2012年8月16日木曜日

重症肺炎のウィルス性感染は細菌性感染と匹敵するほど多い

日本の市中肺炎のガイドラインでは、ウィルス性肺炎に関して記載が少ない。
ICU管理必要な重症肺炎でも細菌性と匹敵するほど、ウィルス性肺炎の頻度は多い。



Viral Infection in Patients with Severe Pneumonia Requiring Intensive Care Unit Admission
Am. J. Respir. Crit. Care Med. August 15, 2012 vol. 186 no. 4 325-332
前向きコホートの後顧的解析:重症CAP患者、HCAP患者

198(CAP 64名、HCAP 134)

BAL 115名(58.1%)、BALFのRT-PCR 104名

鼻咽頭RT-PCR 159名(84.1%)
細菌感染 71名(35.9%)、ウィルス感染 72名(36.4%)

ライノウィルスがもっと最も多く(23.6%)、パラインフルエンザ(20.8%)、human metapneumovirus (18.1%)、RSV(13.9%)

CAP群中、RSVが最も頻度多い(CAP, 10.9%; HCAP, 2.2%; P = 0.01)

細菌感染、ウィルス感染、ウィルス・細菌共感染の死亡率は有意に差は認めなかった (25.5, 26.5, 33.3%; P = 0.82).

結論:ウィルスは、ICU入院必要肺炎患者の気道に頻回に存在し、重症肺炎の原因となる。
ウィルス・細菌感染の死亡率は同程度かもしれない。

FDA安全性情報:小児コデイン使用による急死症例


MedWatch: The FDA Safety Information and Adverse Event Reporting Program
http://www.fda.gov/Safety/MedWatch/default.htm

小児であるが、扁桃腺・アデノイドなどの手術後コデイン使用に関しFDAが警告。
疼痛緩和のための服用後死亡例を受けたもの

睡眠時無呼吸を生じる気道閉塞改善のための手術で、いずれも通常量投与で、医療関係者・親へ注意をコデインのリスクに関して喚起

コデインの急速代謝(コデイン→モルヒネへの代謝): “ultra-rapid metabolizer”は、100名中1から7名で生じ、民族によっては28名ほどに跳ね上がる。


日本人は幸いにして、 “ultra-rapid metabolizer”比率少ないようだ。だが、ゼロではないので配慮は必要。

コデインはフェナントレン環のフェノール環のメトキシ基のため,初期通過効果を強く受けることはなく,生体内利用率は 40%とされている.健康成人に 60 mg を内服させた時の Cmaxは 121±30 ng(1.2±0.8 時間後),半減期は 2.3±0.4 時間である.コデインはその約 10% が肝薬物代謝酵素CYP2D6 により脱メチル化されモルヒネに変換される.このモルヒネが鎮痛作用を発揮すると考えられている.30~40%は肝臓でグルクロン酸縫合され,7~9%はノルコデイン,4~13%がモルヒネとして尿中に排泄される.
http://www.kanwacare.jp/medicine/pdf/11.pdf


“わが国をはじめとするアジア人では、この分子種のPM頻度は0・2%前後と低いので、CYP2D6の遺伝子診断がルーチン化される可能性は対費用効果関係から考えて当面はあり得ないだろう”
http://www.e-clinician.net/vol48/no504/pdf/tailor_504.pdf



英国ではOTCとして、コデイン関連成分は禁止されている。
 (英国MHRA:コデイン・ジヒドロコデインOTC販売規制 ・・・ 日本でも強化が必要では?  2009年 09月 05日
日本では、相変わらず、“ジヒドロコデインリン酸塩”など含有が許可されており、小児用では“デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物”を代替にしているが、そのあきらかな峻別困難な状況が続いている。 

たとえば、パブロンゴールドA微粒”は同成分含有しているが、1歳以上の服用の用法用量記載がある。

こんな危険な状況を放置して、ネット販売ごり押ししようとしている業界団体および政府・・・

スタチンは2型糖尿病と関連するだけじゃなく、白内障とも関連?


糖尿病は加齢白内障:age-related (AR) cataractのリスク要素で、スタチンは2型糖尿病で頻用される薬剤。AR白内障と、2型糖尿病、スタチン使用報告に関して、大規模眼科クリニック受診者(6397 名 (年齢 <1 -93="-93" br="br">
結論としては、スタチン使用は2型糖尿病患者で多く、そして、AR白内障と相関する。
水晶体のモニタリング長期研究がもちろん必要

Age-related cataract is associated with type 2 diabetes and statin use.
Optom Vis Sci. 2012 Aug;89(8):1165-71.

結果: スタチン使用頻度(38歳超)は2型糖尿病で56%、糖尿病無しで16%

2型糖尿病は有意に核硬化:nuclear sclerosis (OR = 1.62, 1.14-2.29) 、 皮質部白内障:cortical cataract (OR = 1.37, 1.02-1.83)と相関。

スタチン使用も  nuclear sclerosis (OR = 1.48, 1.09-2.00)と、 後嚢下白内障:posterior subcapsular cataract (OR = 1.48, 1.07-2.04)と相関。

スタチン使用白内障50%確率年齢は、2型糖尿病有りで51.7歳、なしで54.9歳
非スタチン使用者では、それぞれ55.1歳、57.3歳 (p < 0.001)。



スタチンと糖尿病リスク :低リスクではほぼ問題なし 高リスクでもベネフィット上回る 2012年8月10日


スタチンの副作用としての疲労感、労作性疲労 ・・・ 女性に多い。親水性スタチンで少ない?  2012年8月14日
 

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