2015年7月29日水曜日

運動代わりの薬剤:ATIC homodimerization阻害作用Compound 14・・・運動せずダイエット?

運動の代わりになる薬剤?

2型糖尿病や肥満治療に役立つ可能性

Compound 14を、肥満・耐糖能低下脂肪食マウスに投与し正常体重に近く、血糖低下。7日間投与すると体重約5%減少したというめでたい結果に・・・


AMPK Activation via Modulation of De Novo Purine Biosynthesis with an Inhibitor of ATIC Homodimerization
Daniel J. et. al.
Chemistry & Biology Volume 22, Issue 7, p838–848, 23 July 2015
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.chembiol.2015.06.008
http://www.cell.com/chemistry-biology/abstract/S1074-5521(15)00234-3






Compound 14は、ATICと呼ばれる細胞生酵素の機能をブロックすることで、代謝に働く


ATIC機能ブロックは、ZMP(5-Aminoimidazole-4-carboxamide ribonucleotide)と呼ばれる酵素の累積を生じ、エネルギーを低下させる
細胞に置いて代謝亢進させ、ブドウ糖の摂取を増加させエネルギーレベルをブーストさせる

ZMPは、de novo プリン生合成、ヒスチジン生合成で生まれる代謝産物だが、ホモダイマー二重機能酵素、ATICでのみ細胞内で利用され、de novo プリン生合成の2つのステップの触媒となる酵素である
さらに、ZMPは、細胞透過性ribonucleosideとして内投与すると細胞のエネルギーセンサーAMPKのallosteric acitvatorとしての作用
集合体代謝経路により内因性ZMPが産生されると、AMPK活性化されることがこの報告で示された。


ATIC homodimerization阻害剤で、de novo プリン生合成の9番目のステップを阻害することで、ZMPを増加させ、AMPKを活性化し、下流シグナル化経路をを活性化した。

日本の抗ウィルス薬重視のインフルエンザ診療:課題は併発肺炎、特に医療ケア関連肺炎発症と多剤耐性肺炎

日本は他国と異なる特異的なインフルエンザ診療が行われている。すなわち、インフルエンザ診療にルーチンに抗ウィルス治療がなされている。
検査確認インフルエンザ多施設前向きコホート研究。


対照比較のない研究で有り、日本のインフルエンザの是非を問う研究ではない
予後悪化要素を抽出するのが精一杯・・・

肺炎合併、特に、日本ではNHCAPということになるのだろうが・・・医療関連肺炎:HCAP症例がやはり問題になり、薬剤適正使用厳守必要性が強調された報告となっている




Outcomes and prognostic features of patients with influenza requiring hospitalization and receiving early antiviral therapy:
A Prospective Multicenter-Cohort Study
Takaya Maruyama, et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-2768


1345名のインフルエンザ患者、小児 766名、成人 579名 1歳未満除外 
抗ウィルス治療 1224/1253、97.7% 
成人患者579名中、30日内死亡 24(4.1%)
小児患者766名中、死亡無し 
インフルエンザA 成人 528名、91.2%、慢性基礎疾患あり 509(87.9%) 
レントゲン確認肺炎 211(36.4%) 
死亡24名中20名が肺炎を発症、病原菌は肺炎球菌 12.3%、 黄色ブドウ球菌 10.9%、うちMRSA 3.3%、 Enterobacteriaceae 8.1%、 緑膿菌 3.3%
これらのうち、市中肺炎:CAP分類 151、 医療施設関連(HCAP) 60
不適正治療はCAPよりHCAP多く 15.2% vs  2% , p = 0.001

HCAPでは、潜在性リスクをもつ多剤耐性(MDR)関与が多い ( 21.7% vs 2.6% , p < 0.001)、 特に MRSA(10% vs 0.7%, p=0.002) 、緑膿菌が多い (8.3% vs 1.3%, p=0.021)

