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2022年6月23日木曜日

慢性緊張性頭痛への鍼治療治験:浅いプラシーボ vs 深刺し治療

鍼治療治験のsham-placeboは”ツボはずし”であえてポイントを外すやったふりをするのが普通だったと思う。これはほんの表面を刺したに過ぎないということだが、被験者わかるのでは?


以下比較

  • 鍼治療: 12.5-20mmの深さでdeqi感覚を得るまでの深さ

vs

  • 対照:2mmの深さで、deqi感覚が十分でない 

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           

2019年8月1日木曜日

安定狭心症への代替治療としての鍼治療

中国で行われた多施設研究


慢性安定狭心症患者404人を対象とした無作為化臨床試験の実施を通じて、慢性安定狭心症患者の狭心症発作頻度の減少における抗狭心症療法の補助療法としての鍼治療の有効性と安全性を検討

Acupuncture as Adjunctive Therapy for Chronic Stable Angina
A Randomized Clinical Trial
Ling Zhao, et al.
JAMA Intern Med. Published online July 29, 2019. doi:10.1001/jamainternmed.2019.2407
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2739058

16週の群の間で、狭心症発作の頻度の平均変化は有意に変動し、狭心症発作の数のより大きな減少がDAM群対NAM群、DAM群対SA​​群、およびDAMグループとWLグループ。したがって、NAM、SA、または無鍼治療(WL)での鍼治療と比較して、DAMでの鍼治療は、抗狭心症療法に対する補助治療として狭心症を軽減するのに優れた利点を示した。


398名 ランダム割り付け
  • acupuncture on the acupoints on the disease-affected meridian (DAM):疾患関連経絡のツボへの鍼治療
  • acupuncture on the acupoints on the nonaffected meridian (NAM):関連しない経絡への鍼治療
  • sham acupuncture (SA):偽治療
  • no acupuncture (wait list [WL] group):wait list群
ITT解析、4群間ベースライン同等


16週において、狭心症頻度変化有意にばらつき
NAM群に比べDAM群で狭心症発作数減少、SA群に比べDAM群でも、WL群比較DAM群でも同様


結論:
 鍼治療は狭心症を軽減するための補助治療の一つの選択肢として考慮されるべき





JAMAに鍼治療肯定的論文記載


Neiguan(PC6)、Tongi(HT5)
Both points are punctured bilaterally and perpendicularly 2 to 4 cm




2017年2月28日火曜日

いわゆる“ツボ”に電気刺激を与えることで、COPD患者の呼吸困難改善効果あるのか?

いわゆる“ツボ”に電気刺激を与えることで、COPD患者の呼吸困難改善効果あるのか?

結論から言えば、有意差はあるものの、MCIDから考えれば微妙


Research Article
Acu-TENS Reduces Breathlessness during Exercise in People with Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine
Volume 2017 (2017), Article ID 3649257, 7 pages
https://doi.org/10.1155/2017/3649257


背景:労作性呼吸困難はCOPD患者の身体活動レベルを限定することとなる。ランダム化二重盲検交差試験で、acupointにおいて経皮的電気的神経刺激法であるAcu-TENSのCOPD患者の運動中息切れへの効果を評価。 
研究方法:21名の被検者、1週毎2介入後受診時評価、平均%予測FEV1 %
各々の介入日において、2回の耐久性シャトルウォーク試験(ESWT)、すわなち、Walk1とWalk2を施行。
Walk1は介入無し、Walk2はAcu-TENS vs Sham-TENSを施行(ランダム順)、45分間とWalk2中。ESWT時間とWalk1とWalk2の各々の介入日のisotime時の呼吸困難スコアを比較。ESWT時間とisotime呼吸困難の群間差も比較。

結果:Walk1とWalk2のisotimeにおいて、Acu-TENSは呼吸困難減少( -0.8 ポイント (95%, CI [信頼区間] -0.2 〜 -1.4)、しかしSham-TENSでは有意減少認めず[0.1 point (95% CI −0.4 to 0.6)]

Sham-TENSに比べ、 Acu-TENSは呼吸困難有意減少  −0.9 point (95% CI −0.2 to −1.6) 、ESWT中、群間差有意性認めず


結論:Acu-TENSでCOPD患者のウォーキング中呼吸困難改善するも、歩行距離伸ばさず



そもそも 呼吸困難度 -0.8ポイントって、MCID超してるのだろうか?
" 0–10-category-ratio Borg scale "を用いての検討と記載されている
mBorgに関しても1程度がMCIDと思われ、臨床的な意味が無い・・・と言う結論でもおかしくない




2014年10月6日月曜日

慢性膝痛への鍼治療(ニードル、レーザー) は臨床的意義認めず

慢性膝痛への鍼治療

鍼治療無し、鍼、レーザー鍼、シャム・レーザー鍼治療の対照比較




Acupuncture for Chronic Knee Pain
A Randomized Clinical Trial
Rana S. Hinman, et. al.
JAMA. 2014;312(13):1313-1322. doi:10.1001/jama.2014.12660.



