2015年4月15日水曜日

”Workplace Exacerbation of Asthma”(WEA)

”Workplace Exacerbation of Asthma”(WEA)という表現

日本のガイドラインの「職業喘息」って表現には確かに引っかかりを覚える。

原因も増悪もすべて職場環境による喘息って少ないのでは?喘息発作のトリガーは多要素であり、感染・気候・心的状況を含めたものが引き金というのは常識だし、そのトリガーの一つが職場環境というのがおそらく正しいだろう。


日本のガイドラインの「職業喘息」の項目名はおそらく今後変更されるのだろう。





http://www.cdc.gov/niosh/topics/asthma/exacerbat-research.html


ATS2003年ステートメントでは、労働環境下で悪化する喘息は労働を原因とする喘息による病態や生産性低下に関わると記載。workplace exacerbation of asthma (WEA) は、臨床医師、研究者、公衆衛生担当者でも関心が薄い。予防アクションガイドが必要。

Dr. Paul Hennebergerら(Respiratory Disease Research Program at NIOSH )は、その必要性を認識し、アクションを行った。SENSOR surveillance programをCalifornia、Massachusetts、 Michigan、 New Jerseyで行い、WEA5年研究を完遂。
2014年Respiratory Disease Research Program は、他国当該研究所より多く出版、13のキジ、3つの本章、オンライン教育ユニットを提示した。

WEAは顧問で有り、喘息就労成人の約4人に1人の頻度で有る。ただ、職場特有の原因物質、二次喫煙や無機物ダスト、生物学的ダスト、 low molecular weight highly reactive agentなどの刺激物を含む。
WEA症例は多くの健康上の問題としては同様の合併症を経験し、職場関連しない喘息に比べQOL低下をもたらす。

ATS Work-Exacerbated Asthma Committee は、official ATS statement につながる報告を2011年発表。
Henneberger PK, Redlich CA, Callahan DB, et al. on behalf of the ATS Ad Hoc Committee on Work-Exacerbated Asthma. An Official American Thoracic Society Statement: Work-Exacerbated Asthma.  Am J Respir Crit Care Med, 2011 184: 368-378.


肺気腫病態にかかわる新しいエラスターゼIsoform

あたらしいisoformの知見は、肺気腫の病態形成に関与、治療アプローチ困難さを明確にする可能性

形質変化器質活性S1ポケット近傍のSelf-cleavageによりsingle-chain (sc) からtwo-chain (tc) neutrophil elastaseへの変換。自然α−1アンチトリプシンと小分子阻害の抑制作用により好中球エラスターゼの自動転換が生じる。これがマウスモデルでの重要なメカニズム。

Autoprocessing of neutrophil elastase near its active site reduces the efficiency of natural and synthetic elastase inhibitors 
T. Dau, et. al.
Nature Communications 6, Article number: 6722 doi:10.1038/ncomms7722
エラスターゼ作用・エラスターゼ阻害作用の微妙なバランスで生体内組織形成・破壊を調整している。このバランスの見られはエラスターゼ活性促進し、組織損傷をもたらすことになる。肺気腫も然り。
エラスターゼは好中球から賛成され、組織破壊をもたらすが、同時に阻害物質に反応することになるが、阻害作用に影響されにくいエラスターゼの発見があった。
すなわち、Cleaved好中球エラスターゼは”aggressive and resistant”である エラスターゼisoformは、 cleaved (すなわち、2本鎖)状態で存在する。
これを器質にしたあたらしい阻害物質の開発が肺気腫治療薬になる可能性がある。




肺気腫治療の新しい治療法?

アレンドロネート吸入は、エラスターゼによる肺気腫モデルにおいて、マクロファージのmigratory activityと貪食能を抑制し、NF-κBシグナル化抑制することで肺胞マクロファージの炎症反応鈍化。

Alendronate inhalation ameliorates elastase-induced pulmonary emphysema in mice by induction of apoptosis of alveolar macrophages
Manabu Ueno, et. al.
Nature Communications 6, Article number: 6332 doi:10.1038/ncomms7332



骨粗鬆症治療薬である、アレンドロネートを吸入


テトラサイクリン系+ビスフォスフォネート併用で、よりプロテアーゼ阻害って話も以前からあるようだが・・・






プロサイモシンαは、喫煙状態において、ヒストンのアセチル化、NFーκBを促進し、肺気腫の病態形成に関与。
Prothymosin α overexpression contributes to the development of pulmonary emphysema 
Bing-Hua Su, et. al.
Nature Communications 4, Article number: 1906 Published 21 May 2013

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