2016年11月1日火曜日

栄養研究:企業スポンサーシップ影響大

肥満、糖尿病、心血管疾患のリスク軽減を念頭に置いた食生活のガイドライン策定の上ではシステマティック・レビューがその根拠となる。研究資金の問題が注目され、エビデンス構築上のバイアス批評がなされることが多くなってきた。

栄養(学)研究の利益相反の問題で、出版研究にて食品産業関与している場合企業に有利な結論に偏ってるのではないか?、方法論的な質に差があるのか?



栄養研究に関して企業スポンサーシップ影響大

食品製造業の関わる栄養研究の結果は、スポンサーシップのない研究に比べ、メーカーに都合の良い結論が多く、その差も意味あるものではないことが多い

システマティック・レビューとメタアナリシスを12の報告と、340の研究を含む8報告を合わせ検討

Association of Industry Sponsorship With Outcomes of Nutrition Studies
A Systematic Review and Meta-analysis
Nicholas Chartres, et. al.
JAMA Intern Med. Published online October 31, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2016.6721



肥満と加糖飲料、遺伝子組み換え食品の健康リスクと栄養効果、肥満と栄養RCTsのquality reporting score、ソフトドリンク・ジュース・ミルク摂取による健康への影響、除脂肪オレストラの安全性・有効性、加糖飲料摂取量の体重への影響、symbiotice/protiotic/prebioticサプリメントの有効性・安全性、栄養研究のreport quality調査、小児カルシウムサプリメントと骨健康、減量長期介入、ソフトドリンク摂取量の栄養と健康アウトカムの相関性、肥満関連研究






5つの研究でmehodological quality評価し、特に、企業スポンサーシップの関連性認めず



 Five reports assessed methodological quality; none found an association with industry sponsorship.

腹部大動脈瘤の検診

64-83歳男性を腹部動脈瘤検診では死亡率全般に関わる効果認めない




Long-term Outcomes of the Western Australian Trial of Screening for Abdominal Aortic Aneurysms
Secondary Analysis of a Randomized Clinical Trial
Kieran A.
McCaul, et. al.
JAMA Intern Med.
Published online October 31, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2016.6633

64-83歳の男性;腹部大動脈瘤(AAAs)スクリーニング効果
AAA破裂による死亡率改善効果の検討
49,801名登録、除外後、介入(invite)群19,249、対照群 19,231


待機手術:536 vs 414, P < .001 (介入群 vs 対照群)
AAAs破裂:72 vs 99, P = .04

(全年齢を含む全体検討で)AAAS死亡: 90 vs 98 (10万人年対 47.86 ; 95% CI, 38.93-58.84 vs 52.53 ;95% CI, 43.09 - 54.03)
相対比 0.91 (95% CI, 0.68 - 1.21)

65-74歳男性におけるAAA死亡率は、10万人年対 34.52 (95% CI, 26.02-45.81)  vs 37.67 (95% CI, 28.71-49.44) l rate ratio of 0.92 (95% CI, 0.62-1.36)


5年間に於けるAAA1死亡回避NNTは64-83歳で 4784、65-74歳で 3290

全原因・心血管・他原因死亡率において有意な差を認めず

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note