プライマリ・アウトカムは、膝痛平均(numeric rating scale 0 - 10 )、最小臨床重要差分 [MCID]を1.8、身体活動性スケール(障害無し 0 ~ 重度障害 68)

12週時点、1年時点でのフォローアップ不能例 12週後 26(9%)、 1年後 50(18%)

ニードル鍼、 レーザー鍼はそれぞれ、12週時点で対照に比べ
 プライマリ・アウトカムである、疼痛スコア変化 -0.4 Unit; -1.2 ~ 0.4 、 -0.1 Unit; -0.9 ~ 0.7
 もうひとつのプライマリアウトカムである身体機能は、-1.7;95% CI, -6.1 ~ 2.6、 0.5;95% CI,  -3.4 ~ 4.4


ニードル鍼にて、12週後疼痛改善効果若干ある(-3.9; 95%CI, -7.7 ~ -0.2)が、1年後は消失。


セカンダリアウトカム(その他疼痛機能測定項目、QOL、全般変化)も有意差無し。





統計学的有意差があれば患者本人にありがたみがなくても治療効果ありということじゃ・・・なんのため、薬物などの介入があるのか?・・・となってしまう。


MCIDの概念は、呼吸器系分野ではおなじみだが、Anchor法はもともと変形性関節症由来。


Minimal Clinically Important Difference
Defining What Really Matters to Patients
Anna E. McGlothlin, et. al.
JAMA. 2014;312(13):1342-1343. doi:10.1001/jama.2014.13128.


3つの測定法
・ Consensus に基づく・・・ Delphi法が代表的
・ Anchorに基づく・・・ 数値スケールの変化を別々の被験者で比較 : 「同様」「すこしはまし」「明らかにちょっと良い」か選択質問、定量的、カテゴリー的評価。
・ Distributionに基づく・・・ これはminimal detectable changeであり、MCIDとしての代替利用はできない。




2014年3月1日土曜日

システマティック・レビュー:鍼による心拍変動への影響

鍼による心拍変動への影響


鍼は健康成人に対して心拍変動に影響示さないという報告であったが、今回のシステマティック・レビューにより、健常者・被健康群で、心拍変動への影響が示された。
なんらかの効果を示すのかもしれない。


Review Article
Effect of Acupuncture on Heart Rate Variability: A Systematic Review
Joanne W. Y. Chung, et. al.
Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine Volume 2014 (2014), Article ID 819871, 19 pages
http://dx.doi.org/10.1155/2014/819871


14名の研究

鍼による、心拍変動(HRV)の低周波(LF)と低周波/高周波比(LF/HF比)減少効果が非健康群でしめされた。健康群では低周波正規化(LF norm) への影響が示された。






全体的効果としては、sham/control群の方が、非健康群ではHFで、健康群ではHF normで良好。

健康被験者では、ST36のパフォーマンスとして、HRTのHF及びLF/HF比減少効果有意で、健康・被験者ともPC6において有意。

2013年12月27日金曜日

鍼治療はプラシーボ効果に他ならず・・・真の鍼治療も偽の鍼治療も差は無い

数千年の歴史があるという鍼治療、実際にはあやしいもので、プラシーボ効果にほかならないという報告。47名のアロマターゼ阻害剤治療乳がん患者にて、真の鍼治療と、偽の鍼治療行ったところ、偽のでも効果認め、歴史あるはずの真の鍼治療と、いんちき鍼治療で差を認めなかった。


Patient-reported outcomes in women with breast cancer enrolled in a dual-center, double-blind, randomized controlled trial assessing the effect of acupuncture in reducing aromatase inhibitor-induced musculoskeletal symptoms
Ting Bao , et.al.
Cancer;Article first published online: 23 DEC 2013
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/cncr.28352/abstract
DOI: 10.1002/cncr.28352
【背景】 アロマターゼ阻害剤は患者報告アウトカム(patient-reported outcomes (PROs))減少と相関する。この研究目的は現実の鍼治療(real acupuncture)とシャム鍼治療を比較し、真にPROs改善をもたらすか、アジュバントAI治療を受けた乳がん患者で評価。 
【方法】 閉経後女性 stage 0からIII、AI治療乳がん患者で、治療関連筋骨格筋症状を有する患者をランダム割り付け(二重センター、ランダム化対照化トライアル)
・8 weekly RA versus SA
以下をベースライン、4週、8週、12週でPROs評価
・National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project (NSABP) menopausal symptoms questionnaire
・Center for Epidemiological Studies Depression (CESD) scale
・Hospital Anxiety and Depression Scale (HADS)
・Pittsburgh Sleep Quality Index (PSQI)
・hot flash daily diary
・Hot Flash-Related Daily Interference Scale (HFRDI)
・European quality-of-life survey (EuroQol)

