2013年3月9日土曜日

カリーユニ・カタリン点眼・・・白内障治療エビデンス無しと話題になってから10年以上放置する日本医療行政

2002年当時、話題になり、カリーユニ・カタリンってのが世の中から消えてくれるものだと思っていた。

http://www.nms.ac.jp/jnms/2002/06904404j.pdf

白内障薬物療法には,白内障の治療どころか進行防止においてもその有効性に関する十分なエビデンスがないという結論に達する.
すなわち,効くのか効かないのかが不明であり,EBM の考え方では,現在の認可薬物も使用できない,あるいは,有効性は不明であることを十分に説明し,インフォームドコンセントを得た上で処方するということになる.
では,再々評価してはどうか.




ピノレキシン(カタリン点眼液,カリーユニ点眼液)
水晶体の混濁は,可溶性蛋白が,トリプトファンやチロシンなどの代謝異常で生じたベンツキノンカルボン酸やイミンカルボン酸の結合によって,不溶性蛋白となり凝集するために生ずる.本薬剤は,この結合と競合することで,蛋白の不溶化を阻止する.

pubmed で、"pirenoxin, cataracta"で、検索しても、それ以降、トライアルがなされてる形跡がない。


日本の医療政治って、ホントに無駄なところは放置して、 クソ役人たちがテキトーに気づいたところを形だけ改定してお茶を濁すことに終始している。超高齢者へもまんべんなく公費によるがん検診どころか糖尿病検診したり

エビデンスに疑問ある薬剤を、10年以上も放置している日本の医療


軽薄な政治家や経済関係著名人は「医療のコスト削減=ジェネリックで解決」というワンパターンレスポンスを繰り返す。真にコスト削減をめざすなら、こういう無駄無益な薬剤を追放すべきだろう。そして、「真のエビデンス」を提示できてない漢方薬の大多数も公費負担医薬品から追放すべき。
大手製薬メーカーの利益は温存し、医療コスト削減などというのは矛盾である。

視力障害に関わるうつへの影響は、客観的視力障害にあらず、本人の視覚障害自覚に依存

うつスケール(9項目・Patient Health Questionnaire)によるうつ指標と、アンケート視力機能評価、実際の視力検査との関連性

視力障害に関わるうつへの影響は、客観的視力障害にあらず、本人の視覚障害自覚に依存

Association Between Depression and Functional Vision Loss in Persons 20 Years of Age or Older in the United States, NHANES 2005-2008
Xinzhi Zhang, et. al.
JAMA Ophthalmol. 2013;():1-9. doi:10.1001/jamaophthalmol.2013.2597. Published online March 7, 2013
 2005-2008年、9項目PHQ(10点以上)のうつの粗発生頻度は11.3%
視力障害自己報告有る場合 11.3% (95% CI, 9.7%-13.2%) 、 無い場合 4.8 (95% CI, 4.0%-5.7%)   

測定視力障害例(良視力眼球側 20/40より悪化)では、10.7%(95% CI, 8,0%-14.3%) 、正常では6.8%(95%CI, 5.8%-7.8%)

年齢、性別、人種/民族、結婚状態、独居/非独居、教育、収入、雇用状況、保険状況、BMI、喫煙、飲酒、一般的健康状況、視力への苦悩、重大慢性疾患補正後、
自己報告視力機能障害は、有意にうつと関連(包括オッズ比、 1.9 [95%CI, 1.6-2.3)持続、一方、実際の検査場の視力障害とうつは統計学的に有意差認めず
 

統合失調症:ビタミン療法にて陰性症状改善 ・・・ 効果は個別遺伝子変異に依存

ビタミンB12・葉酸サプリメントで、統合失調症・陰性症状改善効果を示すことは驚き、しかも、葉酸吸収に関わる遺伝子異常のある患者で有効という、いわゆる、テーラーメイド治療につながる知見



Randomized Multicenter Investigation of Folate Plus Vitamin B12 Supplementation in Schizophrenia
Joshua L. Roffman, et. al.
JAMA Psychiatry. 2013;():1-9. doi:10.1001/jamapsychiatry.2013.900

 統合失調症の陰性症状は、慢性的で障害を伴い、高コストとなっているため、より効果的な治療が必要とされている。葉酸代謝関連低機能変異遺伝子を有する場合、葉酸濃度減少が、この負の徴候と関連するということで、葉酸サプリメントの可能性を検討。

平行群・ランダム化・二重盲験・プラシーボ対照化臨床トライアル;葉酸 2mg/ビタミンB12 400μg 16週間
3つの地域メンタルヘルスセンター(米国内学術センター関与)

精神科学的安定・抗精神治療に関わらず症状持続慢性統合失調症外来患者
16-68歳、向精神薬6ヶ月以上治療・6週間超の安定投与量、60以上の Positive and Negative Syndrome Scale

140名をランダムに、葉酸+ビタミンB12 vs プラシーボ 

主要アウトカム測定:陰性症状変化(  Scale for the Assessment of Negative Symptoms [SANS])、 positive and total symptoms (Positive and Negative Syndrome Scale))

【結果】
葉酸+ビタミンB12は、プラシーボに比較し、有意に陰性症状改善(群差、週毎SANSスコア -0.33、95% CI, -0.62〜-0.05) と、genotypeを考慮した場合は有意差求めるが、除外時は認めない

治療による FOLH1(rs202676)の 484C>%変異介入が観察された(p=0.02)
484% alleleがhomozygousの時のみ実有意な治療ベネフィットを示した  (週毎 SANSスコア変化 −0.59 ; 95% CI, −0.99 to −0.18).

平行して、ベースラインの赤血球濃度と、484C allele loadの逆相関が見られ(p=.03)、 治療8週後までその効果は持続する。
治療群毎、陽性症状、総症状変化とも差認めず

結論:葉酸+ビタミンB12サプリメントは、統合失調症の陰性症状改善するが、葉酸吸収の遺伝子変異によりその治療効果は影響大きく受ける
個別化医療の必要性を示唆する



noteへ実験的移行

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