2013年10月10日木曜日

出産後うつは、教育レベルに左右される後天的要素だが、子供に伝播する

妊娠中・出産後期間の母親のうつと、その子供の18歳児うつのリスクとその関与メカニズム 出生前妊娠中・出産後うつが、その子供のうつリスク要素となりえるか、そして、そのリスク経路は異なるのか?

母の教育レベルの低さなどのdisadvantageによるリスクであり、妊娠期間出生前のうつとは関連しないことなどを示すための研究


 Maternal Depression During Pregnancy and the Postnatal Period Risks and Possible Mechanisms for Offspring Depression at Age 18 Years
Rebecca M. Pearson, et. al.
JAMA Psychiatry. Published online October 09, 2013
前向き調査:妊娠中出生前期間と出産後期間うつ症状と18歳児の子供のうつ症状をUK community-based birth cohort (Avon Longitudinal Study of Parents and Children) で調査 
主要アウトカム測定は、子供の18歳時点でのだいうつ診断(ICD10) 
妊娠中出生前うつは独立した危険リスク要素 
子供は、後の母のうつと関連せず、子供の誕生前の母のうつスコア標準偏差毎に、18歳時点こどものうつ罹病は1.28倍(95% CI, 1.08-1.51; P = .003) 増加する。 
子供にとっては誕生後、母にとっては出産後の母のうつ罹病は、低教育母の場合リスク要素であり、出産後うつスコア標準偏差毎1.26倍(95% CI, 1.06-1.50; P = .01)子供のうつ罹病増加する、教育レベルの高い母では、その相関性は少ない (odds ratio, 1.09; 95% CI, 0.88-1.36; P = .42) 
解析にて、母親の教育レベルは、出産後の影響を軽減するが、出産前(子供にとって誕生前)のうつは軽減できない。 
出産前の親のうつは、子供のうつとは相関せず、出産後、親のうつは母のうつと同様パターンを呈する。

ある程度流動性のあった日本も次第に階層固定化の甚だしい英国と似た傾向になってるのかもしれない。

医師インターネット・ベース訓練で抗生剤処方減少:CRP point-of-care使用とコミュニケーション訓練

Effects of internet-based training on antibiotic prescribing rates for acute respiratory-tract infections: a multinational, cluster, randomised, factorial, controlled trial
Lancet. 2013 Oct 5;382(9899):1175-1182.
2010年10月から12月ベースラインで、6つのヨーロッパの国のプライマリケアをクラスター分けし、 
通常ケア、CRPをPOCとして用いる訓練、CRPとenhanced communication分け 
ベースライン成人、6771名、下気道感染感染3742(55.3%)、上気道感染1416(20.9%)、うち抗生剤使用5355(79.1%) ランダム化後、診療者 246、 患者 4264を登録 
抗生剤処方比率は、CRP訓練群は非訓練群より低率  (33% vs 48%, adjusted risk ratio 0.54, 95% CI 0.42—0.69) 
さらに、enhanced-communication trainingを受けた群は、非訓練群より低率  (36% vs45%, 0.69, 0.54—0.87) 組み合わせ介入は、より抗生剤処方率減少  (CRP risk ratio 0.53, 95% CI 0.36—0.74, p < 0.0001)

 


インターネットを使った医師生涯教育の実利性が示されたことになる。 それと、CRP不要論って、・・・どこの話? → http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/142772/

高コレステロール血症:siRNA(ALN-PCS)第1相治験 ;時代は、RNAi薬剤開発へ

Proprotein convertase subtilisin/kexin type 9 (PCSK9)は、LDL受容体に結合し、機能を阻害する。PCSK9変異による機能消失はLDLコレステロール減少し、冠動脈疾患リスク減少する。 ここをターゲットとする薬剤開発
・ Anti-PCSK9抗体:LDL治療薬 phase I http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/03/anti-pcsk9phase-i.html ・高コレステロール血症治療: 抗PCSK9抗体治験 (+スタチンでの効果) http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/11/pcsk9.html
PCSK9阻害する、低分子干渉RNA:small interfering RNA ( ALN-PCS)の第一相トライアル

 Effect of an RNA interference drug on the synthesis of proprotein convertase subtilisin/kexin type 9 (PCSK9) and the concentration of serum LDL cholesterol in healthy volunteers: a randomised, single-blind, placebo-controlled, phase 1 trial
Kevin Fitzgerald et. al.
 The Lancet, Early Online Publication, 3 October 2013
ランダム化単盲験プラシーボ対照化第1相:健康成人ボランティア(LDL 3.00 mmol/L以上) 介入群3:プラシーボ1割り付け 
第1相のため、プライマリエンドポイントは安全性・耐用性 
セカンダリエンドポイントは、薬剤動態とLDLコレステロールへの薬物的効果 
被験者 32名、介入群割り付け、 ALN-PCS (0.015 mg/kg [n=3]、 0.045 mg/kg [n=3]、 0.090 mg/kg [n=3], 0.150 mg/kg [n=3]、0.250 mg/kg [n=6]、 0.400 mg/kg [n=6]) と、プラシーボ 8例 
治療緊急的副作用患者比率はプラシーボ群と同様;ALN-PCS 19 [79%] vs 7 [88%]) 
ALN-PCSは迅速部主、ピーク・AUC  (0 to last measurement) は投与量レンジ横断的に大まかに用量依存的 
ALN-PCS 0.400 mg/kg投与群では、循環中PCSK9血清蛋白70%減少 ( p  < 0.0001) プラシーボ比較でベースラインよりLDL平均40%減少 ( p < 0.0001)

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