病院ICU病症不足は、死亡率を増加させるというフランスの報告。
“初回紹介時に満床理由でICU入院断られた場合、死亡率が高くなる”
次なる紹介先入院があった場合でも死亡率増加た。
Refusal of ICU Admission Due to a Full Unit: Impact on Mortality
Am. J. Respir. Crit. Care Med. February 16, 2012 rccm.201104-0729OC
ICUのリソース不足で患者がICU入室を断られ、これが死亡リスクに直結しているという報告。
1762名の患者の内、340名を除外、他のICU入室拒否116、重症過ぎ・軽症過ぎて断られた270名
残り、1332名のうち 、1139名入室、193名満床理由入室拒否
(入室不能 65 、他患者と入れ替え 39 、さらなる紹介先入院 89 )
粗day 28、day 60 死亡率は、非入室、 入室群で 30.1% vs. 24.3%, p=0.07 、 33.3% vs. 27.2%, p=0.06
年齢、既往歴、GSC8以下、ショック、Cr≧ 250 μmol/L、PT 30秒以上補正後、満床理由のICU入室拒否は、即時入室と比べ、非有意ながらday 28の死亡率高い。
紹介先受診患者はday 28、day 60で、即入室に比べ、死亡率高く (p=0.05、 p=0.04)
国毎・国内でも地域毎にICUベッド不足の程度はばらつきががり、フランスの場合は、人口1万あたり0.3程度から2.4程度。検討10病院は不足地域のようで、米国では人口1万あたり2.8ICU
1万あたり1から6というばらつきが見られるが、ベッド不足が生命リスク似関わることは確か。
解説:http://www.reuters.com/article/2012/03/03/us-icu-beds-idUSTRE82203P20120303
集中治療医学会(http://www.jsicm.org/aisatu.html)
2006年に行われた本学会の全国調査によれば、ICUのベッド数は人口10万人あたり4ベッドで、欧米の7~24ベッドと比較して少ない状況です。日本集中治療医学会専門医研修施設の機能別分類では、一般総合ICU(約60%)、術後ICU(約10%)、救命救急ICU(約10%)、冠・心疾患CCU(約5%)の順となっています。非ICUの普通病床に毛の生えたところで重症症例を見てるのが日本の実情?