【結果】
intention-to-treat analysis;RA群 23名、SA群 24名
ベースライン比較で、RA群スコアは有意に8週目で改善
・ CESD (P = .022)
・ hot flash severity (P = .006)
・ hot flash frequency (P = .011)
・ HFRDI (P = .014)
・ NSABP menopausal symptoms (P = .022)
SA群スコアは有意に以下改善
・EuroQol (P = .022)
・HFRDI (P = .043),
・NSABP menopausal symptoms (P = .005)

Post-hoc解析では、アフリカ系アメリカ人が非アフリカ系よりRAによるベネフィットを示唆。hot flash 重症度・頻度スコアで改善が示唆。

【結論】
RA、Saともに、乳がんアロマターゼ阻害剤治療患者の患者報告アウトカム改善と関連するが、群間差は有意ではない。人種的反応の差は今後の課題


2013年2月19日火曜日

鍼治療:花粉症などのアレルギー性鼻炎に効果あるものの、軽度・効果持続短く・・・

季節性アレルギー性鼻炎に対し、8週間の鍼治療で、有意だが、短い効果が認められた。
QOL改善効果、レスキュー治療に関する改善効果は少ないか、もしくは、不確実
鍼治療8週めではすでにその効果はみとめられないというもの。
 
結論から言えば、 臨床的意義不明ということに・・・

Acupuncture in Patients With Seasonal Allergic Rhinitis: A Randomized Trial
Benno Brinkhaus,  et. al.
Acupuncture Research in the Era of Comparative Effectiveness Research
Ann Intern Med. 19 February 2013;158(4):225-234

季節性アレルギー性鼻炎:SAR; seasonal allergic rhinitisへの鍼治療、ランダム化対照多施設研究
46名の専門医、6病院クリニック、32プライベート外来クリニック

422名のSAR・樫の木および花粉アレルギー

介入:
鍼治療:レスキュー薬(Rescue medication:RM セチリジン) 212名
シャム鍼治療+RM 102名
対照:RMのみ 108名

測定: Rhinitis Quality of Life Questionnaire (RQLQ) overall score and the RM score (RMS) のベースラインから、初年第7週、8週、16週、2年時8週の比較
事前非劣性境界を-0.5点(RQLQ)、-1.5(RMS)

結果:
シャム鍼+RM比較し、鍼治療はRQLQスコア改善と関連
 (シャム vs 鍼治療の差平均  0.5 点 [97.5% CI, 0.2 〜 0.8 点;p< 0.001];

RMのみ と 鍼治療のRMLQスコアの差平均は、0.7点(97.5% CI, 0.4-1.0;p< 0.001)

シャム鍼と鍼治療のRMSの差平均は、1.1点(97.5%CI, 0.4-1.9点;  p< 0.001)
RMと鍼治療の差平均は、1.5点(97.5%CI, 0.8-2.2点: p<0.001)

初年16週後差認めず

8週後フォローアップステージ後、真の鍼治療での改善度は小さいが存在  (RQLQ 差平均, 0.3 点 [95% CI, 0.03 〜 0.6点; P = 0.032]; RMS 差平均, 1.0 点 [95% CI, 0.2 〜 1.9 点; P = 0.018])







もちろん、鍼治療全般にエビデンスがないというわけではない
 鍼治療の得意分野というのがありそう・・・

鍼治療のクリティカル分析 2006年 01月 24日 
腰痛男性不妊COPD などを紹介してきた。 

2012年9月11日火曜日

慢性疼痛(腰背部、クビ、変形性関節、慢性頭痛)への鍼の効果:システマティック・レビュー

鍼は慢性疼痛治療に有効で、故に、合理的考慮オプションである。ホントの鍼と偽の鍼に有意差はプラシーボより大きい。しかし、この差は比較的軽度で、needlingの特異的な効果が鍼の治療効果に寄与していることが判明した。

