2018年6月25日月曜日

【ぼーっと生きてんじゃねぇ】インスリンアナログ製剤の意味はない!

専門外ながらいつも思う

全般的に“ぼーっと生きてんじゃない!”とカツを受けるべき日本の糖尿病医療


これは日本からの問題提起ではないが・・・


製薬メーカーの宣伝の元、ヒト化インスリン→インスリン・アナログへの変更当然みたいな空気ができてしまったのではないか?

メーカーの儲けのため、一部、関与医師たちの懐を豊かにするため、“ボーと生きている”我々(日本以外を含めた)医師たちは、無駄に高額なインスリン製剤を使用してきたのではないか? ・・・ 少なくとも自問すべきである





下記JAMA論文エディトリアルも、今までのインスリン製剤使用への再考を促す内容となっている

Revisiting NPH Insulin for Type 2 Diabetes
Is a Step Back the Path Forward?
JAMA. Published online June 23, 2018. doi:10.1001/jama.2018.8033




(日本以外の大部分の国では)2型糖尿病治療はライフスタイル修正とメトホルミン開始から始める。血糖目標到達のためインスリン開始必要な患者は14%−25%。インスリン治療のmainstayはヒト合成インスリンであったが次第にインスリンアナログがpopularになってきている。インスリン治療コスト増大に関わっている。
インスリンアナログは分子構造変化により、内因性インスリンの薬剤的特性類似させた合剤だが、夜間低血糖リスク減少が若干あるが、重度低血糖リスク減少作用、血糖コントロール改善作用は示されていない。トライアル結果と臨床上のアウトカムのdiscrepancyが多く、日常臨床から付加的エビデンスの必要性が注目されてきた。



2型糖尿病において、インスリン開始時、NPHインスリンと比較してbasal insulin analogが低血糖関連ED受診・入院減少を示せず、血糖改善ももたらさない



Kaiser Permanente of Northern Californiaの後顧的観察研究(2006年1月1日〜2015年9月30日)

2型糖尿病、basal insulin治療開始 25,489名  (平均年齢, 60.2 [SD, 11.8] 歳; 白人 51.9% ; 女性 46.8% ) 


フォローアップ平均 1.7 年間において、低血糖関連ED受診・入院
・インスリンアナログ開始群 39/1928 (1千人年 11.9  [95% CI, 8.1 to 15.6] イベント [95% CI, 8.1 to 15.6] )
・NPHインスリン開始群 354/23,561 (1千人年 8.8  [95% CI, 7.9 to 9.8] イベント)  (between-group difference, 3.1 events [95% CI, −1.5 to 7.7] per 1000 person-years; P = .07)


propensity scoreマッチ化 4428名において、 補正ハザード比表現において、インスリンアナログ治療は、低血糖関連ED受診/入院 1.16 (95% CI, 0.71 to 1.78)

インスリン開始後1年間において、HbA1c値
インスリンアナログ開始後: 9.4% (95% CI, 9.3% to 9.5%) → 8.2% (95% CI, 8.1% to 8.2%)
NPIインスリン開始後:  9.4% (95% CI, 9.3% to 9.5%)→ 7.9% (95% CI, 7.9% to 8.0%)  (adjusted difference-in-differences for glycemic control, −0.22% [95% CI, −0.09% to −0.37%])



Association of Initiation of Basal Insulin Analogs vs Neutral Protamine Hagedorn Insulin With Hypoglycemia-Related Emergency Department Visits or Hospital Admissions and With Glycemic Control in Patients With Type 2 Diabetes
JAMA. Published online June 23, 2018. doi:10.1001/jama.2018.7993
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2685850





後顧的検討のため、メーカーたちの言い訳はそれに終始すると思う・・・

そして “ボーとした”糖尿病診療が今日も行われる


m3やcarenetやMedical tribuneがこの話題どう扱うかも見物!

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