エビデンスレベルの低い疫学報告だが、今回の報告、多方面に影響波及することはなさそうだが・・・“日本の薬害に声を大きくする団体”などの活動に影響与えないだろうか?
10万対30−40名での膀胱癌への絶対的リスク増加と、下段追記のごときNNT45程度の動脈硬化イベント回避効果・・・ 薬というのは、とらえ方によって実に難しいアイテムであると感じる
Pioglitazone use and risk of bladder cancer: population based cohort study
Marco Tuccori, et. al.
BMJ 2016; 352 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i1541 (Published 30 March 2016) Cite this as: BMJ 2016;352:i1541
689,616人年フォローアップコホート、新規膀胱癌622名診断(粗発生率10万人年対 90.2)
他抗糖尿病薬比較にて、ピオグリタゾンは膀胱癌発生リスク増加と関連 (121.0 v 88.9 per 100 000 人年; ハザード比 1.63, 95% 信頼区間 1.22 to 2.19)
逆に、ロシグリタゾンは膀胱癌リスク増加と関連せず (86.2 v 88.9 per 100 000 person years; 1.10, 0.83 to 1.47).
期間依存、用量依存関係がピオグリタゾンに見られ、ロシグリタゾンでは見られなかった
せっかく、アクトス(ピオグリタゾン)の臨床的有用性あきらかになったのにね
IRISトライアル:アクトスの非糖尿病・インスリン抵抗症例に対する卒中二次予防効果
http://kaigyoi.blogspot.jp/2016/02/blog-post_18.html
Pioglitazone after Ischemic Stroke or Transient Ischemic Attackちなみに、こちらの NNT (Number Needed to Treat) は45( 95% confidence interval for the NNT ranges from 25.0 to 197.6)である。
Walter N. Kernan, , for the IRIS Trial Investigators
February 17, 2016DOI: 10.1056/NEJMoa1506930