2014年1月8日水曜日

中国:ヒトアデノウィルス type 55肺炎の特徴

2008年以降、ヒト・アデノウィルス type 55 (HAdV-55)重症例がスポラディックに中国で報告されている。他のタイプのアデノウィルス(HAdV-7, HAdV-3, HAdV-14, HAdV-50, and HAdV-C)との臨床的違いがはっきりしない。

中国・成人・若年者CAP多施設サーベイランス


Emergence of Community-Acquired Adenovirus Type 55 as a Cause of Community-Onset Pneumonia
Bin Cao,  et. al.,
Chest. 2014;145(1):79-86. doi:10.1378/chest.13-1186 

969名の症例中、アデノウィルス性肺炎は、48(5%)
6つのブランチ集積: HAdV-55   21例、 HAdV-7  11例、 HAdV-3 9例 、 HAdV-14  4例 、 HAdV-50 2例 、HAdV-C 1例

HAdV-55 例の多くは2月から3月

21のHAdV-55種のhexon遺伝子高変異部位全て同定

HAdV-55症例は、他のタイプ(HAdV-7、 HAdV-3、 HAdV-14、 HAdV-50、 HAdV-C)の症例より、ほぼ10歳以上年長、肺炎重症度 P = .027、P = .030)

収縮期血圧もHAdV-55群で高い (P = .006)

片側、両側コンソリデーションがレントゲン上最も見られる特徴( 57.9% vs 他のタイプ 36%)

半数以上が入院。酸素投与は48例のうち29.2%、2名は人工呼吸必要



呼気流速毎NO濃度変化分布は単純で有益

NOの分布が、末梢気道・小気道・肺胞[Cano])からか、大気道・中心性気道から [J’awno]かを区別することで、臨床的情報獲得の可能性

NO濃度/呼気時間プロット(AUC-NO)曲線下面積計算(50、100、200、300 mL/s)


呼気流速毎のAUC-NO変化:50 to 200 mL/sは、J’awno補正後、以下と強く相関
・健常者、喘息患者、COPD患者、CF患者

A Novel Approach to Partition Central and Peripheral Airway Nitric Oxide
Paolo Paredi, et. al.,
Chest. 2014;145(1):113-119. doi:10.1378/chest.13-0843



喘息急性増悪:β刺激剤に比例し高乳酸血症増加

β刺激剤吸入投与量比例的に、血中乳酸濃度は増加する。直接の健康インパクトは示されてないが、代謝性アシドーシスをもたらすなど、影響をあたえることは確か。


Albuterol Administration Is Commonly Associated With Increases in Serum Lactate in Patients With Asthma Treated for Acute Exacerbation of Asthma
Lawrence M. Lewis, et. al.
Chest. 2014;145(1):53-59. doi:10.1378/chest.13-0930 

背景:  喘息急性増悪間の、高乳酸血症の頻度・原因について、議論が存在する。
喘息急性悪化例での高乳酸血症頻度・寄与原因・副作用イベントを評価。

方法: 急性喘息増悪症例・IV βアドレナリンアゴニスト評価の 前向き、ランダム化トライアルからのプラシーボ被験者のサブ解析
血中アルブテロール、血中乳酸、重炭酸濃度をベースライン、1.25時間評価。呼吸困難スコア、スパイロメトリーをベースラインと3時間時間毎行う
アルブテロールネブライザー5から15mg、イプラトロピウムネブライザー0.5から1mg、経口プレドニゾロン50m最低、研究前同等量を含む治療トライアル
ランダム化に続き、アルブテロール継続及びマグネシウムIV治療を治療医師判断で行う。入院、退院フォローアップ24時間、1週間後。

結果:親トライアル登録 175名、プラシーボ 84名、 完全データ 65名。
アルブテロール投与量 平均±SDは、12.5 ± 5.3 mg
ベースライン乳酸平均は、  18.5 ± 8.4 mg/dL vs 26.5 ± 11.8 mg/dL at 1.25 h (P < .001)
45名 (69.2%)で、高乳酸血症
平均ベースライン血中重炭酸濃度は 22.6 ± 2.9 mEq/L vs 21.9 ± 4.0 mEq/L at 1.25 h (P = .11)

アルブテロール血中濃度を乳酸濃度と相関 (β = 0.45, P < .001)、喘息重症度補正後もその相関は維持  (β = 0.41, P = .001).

高乳酸血症は入院や再発リスクを増加させず  (P = .26) 、 3時間後予測1秒率低下と相関する (P = .54)


結論:血中アルブテロールは有意に血中乳酸濃度と相関し、喘息重症度補正後も相関する。高乳酸血症は、3時間後1秒率予測値評価である肺機能悪化と相関せず、1週間後の入院率や再発などとも相関しない。


グローバルにみて、連日喫煙者比率は減るも、絶対数は増大

1980年以降、連日喫煙者の推定頻度はその比率として世界的に男女とも減少。しかし、人口増大のため、絶対数としては増大している。

Smoking Prevalence and Cigarette Consumption in 187 Countries, 1980-2012
Marie Ng,  et. al.,
JAMA. 2014;311(2):183-192. doi:10.1001/jama.2013.284692

グローバルモデル化加齢標準化連日喫煙者率は15歳超の住民では減少
男性:1980年 41.2% (95% uncertainty interval [UI], 40.0%-42.6%) in 1980 → 2012年 31.1% (95% UI, 30.2%-32.0%; P <  .001)
女性:10.6% (95% UI, 10.2%-11.1%) → 6.2% (95% UI, 6.0%-6.4%; P < .001)


1996年から2006年までその頻度減少は、それ以降の期間に比べ迅速であった:1.7%; 95% UI, 1.5%-1.9%)(mean annualized rate of decline, 0.9%; 95% UI, 0.5%-1.3%; P = .003).


モデル化連日喫煙者頻度で減少したのにかかわらず、1890年の7億2100万(95% UI, 700 million–742 million) から2012年の9億6700万(95% UI, 944 million–989 million; P <  .001)とその数は増加している


年齢、性別、国別ばらつきあり、例えば、アフリカ系諸国女性 5%から東チモールやインドネシア男性 55%まで


1日あたり喫煙者あたりのタバコ本数も国毎にばらつきあるが、モデル化喫煙者頻度では補正されない。



95%CI から 95%UIへ:confidence intervalという用語はふさわしくない → 不確定区間へ

信頼区間:confidence intervalという用語はふさわしくないらしい

例えば・・・
↓ 
Smoking Prevalence and Cigarette Consumption in 187 Countries, 1980-2012Marie Ng,  et. al.,JAMA. 2014;311(2):183-192. doi:10.1001/jama.2013.284692http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/01/blog-post_8.html


不確定区間のほうが適切というフィロソフィーに基づく主張

信頼区間の元々の意味は、内在する不確実性に対する統計学的推論上の記述である。ベイズアプローチによる解釈の方法として条件付きで真の値を含む一定の確率の範囲ということになる。



・既知の解釈上困難性(平均解釈でオフィシャルに用いられるが、人々は、どのケースでもベイズ的解釈としてとらえる)
・信頼区間と、予測区間とに曖昧さ存在:古典的枠内での「推論:inference」と「予測:prediction」の違い
・confidenceの低い場合、ノイジーな状況で信頼区間が広い、よりconfidenceがある場合は、その信頼区間が狭い

米国:たばこ回避努力で800万名の生命を守った:反事実的条件下解析


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Editorials and Opinions


JAMA Clinical Evidence Synopsis


Timeline: Tobacco-Related Events, US, 1900-2014

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