2012年2月1日水曜日

幼児:アレルギー感作 → ライノウィルス感染 → 喘鳴 という順番


Evidence for a Causal Relationship between Allergic Sensitization and Rhinovirus Wheezing in Early Life
Daniel J. Jackson,Michael D. Evans, Ronald E. Gangnon, Christopher J. Tisler, Tressa E. Pappas, Wai-Ming Lee, James E. Gern, and Robert F. Lemanske, Jr
Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2012; 185: 281-285. doi:10.1164/rccm.201104-0660OC

aeroallergen感作とウィルス誘起喘鳴は、小児早期において、喘息発症のリスク要素
 これらの間の一過性の発達上の異常に関しての知識が乏しい。

285名のアレルギー性疾患・喘息高リスク児を生下時から前向きにコホート。ウィルス性の呼吸器喘鳴症状のタイミングと疫学を決定し、aeroallergen 感作を年毎の6歳まで評価。
相関を長軸ulti-state Markov Modellで評価。

 非感作児よりaeroallergen感作児は、ウィルス性喘鳴発症リスク高い (hazard ratio [HR], 1.9; 95% confidence interval [CI], 1.2–3.1)
アレルギー感作は、ヒトライノウィルス(HRV)を原因とした喘鳴リスク増加をもたらすが、RSVによってはリスク増加はもたらさない。
ウィルス性喘鳴発症感作児の絶対リスクは1歳時点で最大。
しかし、相対リスクは、全年齢層で、一致して増加。
逆に、ウィルス性喘鳴はアレルギー性感作を引き起こすリスクをもたらさない  (HR, 0.76; 95% CI, 0.50–1.1)



「ホメオパシー商品」クレジットカードが使えない


ビタミンK2の代わりにホメオパシー療法の特殊な錠剤を投与された乳児がビタミンK欠乏性出血症死亡した”山口県の乳児死亡では、母親が助産師を相手に損害賠償を求める裁判”の報道は2010年夏


関連ブログ記載

ホメオパシー自体は無害かもしれないが、その信念に不随する部分は有害  2010年 08月 25日

ホメオパシーは科学的でない  2007年 03月 27日 Natureから・・・


今回、主に、ウェブで問題になってるは、j-castの記事・・・


JCBが契約解除 「ホメオパシー商品」クレジットカードが使えない
2012/1/28 15:00
http://www.j-cast.com/2012/01/28120327.html 





この会社の言い分、他のウェブサイトの記載と、ニュアンスがちがいますね





ホメオパシージャパン株式会社(http://www.homoeopathy.co.jp/index.html)

クレジットカードについての新着情報についてのご質問  2012.01.26
代替療法を求めるスイス国民からは抗議の声が多くあがりました。そして2009年に行われた国民投票では、ホメオパシーを含む5つの代替療法が憲法で〝医療〟として正式に認められることとなったのです。


Homeopathy in Switzerland(http://www.wholehealthnow.com/homeopathy_pro/switzerland.html)


医師処方下のみ、医療保険カバーされてます。


The only homeopathy covered in the basic health insurance is that done by MDs.


米国:カルベンダジム入りオレンジジュース輸入認可

カルベンダジム(英: Carbendazim)(MBCまたはBCMとも呼ばれる。TBZと並ぶベンゾイミダゾール系化合物であり、主に農業用・工業用防カビ剤として用いられる。


 ブラジルからのオレンジジュースからみつかったカルベンダジムに関し、FDAはUS内でのオレンジジュースは注意を払うことなく安全であるとしたとのこと。

ソース:http://www.medscape.com/viewarticle/757830

肝毒性、目、脳への影響、発がん性の可能性のため、2009年米国内では中止されている。

日本に迂回輸入の危険性は?