事前登録独立要素によるCox比例ハザード モデルでは、男性、重症度スコア、血中アルブミン、肺炎がインフルエンザ発症後30日生存率と関連する






ALLHAT Post Hoc:血圧visit-to-visit 変動性:心発作・致死性心疾患 30%増加、卒中 46%増加、全原因死亡 68%増加

診察時毎の血圧変動:visit-to-visit 変動性、VVVと略している


ALLHATのPost Hocでの解析

安定した血圧管理状態に比べ、約15mm水銀柱の変動は心発作・致死性心疾患を30%も増加させる。さらに卒中は46%増加させ、全原因死亡に関しては58%も増加。



Visit-to-Visit Variability of Blood Pressure and Coronary Heart Disease, Stroke, Heart Failure, and Mortality: A Cohort Study
Paul Muntner, et. al.
Ann Intern Med. Published online 28 July 2015

フォローアップ中、致死性冠動脈性心疾患・非致死性MIイベント 1194、 死亡 1948、 卒中 606、 心不全イベント 921

平均SBPを含めた多変量補正後、SBPのSD 最大5分位vs最小5分位比較 (≥14.4 mm Hg vs. <6 .5="" hg="" mm="" nbsp="" ul="">
  • 1.30 (95% CI, 1.06 to 1.59) for fatal CHD or nonfatal MI
    • 1.58 (CI, 1.32 to 1.90) for all-cause mortality,
    • 1.46 (CI, 1.06 to 2.01) for stroke
    • 1.25 (CI, 0.97 to 1.61) for heart failure


    拡張期BPのVVVも同様にCVDイベント死亡率と相関

    VVVの本質、その機序や有害性メカニズムは?

    大規模とはいえ、Post-Hocで、Causal effectを導くことのできる研究ではない。
    ただ、カルシウム拮抗剤や利尿剤は、他クラスの薬剤と比べ変動性少ないと言えるが、クラスチェンジするにはエビデンス不十分。
    服薬維持性とともに、健康食・運動との関連性も斟酌されるべき・・・ いずれにせよ研究途上



    前立腺癌のための生検基準:年齢補正PSA値の見直し必要?

    PSA総量値のみの基準は国際的に見れば時代遅れで、free/total PSA ratio (%fPSA)が用いられる。PSAは抗プロテアーゼと結合している結合型PSA(主にα1ーantichymotrypsinと結合したPSA-ACT)と遊離型PSAPSA(free PSA; fPSA)に大別され、%fPSAは前立腺癌において低比率であることが利用される。

    1993年開始のTyrol Study
    age-referenced PSA valueとして、>2.5 ng/mL for 40–49 years; >3.5 ng/mL for 50–59 years; >4.5 ng/mL for 60–69 years, and >6.6 ng/mL for 70–79 years) を percentage- free PSA levels of <22 blockquote="">
    以降、Free-PSA低値とPSA総量との組み合わせによる生検基準が一般的になった
    (参照:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2943354/


    Age-Adjusted PSA Levels in Prostate Cancer Prediction: Updated Results of the Tyrol Prostate Cancer Early Detection Program
    Isabel Heidegger, et. al.
    PLOSone Published: July 28, 2015DOI: 10.1371/journal.pone.0134134

    2259名の前立腺生検施行患者で、年齢別、49歳以下 178名、50−59歳 597名、60−69歳 962名、 70歳以上 488名で PSALカットオフ値を考察

    前立腺癌検出1218名(54.7%)

    free-PSA21%以下とベスト特異性を有するフォローPSAカットオフ値の組み合わせ
    • 49歳以下と50−59歳 1.75 ng/ml
    • 60−69歳 2.25 ng/ml
    • 70歳以上 3.25 ng/ml

    年齢補正PSAカットオフ値を用いると、生検数減少のまま全て有意な腫瘍認知

    全体的には、古い基準に比べ、新しいカットオフ値では、13−14名のうち1名の生検回避 (number needed to screen = 13.3, reduction of biopsies = 7.5%)
    49歳以下では9.2名に1人、50−59歳では17.4名に1人回避





    49歳以下



    50-59歳





    60−69歳





    70歳以上






    noteへ実験的移行

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