全死亡率)を群間検討


該当1,508名、ED血圧中央値   182/97 mm Hg (IQR 164 to 200/85 to 109 mm Hg)
「家庭血圧測定後」、「薬局血圧測定後」、「医師受診後」、「詳細不明その他」は、それぞれ 40.9%, 8.3%, 13.3%, 37.5%



入院は 109名(7.2%)
比率は、「家庭血圧測定後」あるいは「薬局血圧測定後」、「医師受診後」、「詳細不明その他」で、 3.1%、11.9%、11.0%
2年生存率は「家庭血圧測定後」、「薬局血圧測定後」、「医師受診後」、「詳細不明その他」各々 5.4%, 0.0%, 6.5%, 5.3%
ED退院後92.8%のうち1年内に他のED受診 11%



結論:高血圧理由救急外来受診患者の半数が自己血圧測定デバイスによる血圧高値のための受診
そのうち3%のみ真に入院必要

noteへ実験的移行

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