2015年12月1日火曜日

日本薬剤情報提供パンフと米国内薬局リーフレット

院外薬局の「薬剤情報提供料」のためのリーフレットで、トラブル多発している当院の現状がある
「かゆみが生じることがある」と書かれてるため、冬季などは老年性皮膚掻痒増悪と重なれば、薬剤自己判断中断を惹起する。それだけでなく、世の中のサプリメント屋さんが薬の副作用を喧伝するため自分のみに起きる身体症状は全て薬のせいだと思い込んでいる患者は老若男女問わず多く・・・それを修正すること困難。




本来薬品情報提供は、その薬剤のベネフィット・リスクについて言及されるべきであり、「皮疹無き掻痒」を副作用強調する理由が分からない・・・情報提供料ほしさ以外なにか理由があるのか?



提供料算定要件

薬剤情報提供料は入院中の患者以外の患者に対して、処方した薬剤の名称(一般名又は商品名)、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を、当該処方に係る全ての薬剤について、文書(薬袋等に記載されている場合も含む。)により提供した場合に月1回に限り所定点数を算定する。
字面通りに、羅列すれば算定できるわけで、重大性軽重に関しては配慮されない



米国内での


The Untapped Potential of Pharmacy Leaflets for Informing Patients About Drug Benefits and Risks
Anna Hung, et. al.
JAMA Intern Med. Published online November 30, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.6656

米国でのPharmacy Leafletsの特徴
・FDAのレビュー・承認無し
・ベネフィット・有害性の定量表記無し
・処方全て
・患者への提供義務はない
FDAのregulationのテーマにないため、内容やフォーマットはばらつき





「シンバスタチン」のリーフレットを例にして、「横紋筋融解」の記載、最大投与量記載についてのばらつきが報告されている。





regulationの動きのようだが、日本でも、薬局の薬剤情報提供書に関しても
「ベネフィット・有害性」に関して一覧的表示ですごすのではなく、頻度・重篤性にウェイトを置いた表記にできないものか?

CARDIA:若年期心肺フィットネスがその後の心血管健康状況、CVD病態に重要な役割を果たす

心肺フィットネス(CRF)は高齢者の予後要素であるが、若年、この場合は18−30歳時のCFRが長期的に心血管構造、機能、予後にどのような役割を果たすか・・・


18−30歳でのフィットネスレベルが高ければ、その後のフィットネス状況は良好で、さらに心血管疾患(CVD)リスクや死亡率低下をもたらす
フィットネスやフィットネス状況の変化は、左室肥厚や左室機能と関連するが、冠動脈石灰化病変とは関連性認めず
若年期心肺フィットネスがその後の心血管健康状況、CVD病態に重要な役割を果たす

Association of Fitness in Young Adulthood With Survival and Cardiovascular Risk
The Coronary Artery Risk Development in Young Adults (CARDIA) Study
Ravi V. Shah , et. al.
JAMA Intern Med. Published online November 30, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.6309


4872名の前向きコホート、1985年3月25日〜1986年6月7日のベースラインでトレッドミル運動試験、7年後2472名の2度目のトレッドミル運動負荷試験
フォローアップ26.9年間。
肥満、左室容積・左心負荷、冠動脈石灰化(CAC)、バイタル状態、CVD発生

5年次(1990−1991年)、25年次(心筋ストレインの指標であるglobal longitudinal strain(GLS: : 経胸壁2D心エコーによるスペックル・トラッキング法を用い,心室を12のセグメントに分けてそれぞれの長軸方向のストレインのピーク値(負の方向に大きい値ほど,収縮期短縮[systolic shortening]が大きく左室機能が良好であることを示す)<参考>

4872名中、死亡 273(5.6%)、CVDイベント発症 193(4.0%)

包括的補正後、ベースライン運動試験耐用時間分数増加毎死亡ハザード15%低下と相関 (ハザード比 [HR], 0.85; 95% CI, 0.80-0.91; P < .001)、CVDハザード12%低下と相関  (HR, 0.88; 95% CI, 0.81-0.96; P = .002)

ベースラインのCRF高レベルだと、25年次調査時、左室容積指数有意低下関連あり (β = −0.24; 95% CI, −0.45 to −0.03; P = 0.02) 、GLS有意改善関連あり(β = −0.09; 95% CI, −0.14 to −0.05; P < 0.001)


フィットネス状態は、CACと関連せず

7年次フィットネス1分減少だと死亡ハザード21% (HR, 1.21; 95% CI, 1.07-1.37; P = 0 .002) 、CVD20%増加 (HR, 1.20; 95% CI, 1.06-1.37; P =  0.006)と関連し、左室負荷増加とともに悪化 (β = 0.15; 95% CI, 0.08-0.23; P < 0.001)

フィットネスとCACの相関性認めず




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