2018年12月14日金曜日

牛豚肉レッドミート:カルニチン由来腸内細菌叢TMAO産生で動脈硬化促進

牛や豚肉のような"red meat"ではカルニチンやコリンを多く含む。そして、腸内細菌を介してTMAOのような動脈効果促進性物質増加する

Intestinal microbiota metabolism of L-carnitine, a nutrient in red meat, promotes atherosclerosis
Nature Medicine volume 19, pages 576–585 (2013)


主にカルニチンからの腸内細菌叢によるTMA及びTMAO産生が重要で、コリンからのものではなさそうという報告

「カルニチン」論争再燃?


トリメチルアミン-N-オキシド: trimethylamine N-oxide (TMAO)

食品中に含まれるレシチン(コリン)が腸内細菌によりトリメチルアミン(TMA)に代謝され、さらに肝臓においてFMO酵素によりTMAOへと代謝され、これがマクロファージを変化させアテローム性動脈硬化などの心血管疾患に結びついているとする論文がある。また赤肉などに含まれるカルニチンも同様に腸内細菌-肝臓代謝を経てTMAOとなり、これがアテローム性動脈硬化のリスクを高めているという報告もある。
Wiki


慢性の食事パターン上のTMAOの値、代謝、腎排泄の心血管リスク増加インパクトと腸管microbiotaの中間代謝産物:γ役割ブチロベタイン(γBB)、経口l-カルチニンサプリメントのγBB産生、TMA/TMAOへの異化についての検討


  • TMAO値、代謝、腎排泄へ食事のインパクトは?
  • TMAお値を減少/回復しCVDリスク減少するための介入は存在するか?



 "Impact of chronic dietary red meat, white meat, or non-meat protein on trimethylamine N-oxide metabolism and renal excretion in healthy men and women"
Eur Heart J 2018
DOI: 10.1093/eurheartj/ehy799.

ボランティア(n=113):ランダム化2-arm(高-、低-飽和脂肪)交叉デザイン研究
各々のarmで、3つの4週間等カロリー食(washout期間を各々設ける)を評価
蛋白は25%カロリーmetabolic kitchenで全食事準備
red meat、white meat、非meat蛋白のTMAO代謝への影響を検討

TMAOと他の代謝関連TMAを各食事期間最終で定量化
重isotope tracerにてランダムsubset(n=13)を設定調査

red meat慢性食では、white meatや非meat食とは異なり、血中・尿中TMAO増加(2倍超 P<0.0001)
red meat食はTMAOのfractional腎排出減少(P<0.05)するも、逆にカルニチン排泄増加、2つの腸管microbiota-産生代謝産物carnitine, γ-butyrobetaine,とcrotonobetaineは増加 (P < 0.05)

経口アイソトープ暴露にてred meat、white meat( vs. 非-meat)では、カルニチンからのTMA及びTMAO産生は増加 (P < 0.05)するが、choline. Dietary-saturated fat はTMAOやその代謝産物へインパクトなさなかった


慢性的red meat食では、全身性にTMAO値増加する
(i) 食事由来前駆物質増加
(ii)カルチニンからのmicrobitaによるTMA/TMAO産生増加で、コリン由来ではない 
(iii) 腎TMAO 排泄減少

red meat中止4週間内に血中TMAOは減少する


システミック・レビュー&メタアナリシス;COPD:triple therapy vs dual therapy

triple therapy vs dual therapyの比較だが、必ずしも合剤ではなさそう

急性増悪trple優位で 肺炎リスクに影響は無いような報告だが・・・・?


Triple therapy versus single and dual long-acting bronchodilator therapy in COPD: a systematic review and meta-analysis
Mario Cazzola, et al.
European Respiratory Journal 2018 52: 1801586; 
DOI: 10.1183/13993003.01586-2018

COPD患者におけるICS/LABA/LAMA vs LABA/LAMA、各々の長時間作用型気管支拡張剤単独の比較

ICS/LABA/LAMA併用剤は 対 LABA/LAMA併用剤比較で

  • 急性増悪リスク減少  (相対リスク 0.70, 95% CI 0.53–0.94)
  • FEV1改善 (差平均 in mL +37.94, 95% CI 18.83–53.89) 


3剤併用は対LABA/LAMA比較で急性増悪予防効果は、好酸球 300細胞数/μL以上で最大
(相対リスク 0.57, 95% CI 0.48–0.68)

1年間急性増悪1回回避のための症例数は、

  • ICS/LABA/LAMAでは LABA/LAMA比較で -38
  • 長時間作用型気管支拡張剤単独との比較では -21


ICS/LABA/LAMA併用剤 vs LABA/LAMA併用剤では、1年間あたりperson-based NNTは、好酸球数 300細胞数/μL以上患者で、それ未満の細胞数患者より有意に少ない (NNT値 8.58 vs 46.28)

肺炎リスクは、ICS/LABA/LAMA併用剤と各々の比較では差を認めず
NNH(number needed to harm)としては -195

メタアナリシスにて長時間作用型気管支拡張剤単独、LABA/LAMA併用治療患者は、急性増悪既往ありと血中好酸球数 300/μL以上の症例ではICS/LABA/LAMA併用剤のベネフィット可能性高い








noteへ実験的移行

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