Acupuncture for Chronic Pain:  Individual Patient Data Meta-analysis
Andrew J. Vickers, DPhil, et. al.
for the Acupuncture Trialists' Collaboration
Arch Intern Med. Published online September 10, 2012. doi:10.1001/archinternmed.2012.3654 

部位隠蔽が一義的に適切である、慢性疼痛へのRCTのシステマティック・レビュー
29/31使用、17922名の患者解析

登録RCTの一次解析にて、鍼は、sham及び非鍼対照群に比べ、どの疼痛に対しても優れていた (P < .001 for all comparisons)
鍼が極端に優れているというRCT除外後、effect sizeは疼痛条件横断的に同等。

鍼の疼痛軽減を訴える患者のスコアは、背部痛、頚部痛、変形性関節痛、慢性頭痛で、sham対照より、それぞれ 0.23 (95% CI, 0.13-0.33)、 0.16 (95% CI, 0.07-0.25)、 0.15 (95% CI, 0.07-0.24)SD となり、非鍼比較のeffect sizeはそれぞれ、0.55 (95% CI, 0.51-0.58)、 0.57 (95% CI, 0.50-0.64)、 0.42 (95% CI, 0.37-0.46) SD

これらの結果は感度分析のばらつきがあり、出版バイアスと関連する。

鍼の治療効果は明瞭だが、その程度は比較的軽度という結論。


最近、鍼に関しては、それなりにまとまった報告で、COPDでの運動耐容能・労作性呼吸困難改善が示されている。
COPD:鍼で、運動耐容能、労作性呼吸苦改善 2012年 05月16日



運動療法や認知行動療法などとの効果的な組み合わせ、薬物療法との組み合わせなど統合的な取り組みが必要なのかもしれない。


鍼の効果研究は、プラシーボ効果との戦い。sham-鍼、鍼施行無しとの比較必要。
鍼治療のクリティカル分析 2006年 01月 24日
、鍼はまだ議論の多い段階である。有益であるという所見もあるが、主にプラセボ反応によるというのが他の報告も

慢性頭痛に鍼(はり)有効 2004年 03月 26日


これなんかは追試が必要
鍼治療で男性不妊改善? 2005年 07月 26日

2012年5月16日水曜日

COPD:鍼で、運動耐容能、労作性呼吸苦改善

 労作性呼吸困難(DOE)はCOPDの主な症状で、コントロールは困難。標準薬物治療を受けているCOPD患者に対して、鍼がプラシーボよりDOE改善効果として優れているかの検討。

 12週後、6分間歩行試験後のBorgスケールスコアは、リアル鍼はプラシーボ鍼に比べ有意に改善(共役変数解析によるベースラインからの平均[SD] 差、-3.6[1.9] vs 0.4[1.2]、 共役変数解析による群間平均差、 −3.58; 95% CI, −4.27 to −2.90)

リアル鍼を受けたCOPD患者は、6分間歩行距離の改善を認め、運動耐用性改善、DOEの改善を示唆する

A Randomized, Placebo-Controlled Trial of Acupuncture in Patients With Chronic Obstructive Pulmonary Disease (COPD)The COPD-Acupuncture Trial (CAT)
Arch Intern Med. 2012;():1-9.


Acupuncture points used. The acupuncture points were selected according to traditional Chinese medicine theory: (1) LU1 (Zhongfu) and (2) LU9 (Taiyuan) in the lung meridian; (3) LI18 (Futu) in the large intestine meridian; (4) CV4 (Guanyuan) and (5) CV12 (Zhongwan) in the conception vessel; (6) ST36 (Zusanli) in the stomach meridian; (7) KI3 (Taixi) in the kidney meridian; (8) GB12 (Wangu) in the gallbladder meridian; and (9) BL13 (Feishu), (10) BL20 (Pishu), and (11) BL23 (Shenshu) in the bladder meridian.




日本の研究なので、逐語訳は控えた。

COPD患者の労作性呼吸苦に対して、鍼治療が有効である可能性がある。
 疼痛緩和に関しては、鍼の局所的効果の作用:adenosine A1受容体の関与 2010年 05月 31日など一歩踏み込んだ報告があるが、呼吸苦に関しても同様にメカニズムへの踏み込みが必要だろう。
上記論文では、メカニズムとして、呼吸補助筋・呼吸筋の疲労・疼痛、惹起される発痛・虚血、効果として筋弛緩・胸郭可動性の改善などが記載されている。

ただ、この種の研究は出版バイアスや偽プラシーボの議論がつきまとうので、追試、補強が必要だろう。

参照:
・ 鍼を評価する事の難しさ:プラセボ効果を掘り下げたシステマティックレビュー 2009年 01月 30日

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...