2013年7月9日火曜日

褥瘡に関するシステマティック比較有効性レビュー

褥瘡に関するシステマティック比較有効性レビュー


Pressure Ulcer Risk Assessment and Prevention: A Systematic Comparative Effectiveness Review 




Pressure Ulcer Treatment Strategies: A Systematic Comparative Effectiveness Review

中等度以上のエビデンスとしては
・air-fluidized bed(空気流動ベッド)
・プロテインサプリメント
・radiant heat dressing(輻射熱様式)
・電気刺激

褥瘡治療戦略のベネフィット・ハームエビデンス要約
介入効果の差のエビデンス要約


ヒドロコロイドドレッシング処置に関してはエビデンスレベル低いようだが

トラマール・乱用危惧は残る

日本新薬・トラマールカプセルの「慢性疼痛の鎮痛」の適応取得
https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/44534/Default.aspx


これに困惑している


すごく、広汎な適応病名


以下の報告紹介の時にも触れたが・・・ II型呼吸不全などへの安全性はほんとに大丈夫なのだろうか?
慢性疼痛・オピオイド誘発性アンドロジェン欠乏(PIAID):アンドロジェン補充により客観的反応は改善、自覚症状改善不明 2013/06/17

Tramadolは、合成鎮痛剤で、μオピオイドアゴニストで、セロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害作用を有する薬剤で、代謝され、μオピオイド受容体アゴニスト作用を示す薬剤

なら、麻薬でしょ・・・といいたいが、一応・・・以下の説明のごとく、少なくともモルヒネとは違う作用とのこと
Tramadol 300mgまでは、モルヒネにみられる主観的、行動的、動向変化が見られない。故にモルヒネ作用はない。
Drug and Alcohol Dependence Volume 27, Issue 1, January 1991, Pages 7–17

初期、吐き気、嘔吐、発汗、便秘、掻痒のオピオイド系特有の副作用とともに、けいれんの副作用が話題となっている。

オピオイド系薬剤乱用がやはり問題になっている。
http://www.bing.com/search?q=abuse+potential+of+tramadol&form=OPRTSD&pc=OPER


適応拡大する前に、医療専門団体や患者団体、その他で、社会的議論がひつようだったのではないか?欧米模倣でなくてもよかったのではないか?・・・そんな気がするのだが・・・

すくなくとも、処方上の縛りをつけるべきだったと思う。

MOGEN研究:十分な睡眠時間は、従来健康要素に、心血管疾患リスク減少 追加効果 

従来の健康ライフスタイル4つの要素(十分な運動、健康な食事、適正飲酒、非喫煙)に追加して、十分な睡眠時間という指標を加えても、心血管疾患(CVD) リスク減少追加効果がある。



Sufficient sleep duration contributes to lower cardiovascular disease risk in addition to four traditional lifestyle factors: the MORGEN study
European Journal of Preventive Cardiology July 3, 2013 2047487313493057


十分な身体活動(週3.5時間以上のサイクリング、スポーツ)、健康食(Mediterranea Diet Score 5点以上)、(適正)飲酒、非喫煙、十分な睡眠時間(7時間以上)を自己評価

前向きコホート・MORGEN study(ベースライン;男性 8128名、女性 9759名、20-65歳・CVD無し)

フォローアップ 10-14年間
CVD複合イベント(致死的CVD、非致死的心筋梗塞・卒中) 607イベント、致死的なのが129イベント

健康ライフスタイル要素無しもしくは1つに比べ、4つの従来の健康ライフスタイル要素があれば、複合CVDイベント 57%減少(HR 0.43、 95% CI 0.31-0.59)、 致死的CVDのリスク67%減少 (HR 0.33, 95% CI 0.16-0.68)

4つの従来ライフスタイルに加え、十分な睡眠を加えると、複合CVDリスク65%減少(HR 0.35, 95% CI 0.23–0.52)し、致死的CVDは83%減少 (HR 0.17, 95% CI 0.07–0.43)する




睡眠薬による不自然な睡眠に関する報告ではない

睡眠時間と健康イベントの相関に関する報告って、一般市民に対しては、「十分眠らないと早死にすると・・・不眠に対する恐怖感」をあおることにもなる。日常診療において、不眠に対する恐怖は無視できない存在であり、臨床家の安易な睡眠薬投与につながりかねない。



睡眠薬と死亡率の関連 ;年18回分処方ですら死亡率増加 2012/02/29
「睡眠薬の適切使用を」 初の指針 → ベンゾジアゼピン系・向精神薬全体の問題なのに・・・限定的に問題化する恣意性を感じる 2013/06/13


