2017年12月28日木曜日

SPRINT:他剤追加で降圧効果も重大心血管イベントも減少認めた

最近の高血圧の話題は”SPRINT"ばかりだが、操作変数モデル解析



結論から言えば、「new classの降圧剤」追加で、収縮期血圧降下良好で重大心血管イベントも相当減少できた。ただし、糖尿病は例外。

 3つのclass以上の降圧剤使用時するほど、降圧効果が認められ、重大心血管イベント減少に繋がるのか?SPRINTはこの質問に対するユニークな回答を示したが、トライアル自体の早期中断(重大心血管イベント・死亡リスク低減効果が予想以上に開いたための早期中断)によりリスクに関する疑念が残存。ベネフィットリスクに関わるさらなる解析が必要となったという・・・序文記載。


 何かと騒がしいSPRINT (Systolic Blood Pressure Intervention Trial):日本語訳 http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/c2005525.html

 ↑
解説入り乱れており分かりにくいのでスライド集の方がまとまってる
 https://www.sprinttrial.org/public/dspHome.cfm


復習すると
 治療アルゴリズム:2-3剤で開始(サイアザイド系利尿剤 and/or ACEI or ARB<後者2剤併用はダメ> and/or CCB)で、β遮断剤他の薬剤は別途希求的理由があれば可
 https://www.sprinttrial.org/public/Treatment_Algorithm.pdf


 2010-2015年の102ヶ所のRCTの二次データ解析






Incremental effects of antihypertensive drugs: instrumental variable analysis
Adam A Markovitz et al.
BMJ 2017; 359 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j5542 (Published 22 December 2017)
Cite this as: BMJ 2017;359:j5542
http://www.bmj.com/content/359/bmj.j5542

"new class"からの降圧剤を加えた、適応による寄与因子補正standard multivariable model (not multivariate)で、収縮期血圧中等度低下( -1.3 mmHg, 95% 信頼区間 -1.6 to -1.0)で、重大心血管イベントは変化認めず (イベント絶対リスク / 1000 人年, 0.5, 95% 信頼区間 −1.5 to 2.3)

instrumental variable model:操作変数法 (参考:https://healthpolicyhealthecon.com/2015/03/15/instrumental-variable-methods/)では、"new class"の降圧剤追加で収縮期血圧の臨床的有意減少 (−14.4 mm Hg, −15.6 to −13.3)と、重大心血管イベントの減少 (絶対リスク −6.2, −10.9 to −1.3).を認めた。

収縮期血圧の定常的減少効果は、無し、1種類、2種類、3種類、それ以上の種類の"class"追加に応じて大きく同程度効果は方向性維持する。
患者サブグループ横断的にこの知見は認められ、降圧剤の違う"class"の追加は副事象と相関しないことはstandardあるいはinstrumental model共に認められた。


収縮期血圧


重大心血管イベント


重大副作用





失念しているかもしれないが、new classや1st classのはっきりとした定義見つけ出せてない。
序文に、1st classとして“サイアザイド系利尿剤、ACE阻害剤”、さらには、2nd (or 3rd) classと記載されているので、第1選択、第2選択、第3・・・という意味のclassと解釈し、β遮断剤は特別な理由がない限り後回しなので、カルシウム拮抗剤、ACE阻害剤の代わりのARBというのが普通だと思う。はっきり記載されてないのでもどかしい





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