2013年3月2日土曜日

ビスフェノールAと小児喘息・喘鳴の関連性 出生前から7歳までの前向きコホート

昨今の、グローバルな喘息有病率の増加に関し、小児のビスフェノールA(BPA)暴露が一つの説明になるのかもしれない。
BPAは、ホルモン撹乱物質として、行動異常、生殖障害、肥満、免疫系など悪影響の可能性が報告されている。


我ながら、以下のブログ記載見ると、環境問題ごろつき、左翼・市民運動家といったところみたいだが ・・・
多岐にわたるビスフェノール有害性 ・・・ 小児腎障害への影響も・・・ 2013/01/11
肥満・過体重子供に蓄積する尿中ビスフェノールA 健康への懸念 2012/09/19
出生前BPA暴露:子供の行動に影響を与えている? 男女で異なる行動異常 2012/04/28
尿中ビスフェノールA濃度と、冠動脈疾患に相関 2012/02/29
缶入りスープとビスフェノールA暴露 2011年 11月 24日
プラスティック:尿中ビスフェノールと成人健康・・・心臓・糖尿病・肝臓へ影響 2008年09月17日

BPAに関する問題は、JAMAなどの論文でも記載され、ある程度、注目されている環境中物質であるというところで・・・


American Academy of Allergy, Asthma and Immunologyで発表のあったもの

前向き生誕コホート(n=568)
母親の第3トリメスター、小児3、5、7歳時の尿中サンプル

受動喫煙、他の喘息要因除外後、BPAの若干のルーチン的な低被曝量でも、子供の喘鳴、喘息リスク増加 が示された。

Prenatal and postnatal bisphenol A exposure and asthma development among inner-city children
Journal of Allergy and Clinical Immunology.
Kathleen Donohue et. al.
Journal of Allergy and Clinical Immunology Vol. 131, Issue 3, Pages 736-742.e6

母体・出生前尿中BPA濃度は5歳時点の喘鳴に逆相関(odds ratio [OR], 0.7; 95% CI, 0.5-0.9; P = .02)

3歳時点の尿中BPA濃度は5歳時点の喘鳴と正の相関 (OR, 1.4; 95% CI, 1.1-1.8; P = .02)、6歳時点でも相関 (OR, 1.4; 95% CI, 1.0-1.9; P = .03)

7歳時点でのBPA濃度は、7歳児の喘鳴と相関 (OR, 1.4; 95% CI, 1.0-1.9; P = .04)
 Feno values (β = 0.1; 95% CI, 0.02-0.2; P = .02)と相関。

3歳、5歳、7歳時点のBPA濃度は、喘息と相関   (それぞれ、OR, 1.5 [95% CI, 1.1-2.0], P = .005; OR, 1.4 [95% CI, 1.0-1.9], P = .03; and OR, 1.5 [95% CI, 1.0-2.1], P = .04)


母体中のBPA濃度と、その子供の喘鳴の逆相関はどう説明するのだろう?

CBSニュース
小児BPA暴露と喘息発症の関連性を示した最初の報告と Dr. Leo Trasande(associate professor of pediatrics and environmental medicine at NYU Langone Medical Center in New York City)。この研究にはこの人参加してないが、肥満率や腎障害や心疾患と関連する蛋白マーカーとの関連性を報告した研究者
食事に含まれる場合に関心が行くだろう、そして、FDAはアルミニウム缶や他の食品コンテナーに含まれる分を制限する前にエビデンスを待っているところ。
他の専門家は若干疑問視。この報告だけで、自分の患者にこの種の化学成分をさけなさいと推奨できないと、Dr. Claudia Fernandez (pediatric pulmonologist at Miami Children's Hospital in New York City)
生産業グループの、  American Chemistry Council も当惑。

FDAは、BPA暴露を制限希望の消費者は、recycle code 3、7のプラスティックを避けること、そして、BPA含有プラスティックコンテナーへ、熱いものや熱湯を入れないこと。
塗装がはげたプラスティックボトルは漏出の可能性が有り破棄することと推奨

アナフィラキシー救急患者:降圧剤使用が3つ以上臓器障害、入院必要性と関連


アナフィラキシーの救急外来患者では、不全臓器数、入院率増加と関連
年齢、性別、既存肺疾患とは独立した要素

Antihypertensive medication use is associated with increased organ system involvement and hospitalization in emergency department patients with anaphylaxis
Sangil Lee, et. al.
J.  of Allergy and Immunology  published online 28 February 2013.

302名のアナフィラキシーにおいて、55(18%)で失神、低酸素、低血圧
57名が入院必要、139(46%)で3臓器以上の生涯
年齢・性別・トリガー毎・既存肺疾患補正後、β遮断剤、ACE阻害剤、利尿剤、降圧剤使用は、3臓器異常の臓器障害、入院必要性と関連した。
降圧剤全体の使用は、3つ以上の臓器障害に関し、補正オッズ比 2.8(95% CI, 1.5-5.2; P = .0008)  、入院に関し4.0(95% CI, 1.9-8.4; P = .0001)

救急外来で降圧剤使用有無チェックし、使用されている場合は、厳重注意ってことか?

パーキンソン病:運動・フィットネス促進のための多面的行動変容プログラム

パーキンソン病は神経変性疾患としてかなり多く、非運動系症状を伴い、広汎な症状、うつやapathyを伴う疾患で、進行性。
レビュー・メタアナリシスで、運動療法を支持するエビデンスの存在が明らかになり、運動機能・筋力増強・バランス・歩行速度への好影響を認めるものであった。しかしながら、単純な理学療法では不十分、メンタル面の変容を加味した介入が必要という考え


Promotion of physical activity and fitness in sedentary patients with Parkinson’s disease: randomised controlled trial
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f576 (Published 1 March 2013)Cite this as: BMJ 2013;346:f576

ParkFit programme: 多面的行動変容プログラムで、身体活動性レベルを上げる目的(動機付け戦略コーチング、日々へのフィードバック)
vs
マッチ化一般運動療法介入

プライマリエンドポイント:6ヶ月毎身体活動性レベル(LASA pysical activity questionnaire-LAPAQ)
セカンダリエンドポイント:2つの他の測定値(運動日記、携帯型運動活動モニター)、QOL(PDQ-39)、フィットネス(6分間歩行距離)


540 (92.2%)名でプライマリアウトカム完遂
フォローアップ中、LAPAQで過ごす時間は両群同等  
(群間補正差 7%, 95% 信頼区間 −3 〜 17%; P=0.19)

セカンダリアウトカム解析にて、ParkFit患者の身体活動性増加、運動日記(差 30%; p < 0.001)、運動活動モニター(差 12%; P < 0.001)、 6分間歩行距離 (差 4.8m : p=0.05)

PDQ-39はParkFit患者、対照で差を認めず   (差 −0.9 points; P=0.14)

転倒回数は ParkFit患者(184/299; 62%) vs 対照( 191/287; 67%)で同等

noteへ実験的移行

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