例えば、デパス依存に関して、同業者に話しても、それってそんなに悪いことなの・・・と言われたが、そんなに悪いことなのだ! 現場の危機感が足りなすぎる。


ジェネリックだらけになった睡眠薬、抗精神病薬 ・・・ 製薬メーカーからの医師への働きかけ、本腰になるはずもなく・・・

ARBクラス内比較:66歳以上・糖尿病・高血圧患者 入院リスク減少効果あるのは、テルミサルタン・バルサルタン


私は、ARB全般に疑念をもってる。さらに、醜聞にバルサルタン(ディオバン)の知見に疑念をいだいてる関係者も多いと思うが、横断研究だが、理論的にはPPARγ特性による説明が正しいなら、そうなのかもしれない。

ARBの中では、テルミサルタン(ミカルディス)はまし、そして、バルサルタンも・・・という話

Comparative effectiveness of angiotensin-receptor blockers for preventing macrovascular disease in patients with diabetes: a population-based cohort study
CMAJ July 8, 2013 First published July 8, 2013, doi: 10.1503/cmaj.121771

序文:テルミサルタンは、他のARBと違い、PPARγのpartial agonist特性を有し、故に、小規模トライアルながら、糖尿病患者において、心血管健康候補マーカーの改善と関連するという報告もある。しかし、この特性がほんとに心血管イベントリスク減少するかどうかは不明。
糖尿病患者において、ARB服用患者に於ける、 心筋梗塞、卒中、心不全リスクの検討

方法: 66歳以上の糖尿病患者、オンタリオ居住者住民ベースの後顧的コホート研究
カンデサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタン、バルサルタン
(2001年4月から2011年3月31日)


プライマリアウトカムは、急性心筋梗塞・卒中・心不全入院組み合わせ

セカンダリアウトカムは、個別アウトカムと、全原因死亡率


結果:
研究期間中ARB服用している糖尿病 154,186名


多変量因子補正後、イルベサルタン(イルベタン、アバプロ)比較にて
テルミサルタン服用(補正ハザード比 [HR] 0.85, 95% 信頼区間 [CI] 0.74-0.97])
バルサルタン服用 (補正HR 0.86, 95% CI 0.77–0.95) では複合アウトカムリスク減少。


逆に、イルベサルタンと他のARBに、リスクの有意差認めず


セカンダリ解析にて、テルミサルタンでは(イルベサルタン比較において)心不全入院率のリスク減少を認めた  (補正 HR 0.79, 95% CI 0.66– 0.96)

しかし、他のセカンダリ解析ではARB毎の有意な差は認めず





結論:  糖尿病・高血圧高齢者において、 他のARBに比べ、テルミサルタンとバルサルタンは、急性心筋梗塞・卒中・心不全入院リスクを減少させる。



これらの患者において、テルミサルタンとバルサルタンは故に選択としてよいのではないか。
あくまで、横断研究だし、「66歳以上、糖尿病・高血圧症」についての検討


ただ、文字通りなら、ミカルディス、ディオバンを好んで処方したくはなる

ブロプレス(カンデサルタン)っていったいなんだったんだろ

小児:就寝時間規則正しく ・・・ でなければ、読む能力・計算能力・空間認識の機能低下 

寝る時間が定まってないと、認知能力低下につながる


Time for bed: associations with cognitive performance in 7-year-old children: a longitudinal population-based study
Yvonne Kelly, et. al.

7歳の子供11,178名のベッドタイムと、読字・算数・空間能力の発達能力(zスコア)との関連性調査

7歳時点の規則的就寝時間を有しない場合女児において、読字(β -0.22)、計算(β- 0.26)、空間能力(β -0.15)の低下と負の相関するも、男児では相関せず。

3歳時点での規則的就寝時間を有さない場合は、男女とも、独立して、負の相関する
読字 (β: −0.10, −0.20)、計算 (β: −0.16, −0.11) 、空間能力 (β: −0.13, −0.16)

累積相関性はあきらか

3、5、7最時点で女児において、規則的就寝時間のない場合、読字 (β: −0.36)、 計算(β: −0.51)、空間能力スコアl (β: −0.40) と負の相関

3、5,7歳時点の3つのうち2つの時点で、定期的就寝時間を持たない男児では、読字 (β: −0.28)、計算 (β: −0.22)、空間能力スコア (β: −0.26)との相関性

3年齢時点全てで定期的就寝時間のない場合、読字、計算、空間能力の関連性有意でない。

この男女の違いは何なんだろ?


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