痛風ガイドライン発表
2012 American College of Rheumatology guidelines for management of gout. Part 1: Systematic nonpharmacologic and pharmacologic therapeutic approaches to hyperuricemia
Arthritis Care & Research Volume 64, Issue 10, pages 1431–1446, October 2012
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/acr.21772/abstract;jsessionid=4977D29D3951521D9894CDD3FB882DA2.d03t02
7名のリウマチ専門家、2名のプライマリケア医、腎臓専門家、1名患者代表からなるタスクフォース委員が2つのパートかなるACR痛風ガイドライン作成
Part I
高尿酸血症へのシステマティックな非薬物及び薬物治療アプローチへ焦点
- 食事、ライフスタイル選択、治療目標、合併する疾患管理に関する患者教育;食事上の促進、制限、回避すべき特異的事項推奨を含む
- アロプリノールのようなキサンチンオキシダーゼ阻害剤(XOI)治療を薬物的尿酸低下アプローチの第1選択とする
- 痛風症状改善のためには、患者の尿酸値は最小6mg/dL未満を推奨
- アロプリノールの初期投与は100mg/日を越えない、そして、慢性腎疾患(CKD)患者ではさらに少なく、維持投与量として漸増し、CKDでも300mgを越える場合も存在
- 事前スクリーニングにてHLA-B*5801がある場合は、特に重度のアロプリノール副作用リスクが高い(e.g. 腎疾患 stage 3の韓国人、漢民族、タイ原住民)
- 目標値に達しない場合、XOI1種類と、1種類の尿酸排泄剤の併用; 標準適切な投与量ULT(尿酸低下治療)不応性では重度痛風疾患患者ではPEG化尿酸オキシダーゼのペグロチカーゼ
急性痛風性関節炎に対する治療・予防的抗炎症治療に関する項目
- 急性痛風発作発症24時間以内に薬物治療開始
- 急性痛風増悪期間中も、ULT治療継続、中断せず
- 急性痛風時、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、コルチコステロイド、もしくは経口コルヒチンの一つを第1選択として使用、重症・不応性の場合これらの薬剤の組み合わせ
- 薬物禁忌がない、あるいは耐用性欠如でないかぎりULT開始時、経口コルヒチン、もしくは、低用量NSAIDs治療は、痛風発作予防の第1選択オプション
“日本人とHLA-B*5801”
日本人においても、HLA-B*5801 はリスク因子であることが示唆された。しかし相関の強度は白人と同程度であり、漢民族ほど強いものではなかった。一方、漢民族で、カルバマゼピン(及び芳 香族系抗てんかん薬)によるSJS/TEN発症との相関が報告されたHLA-B*1502は、7例のカルバマゼピン及び11例のその他の芳香族系抗てんか ん薬によるものを含め、全58症例で検出されなかった。これはもともと日本人におけるHLA-B*1502 の頻度が非常に低いためと推定され、日本人では、他のHLAタイプ等の遺伝要因がカルバマゼピンによる発症に関与していると考えられる。日本人におけるスティーブンス・ジョンソン症候群及び中毒性表皮壊死症と相関するHLAタイプの探索(第一報)
http://www.immunotox.org/immunotoxletter/encourage_award/encourage15.html
日本の痛風ガイドラインはいんちき
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン
http://www.uralyt.jp/doctor/treatment/pdf/pdf001.pdfhttp://www.tukaku.jp/tufu-GL2.pdf
ガイドライン内(要約p03)に、“心血管系への尿酸の意義づけはっきりしない”、“尿酸への治療的介入により改善(回避)されたという報告はない”と書かれてるのに、無症候性高尿酸血症を病気と見なす詐欺が未だに放置されている。
ACRと決定的に異なるのは、“痛風性関節炎無しでも高尿酸血症だけでも治療対象”ということ、生活指導を建前上行った上で薬物治療とはなってるが、日本では“高尿酸血症”を単独の病態と見なしている基本概念が根本的に異なる。抗酸化作用としての尿酸を無視している。
第1選択薬としてアロプリノール外の薬剤、ベンズブロマロンも並列的という部分も異なる。
発作時対応は、NSAIDs第1選択→無効・重症例で経口ステロイドで、前兆時コルヒチンはACRと同様と思われる。