2013年8月12日月曜日

高齢者:ココア摂取により神経血管カップリング改善、そして認知機能改善


Neurovascular coupling
脳の局所においては血液循環と脳の代謝が極めて密接に結びついています。すなわち、脳実質の神経細胞の活動性亢進は同部位に限局した血流量の増加を起こします。この神経活動と血液循環との、時間的・空間的に緊密な関係はneurovascular couplingと呼ばれ、その構成要素はneurovascular unitと呼ばれています。neurovascular unitは脳の微小循環の維持・調節や様々な病態に大きく関与しています。(参考
論文中では、「Neurovascular coupling was measured from the beat-to-beat blood flow velocity responses in the middle cerebral arteries to the N-Back Task. 」ということで、計算課題に対する心拍毎・中脳・脳血流量測定にてNeurovascular couplingを測定。


ココア摂取で、高齢者において、Neurovascular couplingと認知機能改善効果が見られるとう報告。


Neurovascular coupling, cerebral white matter integrity, and response to cocoa in older people
Farzaneh A. Sorond,et.al.
Published online before print August 7, 2013,
doi: 10.1212/WNL.0b013e3182a351aa
Neurology 10.1212/WNL.0b013e3182a351aa
目的: 血管リスク要素を持つ高齢者のneurovascular couplingと認知機能の関連性検討、neurovascular couplingがココア摂取により緩和するか検討

研究方法: 60名の高齢者(年齢 72.9 ± 4.5 歳)を平行群二重盲験臨床とリアル
ココア摂取24時間と30日間で、neurovascular couplingと反応コンディションを検討。
認知機能はMMSEとTrail Making Test A、B
MRI登録被験者サブセットでは、脳白質構造integrityを測定

結果:Neurovascular couplingは、Trails Bスコアと相関 (p = 0.002) 、そして、2-Back Taskのパフォーマンスと相関。

Neurovascular coupling高値は、また、 白質hyperintensityにおけるfractional anisotropy高値 と関連  (p = 0.02)

ココア摂取30日間で、ベースラインでのneurovascular coupling障害認める場合、neurovascular coupling増加  (5.6% ± 7.2% vs −2.4% ± 4.8%; p = 0.001)  Trails B time改善 (116 ± 78 秒 vs 167 ± 110 秒; p = 0.007)

結論 : Neurovascular couplingと認知機能に強い相関認め、両者とも、ベースラインで障害のある場合定期的ココア摂取により改善が観察される。
Neurovascular coupling良好性は、また、白質構造integrityの増加とも関連。

ココアはミルク、砂糖と共に・・・ってのが多いのでどうしても高カロリーとなる
http://www.morinaga.co.jp/cocoa/pure/recipe/main.html



スタバでは、「ココア:チョコレートシロップに温かいミルクを加えたもの、モカ:エスプレッソ(コーヒー)にチョコレートシロップと温かいミルクを加えたもので、さらにホイップクリーム追加されることが多い」とのこと。
メニューだけからみると、(純粋な?)ココアは飲めないようだ。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/140124/trd14012408550005-n2.htm
日本チョコレート・ココア協会によると、ダークチョコレートとは、カカオ分(全重量に占める比率)が70%以上の製品を指し、「ビターチョコ」「ブラックチョコ」などの呼び方もある。一方、乳成分が入った「ミルクチョコレート」は30~40%程度。またホワイトチョコレート」はカカオ豆の植物性油脂(ココアバター)だけを使うためエピカテキンなどのポリフェノール類はほとんど含まれない

概念実証研究:抗IgEモノクローナル抗体:オマリズマブ(ゾレア)への非アトピー性喘息有効可能性

概念実証: proof-of-concept 
新たな概念やアイデアの実現可能性を示すために、簡単かつ不完全な実現化(または概要)を行うこと。あるいは、 原理のデモンストレーションによって、ある概念や理論の実用化が可能であること (wikipedia)

アレルギーのエビデンス認めない例は重症喘息の50%まで存在する。抗IgEモノクローナル抗体であるオマリズマブは、重症・持続性アレルギー性喘息というサブセットでベネフィットが示されているが、治療不応性非アトピー性喘息にも生物学的・臨床的有益性が存在するか、概念実証トライアル


A proof-of-concept, randomized, controlled trial of omalizumab in patients with severe, difficult-to-control, nonatopic asthma
Garcia G, et al
Chest 2013; 144: 411-419.

41名の経口ステロイド有無不問・重症非アトピー性治療不応性喘息(GINA) step 4をランダムトライアル 
プライマリエンドポイントは、16週間後の血中好延期級高親和性IgE受容体発現(FcεRI)発現と血中樹状細胞(pDC2)
オマリズマブの肺機能と臨床的変数検討 
プラシーボ比較で、オマリズマブはFcεRI発現、pDC2の統計学的有意減少
(p < 0.001) 
オマリズマブ群は、ベースライン比較で、FEV1包括的増加を示す( +250ml、 p = 0.032; + 9.9% ,p = 0.029) 
治療有効性と喘息増悪率包括的評価改善傾向も観察された


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