新聞報道のため、質の高いプレスリリースを発表しましょう・・・

 マスメディアの医学報告報道

1)外国のプレス(AP、BBC、NYTimesなど)からの日本語訳報道
 ・ 一般に影響ある論文報告(医学雑誌サイド)
 ・ 臨床ガイドラインなどの公表流布目的(学会サイド)
 ・ 感染症、薬物副作用報道など(公的機関からの注意喚起目的など)
2)著者周辺の論文掲載売り込み報道
3)業界団体や政治団体を含めた団体のでっちあげ疑似科学的報道

・・・などに分類できるのではないだろうか?


社会に与える影響を考慮し、各学会や医学雑誌出版社サイドが、学術的に過ちを含むことなく、簡潔明瞭に、報道関係者サイドに、その情報ソースとして手渡すことが、理想的。

プレスリリースという形が、欧米では、広がってるが、日本ではいまひとつ普及してないように思える。




たとえば、『抗菌薬に対するアレルギースクリーニング目的の皮内反応中止通知後における抗菌薬皮内反応試験の実施状況とアナフィラキシー反応に関する実態調査』
http://www.chemotherapy.or.jp/journal/reports/reaction.html

この文中に、
抗菌薬皮内反応検討委員会としては、抗菌薬に対するアレルギースクリーニング目的の皮内反応中止は妥当なものであり、今後も抗菌薬に対するアレルギースク リーニング目的の皮内反応が不要であることを確認するとともに、抗菌薬投与前の問診と投与時の観察、ショックおよびアナフィラキシー様症状が出現した際の 対応の重要性について改めて強調したいと考えます。
とあり、”記アンケート調査結果ならびに医薬品医療機器総合機構の副作用調査結果に基づき製薬会社は2011年12月末を目処に皮内反応検査薬の完全供給中止”の根拠となっている。

果たして、各医療機関や一般にどの程度知れ渡っているか?




state of the art: 心臓放射線関連検査による放射線被曝の害

心画像検査に寄る放射線の長期リスクに関して確定的なデータが少ない。しかしながら、その間に、画像診断施行数が急増中である。


2012年2月7日号 the Journal of the American College of Cardiologyに、トピックとして ” state-of-the-art paper”掲載。

STATE-OF-THE-ART PAPER Effects of Radiation Exposure From Cardiac Imaging How Good Are the Data?
(Einstein AJ. Effect of radiation exposure from cardiac imaging. J Am Coll Cardiol 2012; 59:553-565.)


数千・数百というサンプルでは発がん性の関連性は少ないが、数百万というサンプル数になると影響として重大。
International Agency for Research on Cancerは、UK研究、22歳・25万名コホート、オンタリオ27万5千、オーストラリア15万、イスラエル、ヨーロッパ諸国分追加で、Epidemiological Study to Quantify Risks for Paediatric Computerized Tomography and to Optimise Doses (EPI-CT)と共同研究

Einsteinは、 "We are seeing increased utilization of some procedures that have relatively high doses of radiation to the patient, and we are seeing a tremendous increase in volume of procedures." This is particularly true of the US and Japan, he says, although he observes that this is "a worldwide phenomenon in developed nations."と、米国と日本の医療用放射線被曝に注目。

研究成果のボトムラインは、心臓画像検査によるがんリスク増加の特異的証拠

子供に関しては、放射線によるがんリスクのより正確な理解が求められる。

また、検査上のベネフィットがリスクやコストを上回ることができるが、そして、患者に対してベストな選択の検査時期とは?そういうことを明らかにする必要がある。

ソース:http://www.theheart.org/article/1348427



Einsteinらは、心画像診断で、20歳女性標準的心臓スキャン検査によるがんの補正生涯リスクを143女性に1人と推定
(Einstein A, Henzlova MJ, Rajagopalan S. Estimating risk of cancer associated with radiation exposure from 64-slice computed tomography coronary angiography. JAMA 2007; 298:317-323.)。

さらに、心筋血流試験患者の3名に1人が100mSvを越える累積推定有効線量を受けていることを示した
(Einstein A, Weiner S, Bernheim A, et al. Multiple testing, cumulative radiation dose, and clinical indications in patients undergoing myocardial perfusion imaging. JAMA. 2010; 304:2137-2144. )。


