不眠症・不安症に対するベンゾジアゼピン薬処方時には認知行動的介入を義務づけるなどドラスティックな改革をすべきだと私は思う。
論文の序文一部薬
ベンゾジアゼピン系薬剤は不安・睡眠障害治療として広く用いられている。有効性はプラシーボを凌駕、不安症状を広く抑制し、睡眠遅延を減少させる。不安障害への第一選択として、ガイドライン(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16272179)ではベンゾジアゼピン代わりに新規抗不安薬を推奨しているが、不安障害に対して抗うつ薬の短期的有効性を担保するエビデンスは無い。さらに、臨床ガイドラインでは、行動学的介入を含むべきというガイドラインだが、行動学的介入とベンゾジアゼピン使用は同等の効果しか無いという矛盾もある。
一方では、ベンゾジアゼピンは、長期使用されると、様々な離脱症状や中断関連症状・障害を来す。2008年の検討では27万名あまりの救急受診において、ベンゾジアゼピンの非医学的投与がなされ、40%ほどでアルコール関連、2011年にはさらに増加し、アルコール関連が24.2%。高齢者において、認知機能障害、運動活動性低下、運転スキルの低下著明で、特に転倒のリスク増加させる。生命予後悪化の報告もある。
米国内のベンゾジアゼピン系長期使用の実態調査
120日以上ベンゾジアゼピン使用、性別・年齢群(18-35歳、36-50歳、51-64歳、65-80歳)別、処方における後ろ向き記述解析
Benzodiazepine Use in the United States
Mark Olfson,et. al.
JAMA Psychiatry. Published online December 17, 2014.
doi:10.1001/jamapsychiatry.2014.1763
2008年米国成人において、18-80歳では、5.2%の使用率
その比率は、年齢群増加するほど高率(18-35歳 2.6%、 36-50歳 5.4%、 51-64歳 7.4%、 65-80歳 8.7%)
一方、精神疾患理由のベンゾジアゼピン使用率は年齢とともに減少する(18-35歳 15.0%、 65-80歳 5.7%)
ベンゾジアゼピン使用は、女性で男性の2倍近く
年齢横断的に、大まかに言えば、4分の1が長期間ベンゾジアゼピン使用してることになる。