2016年7月19日火曜日

慢性疲労症候群(CFS):下肢進展挙上による症状誘発現象

慢性疲労症候群(CFS)では、四肢筋の長軸方向strain、具体的には、SLR(Straight Leg Raising 、下肢伸展拳上)で、CFS症状を悪化させ、24時間影響継続する

CFSメカニズム解明にもヒントを与える検討かもしれない

・脊髄内のメカニカルなストレインは、区域性・姿勢制御障害をもたらし、tetheringあるいはdefromative stressを与える
・坐骨神経のepineuriumから硬膜マスト細胞、そしてヒスタミン、PGなど生物学的影響をもたらす・・・など


Neuromuscular Strain Increases Symptom Intensity in Chronic Fatigue Syndrome
Peter C. Rowe ,  et. al.
PLOS ONE | DOI:10.1371/journal.pone.0159386 July 18, 2016
Published: July 18, 2016
http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0159386

Chronic fatigue syndrome (CFS)は複雑な、多系統疾患で、障害を生じる。
CFS症状は身体、認知活動、起立ストレスにより症状誘発
予備実験で、CFS症状は、四肢や脊柱の長軸神経・軟部組織strainにより誘発可能
この研究では、 straight leg raise neuromuscular strain maneuverによる反応ををCFSと健康対照者で検討。CFS 60名と健康対照 20名
15分間のpassive supine straight leg raise (true neuromuscular strain) と、sham straight leg raise施行
プライマリアウトカムは、研究maneuver間と24時間での症状強度差ベースライン比較
疲労、体の痛み、ふらふら感(lightheadedness)、集中困難(concentration difficulties)、頭痛スコアを0-10スケールで測定、これらを組み合わせスコアとしても評価

CFS患者へのsham負荷群に比べ、true負荷群のCFS患者は有意に、maneuver中
体の痛み増加 (P = 0.04)
集中困難 増強(P = 0.02)
症状組み合わせスコア増加  (all P = 0.03)


24時間後、CFSでのtrue負荷群で症状強度増加
個別症状:ふらふら感 (P = 0.001)
症状組み合わせスコア増加 (P = 0.005)


true負荷maneuver暴露期間、24時間で、CFSでのtrue負荷群では健康対照に比べ
個別症状および組み合わせ症状強度変化は有意増加




結論として、下肢の神経・軟部組織への長軸方向のstrainを与えることで、CFS患者での症状強度は24時間増加する。これら知見は、メカニカルな感受性増加が、慢性疲労症候群での症状のprovocationに寄与するのだろうと示唆




Perspective review :運動は健康的加齢に繋がる

physical activityを「身体活動性」と翻訳することが多いが、これって誤解の元になりやすいと思う。本来は身体活動にともなうベクトルは様々で、そのスカラー量と考えた方が良さそう。
daily physical acitivityこそが、身体活動量と主張されてる方もいるがそれはそれで誤解を広げそう・・・


「アンチエイジング」関連団体から言えば、「healthy ag(e)ing」なんて表現も嫌うだろうなぁ

中途半端な紹介で申し訳ないが・・・ちょっとだけ翻訳


Perspective Switch to Standard View
Exercise Promotes Healthy Aging of Skeletal Muscle
Gregory D. Cartee, Russell T. Hepple, Marcas M. Bamman, Juleen R. Zierathcorrespondenceemail
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.cmet.2016.05.007



「身体活動」と「運動」の違い
・運動は、現状より改善を意図し、計画・構造化された反復身体運動
・身体活動は、座位以上任意の骨格筋活性化・運動増加・エネルギー消費
(Caspersen et. al. 1985)


身体不活発性は喫煙に相当する有害性で、老化プロセス加速、早期死亡に関与(Booth , et. al. 2012)

骨格筋減少は、ヒト老化において、広範、破壊性、進行性変化で、個別ばらつきが大きいが、程度は別にして全てが影響を受ける。「サルコペニア」(1988, アルバカーキ、I.H.Rosenberg記載)し、その後分類が提案され全身もしくは四肢筋力量にもとづくものであった。
最近、筋パフォーマンス(e.go. 筋力)や移動機能(e.g. 歩行速度)、臨床所見や診断クリアテリア確立のための試みがなされているが、機能要素を取り込んだため、診断に混乱が生じている (Beaudart et al., 2014a, Beaudart et al., 2015)。


ここでは筋肉量減少のみ定義の「サルコペニア」だが、ミトコンドリアのenergeticsへの加齢影響ヺ示し、ミトコンドリア自体の合成・破壊、筋繊維の構造的変化、ブドウ糖・脂質代謝の酵素machineryの変化、ミトコンドリアの減少は、permeability transition感受性増加し、アポトーシスをもたらす (Hepple, 2016)




間接的に肥満と関連し、「sarcopenic obesity」を生じる、骨格筋インスリン抵抗性、加齢による脂肪代謝障害、脂肪蓄積、筋萎縮を生じる。



ライフスタイル修正は、これら影響減弱目的で、そして、2型糖尿病回避・発症遷延化のため推奨。endurance trainingは週3-5回、反復・低レジスタンス負荷、数週間でインスリン感受性改善、体脂肪減少をもたらす。レジスタンス運動は、短時間・最大/高運動強度・レジスタンス高度で週3-5回で骨格筋量・筋力減少を改善する。




・・・・
ミトコンドリア機能障害・加齢変化
ミトコンドリア内部・形態: fissioned mitochondriaは脱神経影響
ミトコンドリア機能:不活発の場合機能低下:ATP産生・ROSシグナリング、アポトーシス
ミトコンドリア可塑性:加齢にともなうミトコンドリアの可塑性低下はミトコンドリアbiogenesis調整のためのsignal transducing machinery減弱による

運動のインパクト
オリジナルな筋繊維の30%〜50%を加齢限界は
 (1) translationを生むはずのmechanosensitive  signaling pathway経由の、様々な細胞蛋白成分の蓄積(e.g. myofibrillar pool)
 (2) fusion-competent myoblast分化するresident muscle stem (satellite)細胞の活性化・回復fusion processによるmyofiber増殖への核をdonatingする


noteへ実験的移行

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