骨粗鬆症:ビスフォスフォネート製剤は5年程度で打ち止めにすべきだ ;"drug holiday"方針
2011年 09月 10日
と書いたが、このような一律中止は、必ずしも正しくはない という話。
中止は、
アレンドロネート(商品名:フォサマック、ボナロン)とゾレドロネートに限定すべきで・・・
NEJMのperspectiveの要約分
ビスフォスフォネートの継続雄使用期間と椎体骨骨折リスクに関するデータは限られているが、対照化トライアルとしては3-5年間で骨折リスク減少と考えるのが一般的。一方、非椎体骨骨折に関してはエビデンスとして一致したものはないといって良い。
治療3-5年後のTスコア -2.5未満の骨塩低下患者が最も椎体骨骨折リスクが高く、ビスフォスフォネート継続のベネフィット大きい。椎体骨骨折患者(-2.0以上でなくても)では継続するベネフィットが大きい。
大腿骨頚部-2.0以上では椎体骨折リスクは低く、継続加療のベネフィットは少ない。
Continuing Bisphosphonate Treatment for Osteoporosis — For Whom and for How Long?
Dennis M. Black, Ph.D., Douglas C. Bauer, M.D., Ann V. Schwartz, Ph.D., M.P.H., Steven R. Cummings, M.D., and Clifford J. Rosen, M.D.
May 9, 2012 (10.1056/NEJMp1202623)
大規模ランダム化対照化トライアルにて、ビスフォスフォネート3-4年間使用は、閉経後女性での非椎体骨・椎体骨骨折予防に有効と言うことが判明した。米国閉経後女性の7名に1人がビスフォスフォネート製剤使用されていた時期がある。
しかし、現在、骨塩吸収抑制療法の理想的治療期間に関して議論が生じ、特に、atypical subtrochanteric fracture( 不定型大腿骨転子下骨折)と下顎骨骨壊死の問題が注目されている。
この問題から、FDAに3-5年間を越えてのビスフォスフォネート製剤継続に関する再評価の方向となり、
Food and Drug Administration. Background document for meeting of
Advisory Committee for Reproductive Health Drugs and Drug Safety and
Risk Management Advisory Committee. September 9, 2011 (http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/DrugSafetyandRiskManagementAdvisoryCommittee/UCM270958.pdf)
FLEXトライアル、HORIZONトライアルにて、中止後骨塩減少は継続に比べて軽度に過ぎず、アレンドロネート(5年)とゾレドロネート(3年)で持続的効果が示唆された。
・ Fracture Intervention Trial Long-Term Extension (FLEX)トライアル(Black DM, Schwartz AV, Ensrud KE,
et al. Effects of continuing or stopping alendronate after 5 years of
treatment: the Fracture Intervention Trial Long-Term Extension (FLEX): a
randomized trial.
JAMA 2006;296:2927-2938)
・ Health Outcomes and Reduced Incidence with Zoledronic Acid Once Yearly (HORIZON) Extension trial(Black DM, Reid IR, Boonen S,
et al. The effect of 3 versus 6 years of zoledronic acid treatment in
osteoporosis: a randomized extension to the HORIZON-Pivotal Fracture
Trial (PFT).
J Bone Miner Res 2012;27:243-254)
しかしながら、観察研究では、リセドロネート中止後骨塩の減少が示されている。
中止は、アレンドロネート(商品名:フォサマック、ボナロン)とゾレドロネートに限定すべきだという主張