2019年9月4日水曜日

2型ディーエムなしのヘフレフでもダパ有効らしいよってことらしいよ

ESCで報告

DAPA-HFトライアル:フォシーガの駆出率低下型心不全への臨床効果
effect sizeとしては 2型糖尿病あり、なしで ほぼ同様の  HR 0.75, 95% CI 0.63-0.90, vs HR 0.73, 95% CI 0.60-0.88


Dapagliflozin Benefits HFrEF Outcomes, Even Without Diabetes
DAPA-HF trial affirms similar benefit to diabetes drug regardless of type 2 diabetes status
https://www.medpagetoday.com/meetingcoverage/esc/81928


McMurrayのグループは、dapagliflozin群 2,373名、プラシーボ群 2371名で評価
平均年齢 67歳で 男性約77%、フォローアップ中央値 18.2ヶ月
心不全診断2ヶ月以上、NYHA II以上、心不全治療として最適化デバイス・薬物療法
LVEF 40%以下(1年以内)
標準治療と共に、dapagliflozin 10mg/日投与(HF-rEF with/without  2型糖尿病)


プライマリ・エンドポイントの中で、以下所見

  • 緊急心不全受診、心不全入院発生: 10.0% vs 13.7%
  • 心血管死亡: 9.6% vs 11.5%
  • HF 入院: 9.7% vs 13.4%
  • HF 入院 or 心血管死 16.1% vs 20.9%
  • 総死亡: 11.6% vs 13.9%




除外項目:1型糖尿病、eGFR 30 ml/min/1.73m2未満、収縮期血圧 95 mm Hg未満、低血圧症状



Key inclusion criteria : LVEF ≥40%, symptomatic HF, NT-proBNP of at least 600 pg/mL, and if hospitalized for HF within the last year, atrial fibrillation or flutter of at least 900 pg/mL, and NT-proBNP of ≥400 pg/mL.
; トライアルプロトコールのinclusion criteriaには 40%以下と記載されているから誤植?



改訂版では、従来から大きく二分されていた左室駆出率(LVEF)が低下した心不全(heart failure with reduced EF:HFrEFヘフレフ)とLVEFが保持された心不全(heart failure with preserved EF:HFpEFヘフペフ)との間に、LVEFが「mid-range」の心不全(heart failure with mid-range EF:HFmrEFミッドレンジ)が新たに加わった
https://www.jhf.or.jp/pro/topics2016/part2_2.html


検査確認インフルエンザ発生率:外来医療従事者:N95 respirator vs medical mask

一般的な外来では、medical mask サージカルマスクで良いという結論に・・・



N95 Respirators vs Medical Masks for Preventing Influenza Among Health Care Personnel
A Randomized Clinical Trial
Lewis J. Radonovich Jr, et al. ; for the ResPECT investigators
JAMA. 2019;322(9):824-833. doi:10.1001/jama.2019.11645
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2749214

意義  臨床的研究によってもN95 respiratorとmedical maskの医療従事者での医療職場:HCPウィルス呼吸器感染からの予防効果については不明

目的  医療現場(HCP)での、N95 respirator vs medical maskでインフルエンザや他のウィルス性呼吸器感染予防効果比較

デザイン・セッティング・被験者:cluster randomized pragmatic effectiveness study :7米国医療センターの137外来研究サイトで、2011年9月から2015年5月まで、最終フォローアップ 2016年6月
4年感毎年ピークのウィルス呼吸器疾患期間中、各々のセンター内外来サイト(clusters)のペアでマッチ化、ランダム割り付け:N95 respiratorとmedical mask群

介入  全体で 189クラスター、1993名の被験者をN95 respirator装着(2512 HCP-シーズン:観察)と 191 cluster 2058をmedial mask (2668 HCP-シーズン)にランダム割り付け:呼吸器系疾患患者の近傍で装着

主要アウトカムと測定項目  プライマリアウトカム:検査確認インフルエンザ発生率
セカンダリアウトカム:急性呼吸器症、検査確認呼吸器感染、検査確認呼吸器症状、インフルエンザ様疾患
介入アドヒアランスも評価


結果  2862ランダム化被検査(平均 [SD] 年齢, 43 [11.5]歳;女性 2369 [82.8%])研究完遂、5180 HCP-シーズン


検査確認インフルエンザ感染イベント:HCP-シーズンあたり
N95 respirator群 の  207 、8.2% vs medical mask群   193、7.2%
 (差, 1.0%, [95% CI, −0.5% to 2.5%]; P = .18) (補正オッズ比 [OR], 1.18 [95% CI, 0.95-1.45])

急性呼吸器疾患イベント:1000 HCP-シーズンあたり
N95 respirator群 1556, vs medical mask 群 1711  (差, −21.9  [95% CI, −48.2 to 4.4]; P = .10)

検査同定呼吸器感染:1000 HCP-シーズンあたり
N95 respirator群 679 vs medical mask群 745  (差, −8.9 , [95% CI, −33.3 to 15.4]; P = .47)

検査同定呼吸器系疾患イベント:1000 HCP-シーズンあたり
N95 respiratory群 371 vs medical mask群 417  (差, −8.6  [95% CI, −28.2 to 10.9]; P = .39)

