2017年9月30日土曜日

酸素投与:卒中後ルーチン使用も不用?

ESCで報告のあった、DETO2X-AMI研究
Oxygen Therapy in Suspected Acute Myocardial Infarction
Robin Hofmann,et al,., for the DETO2X–SWEDEHEART Investigators
N Engl J Med 2017; 377:1240-1249September 28, 2017
急性心筋梗塞後の酸素飽和度90%以上の症例に対し、酸素6L/分×(6時間〜12時間)投与にて1年後全原因死亡率、心筋梗塞再入院、心筋障害の範囲、他のアウトカム変化無し

故に、酸素低下してない急性心筋梗塞患者への酸素投与は積極的根拠ないことが明らかになった

さらに、脳卒中


Effect of Routine Low-Dose Oxygen Supplementation on Death and Disability in Adults With Acute StrokeThe Stroke Oxygen Study Randomized Clinical Trial
Christine Roffe,  et al. ; for the Stroke Oxygen Study Investigators and the Stroke OxygenStudy Collaborative Group
JAMA. 2017;318(12):1125-1135. doi:10.1001/jama.2017.11463 



卒中時ルーチンの予防的酸素投与は90日目の死亡率軽減・機能障害に効果あるか?
単盲検ランダム化臨床トライアル、8003名の急性卒中登録
持続酸素投与72時間 n=2668、夜間酸素投与 21時から7時まで n=2667、対照 n=2668

酸素はもしベースラインの酸素飽和度93%以下なら経鼻3L/分、93%超なら2L/分とした

プライマリアウトカムは、修正Rankin Scale スコア(障害程度 0:無し〜6:死亡、MCID 1点):90日めにアンケート票か(覚醒時、assessorは盲検下)


8003名(男性 4398 (55%)、平均[SD]年齢 62[13]歳; 中央値National Institutes of Health Stroke Scale score, 5、ベースライン酸素飽和度平均 96.6%)
プライマリアウトカム情報利用可能 7677 (96%)

良好アウトカム(順序ロジスティック回帰分析 ordinal logistic regression)は、
酸素投与 vs 対照 0.97 (95% CI, 0.89 to 1.05; P = .47)
持続酸素投与 vs 夜間酸素投与  1.03 (95% CI, 0.93 to 1.13; P = .61)

サブグループは酸素からの利益性同定できず

重大副事象1つ以上は、持続酸素投与 348 (13.0%)、夜間酸素投与 294 (11.0%)、 対照 322 (12.1%)

有意な有害性は同定されず




 対象は軽症とは言えないようなので、以下のガイドラインの記述変わるか?
発症後24時間以内の脳卒中患者に100%酸素 3 L/分を入院後24時間投与しても、1 年間
の生存率は対照と差がなかった。また機能障害スコアなどの改善度にも差がなかった。しかし、有意ではないが、重症の脳卒中では酸素投与群のほうが生存率がやや良かった。重症の脳卒中患者に対する酸素投与について結論を出すには、さらに研究が必要である
http://www.jsts.gr.jp/guideline/006.pdf

酸素投与に関する議論も昔からあるなぁ・・・酸素飽和度を”サーチ”と呼ぶアホが多い地域に住む私


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