明確な数字で医療用放射線の害が明らかとなってるが、なぜ医師たちはこのことに関心を向けないか?それは医学教育の問題点だろうと・・・

ソース:http://www.theheart.org/article/1176107.do


上記報告でも、MDCTのような外部放射線照射、血流シンチ検査などの内部放射線照射を区別してないのが気にかかる。


CT使用頻度増大と放射線被曝の影響  2007年 11月 29日
反復小放射線量にて心血管疾患リスク増加:線形関係のエビデンス  2009年 10月 26日

冠動脈CTの放射線被曝量は、腹部CTの1.2倍、胸部レントゲンの600倍  2009年 02月 04日


日本人というのは実に不思議な国民で、 原子爆弾や核実験による放射線被爆を受けた国民なのに、放射線被曝の害におおかたは無関心。その上に、チェルノブイリを越える原発事故による未曾有の量の被爆進行中・・・ まだ1年たってないのに放射線被曝に関する報道も少なくなってきた。

CTの使用頻度が日本は異常に多いというLancet( 2004 Jan 31;363(9406):345-51.)。是正どころか、冠動脈MDCT普及によりさらに増加している。

リスクを層別化せず、年齢・他のリスク関係なく、ユニバーサルに 検診するのが当たり前というあやまった考えを、行政役人すら持ってるとしか思えない低能ぶり。

ユニバーサル検診のため、ベネフィットに合わないリスク伴う検査や治療を余儀なくされている実態が全く理解できないのだから、 相当のアホとしか・・・ そして、医療費増大に...


なんだか、この国に住むのがイヤになる放射線関連の問題。



Joint ESC/ACCF/AHA/WHF Task Force心筋梗塞定義・分類による解析

American College of Cardiology/American Heart Association/European Society of Cardiology/World Heart Federation Universal Definition of Myocardial Infarction Classification System and the Risk of Cardiovascular Death Observations From the TRITON-TIMI 38 Trial (Trial to Assess Improvement in Therapeutic Outcomes by Optimizing Platelet Inhibition With Prasugrel–Thrombolysis in Myocardial Infarction 38)
TIMI Study Group,

Circulation. 2012; 125: 577-583 Published online before print December 23, 2011, doi: 10.1161/​CIRCULATIONAHA.111.041160

European Society of Cardiology/American College of Cardiology/American Heart Association/World Health Federation Task Force for the Redefinition of MI Classification System


Joint ESC/ACCF/AHA/WHF Task Forceによるサブタイプによる、新規発症・再発心筋梗塞の関連性をTRITON-TIMI 38治験、13608名の急性冠症候群間で死亡リスク検討。

イベント後180日での心筋梗塞発症からのlandmark解析による心血管死亡補正リスク評価
フォローアップ間のMI患者はMI無しの患者より6ヶ月時点で心血管死亡高リスク   (6.5% versus 1.3%, P<0.001)
この高リスクは、MIサブタイプ横断的に存在する。type 4a (peri–percutaneous coronary intervention, 3.2%; P<0.001)、 type 4bb (stent thrombosis, 15.4%; P<0.001を含めての現象。


重要臨床寄与因子補正後、MI発症は6ヶ月後死亡リスク5倍と関連   (95% confidence interval 3.8–7.1),、サブタイプ横断的現象。



乳がん手術再手術率にばらつき:病変境界解釈不一致のため?

乳がん乳腺腫瘤摘出術後の女性の内、必要ないのに、2回目の手術を受ける場合がある。
repeat surgeryに関するガイドラインが曖昧なため生じているのではないかという新しい知見。

再手術に関して0%から70%とかなりばらつきがある。初回取り残し病変に関する病理報告がある場合に再手術が行われることが多いものと推測されるとのこと。 術者に病理所見の解釈の違いが再手術決定に影響を与える場合もかんがえられるとのこと。





侵襲性乳がん女性の乳腺腫瘤摘出術再手術の医師間・施設間ばらつきは大きい。

Variability in Reexcision Following Breast Conservation Surgery
JAMA February 1, 2012, Vol 307, No. 5, pp 431-527



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