2018年2月10日土曜日

電子タバコの煙→気道上皮酸化ストレス誘発→肺炎球菌接着増加:気道感染悪化

電子タバコにはフリーラジカルを含むため酸化ストレスの発生源となる
気道細胞の酸化ストレスはPAFR(platelet-acitivating facor receptor)発現亢進、宿主細胞への肺炎球菌の接着をPAFRを促進。



E-cigarette vapour enhances pneumococcal adherence to airway epithelial cells
Lisa Miyashita,  et al.
European Respiratory Journal 2018 51: 1701592; DOI: 10.1183/13993003.01592-2017

成人において、鼻粘膜上皮PAFRをnon-vaping対照で比較し、vaping前後で評価。
vaporによる酸化ストレス誘導効果、PAFR依存肺炎球菌気道上皮細胞接着(in vitro)、マウス鼻咽頭の肺炎球菌コロナイゼーションを検証


ベースラインの鼻粘膜PAFR発現は、電子タバコ使用者であるVapers(n=11)でも、非使用者対照(n=6)でも差は認めないが、vapingで鼻粘膜PAFR発現増加をもたらす。
ニコチン含有、ニコチン・フリー電子タバコvapourとも、in vitroで気道細胞の肺炎球菌接着増加
vapour(蒸気)-刺激接着 (in vitro)は、PAFR遮断剤 CV3988で減弱


ニコチン含有電子タバコvapourはマウス鼻PAFR発現増加し、鼻咽頭肺炎コロナイゼーション増加

redox-active金属を含有するvapourでは、かなり酸化活性を有し、接着は抗酸化物質N-アセチルシステインで減衰する。



この結果、電子タバコvapourは、肺炎球菌感染感受性増加させる可能性を示唆





電子タバコ煙による気道上皮への悪化要素として、酸化ストレス誘起作用、そして、生体内のレドックス(酸化還元)反応を有する金属の影響など、これらが易感染性を惹起する可能性が示唆された

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