インフルエンザ様疾患イベント: 1000 HCP-シーズンあたり
N95 respirator群 128 vs medical mask 166
(差, −11.3  [95% CI, −23.8 to 1.3]; P = .08)

N95 respirator群では、割り付けデバイス装着「常に」「時々」は89.4% vs medical mask群は 90.2%




結論と知見  外来医療関係者において、N95 respirator vs medical mask装着の効果差ははこのトライアルでは、検査確認インフルエンザ発生率で見る限りは有意な効果を認めない

Trial Registration  ClinicalTrials.gov Identifier: NCT01249625





序文
職場で日常的にウイルス性呼吸器感染症にさらされている医療従事者(HCP)1は、感染を他の人に感染させる可能性があります。 HCPは、グループとして、感染予防の推奨事項と実践基準を不完全に遵守していることが広く認識されています。入院時の呼吸保護の研究では、遵守率は10%から84%の間で変化することが示唆されています。
 100%の介入順守を達成するように設計された実験室の研究では、エアロゾルへの暴露を減らす際に、N95フィルタリングフェイスピース呼吸器が医療用マスクよりも効果的であることが示されましたが、5つの臨床効果の比較研究は決定的ではありませんでした。
 一部の専門家は、N95の人工呼吸器と医療用マスクは臨床環境で同等であると主張しています。
有効性試験は有効性と真のアドヒアランスを過大評価する可能性があるため、実際的な有効性試験は医学的証拠の不可欠な要素としてますます認識されています。

使い捨てのN95マスクと医療用マスクはどちらも自己保護のためにHCPで着用されます。ただし、これらのマスクには異なる用途があります。 N95人工呼吸器は、着用者が小さな浮遊粒子を吸入するのを防ぐように設計されており、ろ過要件を満たし、着用者の顔にしっかりとフィットし、顔面シールの漏れを制限する必要があります。

 外科用マスクと呼ばれることが多い医療用マスクは、着用者から患者への微生物の伝播を防ぐことを目的としています。医療用マスクは顔にゆるくフィットし、小さな浮遊粒子の吸入を確実に防ぐことはできません。ただし、医療用マスクは、大きな液滴やスプレーでの顔と手の接触や顔との接触を防ぎます。
N95人工呼吸器がインフルエンザを含むHCPのウイルス呼吸器感染を予防するために医療マスクよりも効果的であるかどうかについては、臨床的証拠は決定的ではありません。

この研究の目的は、N95呼吸器とHCPが着用する医療用マスクの有効性を、地理的に多様で、高被ばくの外来患者環境で、職場で獲得したインフルエンザやその他のウイルス呼吸器感染症の予防のために臨床で比較することでした。

COPD急性増悪の遺伝的要素;βアドレナリン作動受容体遺伝子型

β2-Adrenergic genotypes and risk of severe exacerbations in COPD: a prospective cohort study
Truls Sylvan Ingebrigtsen , et al.
Thorax 2019; - Published Online First: 03 Sep 2019. doi: 10.1136/thoraxjnl-2018-212340
https://thorax.bmj.com/content/early/2019/09/02/thoraxjnl-2018-212340

背景:COPD急性増悪の個別的な罹患しやすさは、遺伝的要素もあり得るが、多くのvarianceは説明不能。仮説としてβ2-アドレナリン作動受容体genotype:Gly16Arg (rs1042713, c.46G>A) と Gln27Glu (rs1042714, c.79C>G) のCOPD重症急性増悪のリスク影響を検討

方法:Copenhagen General Population Studyの96,762名のうちCOPD 5262名同定(FEV1/FVC 0.7%未満、FEV1予測比 80%未満、40歳以上、喘息既往無し)でgenotyping施行
重症急性増悪:急性受診必要と定義、フォローアップ5年間(平均 3.4年間)
COPD診断923名は Copenhagen City Heart Study (CCHS)と同様であることをreplicationb analysisで評価

結果:5262名461回急性増悪
重度急性増悪HR:16Gly homozygotes比較

  • 16Gly/Arg heterozygotes 1.62 (95% CI 1.30 to 2.03, p=0.00002)
  • 16Gly homozygote 1.41 (1.04 to 1.91, p=0.03)


重度急性増悪HR:27Glu homozygotes.

  • 27Gln/Glu heterozygotes  1.35 (1.03 to 1.76, p=0.03)
  • 27Gln homozygotes1.49 (1.12 to 1.98, p=0.006)


CCHSでも同様傾向
16Gly homozygotes比較

  • 16Gly/Arg heterozygotes 5.20 (1.81 to 14.9, p=0.002)
  • 16Arg homozygotes 4.03 (1.40 to 11.6, p=0.01)



結論:commonなβ2-アドレナリン作動性受容体genotypeはCOPD重度急性増悪のリスクに影響を与え、特に rs1042713 16Arg alleleの遺伝的影響が主



これってcaucasianだけの特徴かもしれないと、以前中国からの報告がある・・・

Chinese Medical Journal. 125(12):2213–2218, 2012
https://insights.ovid.com/pubmed?pmid=22884155

noteへ実験的移行

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