2013年11月29日金曜日

アセトアミノフェン:パラセタモール中毒に対するアセチルシステイン短期投与改良プロトコールは有効で副作用軽減

 カロナール(アセトアミノフェン)の成人における用量拡大ならびに効能追加が2011年なされている、成人用量として、1回300〜1000mg、1日4000mgまでと、それまでに比べ処方可能量が増加している。
 そして、例のネット販売など、OTC薬剤など入手容易性は拍車がかかっている。

 薬剤のネット販売などもこの副作用事例増加に寄与するだろうと思うが、おかまいなしのネット業者たち

 いずれにせよ、日本では、パラセタモール(アセトアミノフェン)中毒の蓋然性が、急激に高まっていることは確か・・・救急医療や中毒医療にとって留意すべき時代である。

 パラセタモール(アセトアミノフェン)毒性はその使用頻度や入手性が簡単なためかかなり報告が多い。その治療は静注アセチルシステインであるが、そのレジメンは複雑で、その濃度により副作用と関連し、治療中断につながる可能性がある。より短期化、制吐予防という、副作用を軽減目的の投与法の開発目的の治験。

 アセチルシステイン(ムコフィリン)に関して→http://medical.radionikkei.jp/medical/suzuken/final/020530html/index_2.html
アセチルシステイン内用液17.6%「ショーワ」
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3929006S1030_2_01/これには、「初回にアセチルシステインとして140mg/kg、次いでその4時間後から70mg/kgを4時間毎に17回、計18回経口投与」と記載

この投与法に関して、改良プロトコールに関する二重盲験ランダム化区分研究(英国病院、2010年9月6日から2012年12月31日)

 結論から言えば、12時間アセチルシステイン改良レジメンにて嘔吐少なく、アナフィラキシー藩王少なく、治療中断必要率減少し有効
ただ、標準アプローチ比較で、短期改良プロトコール非劣性評価できず

Reduction of adverse effects from intravenous acetylcysteine treatment for paracetamol poisoning: a randomised controlled trial
Prof D Nicholas Bateman ,et. al.
The Lancet, Early Online Publication, 28 November 2013
doi:10.1016/S0140-6736(13)62062-0


http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01050270
Arms Assigned Interventions
Ondansetron /acetylcysteine 20.25h
Ondansetron followed by conventional acetylcysteine regimen
Drug: Ondansetron
4mgs iv bolus
Other Name: CAS number: 99614-02-5
Drug: acetylcysteine
150 mg/kg over 15 mins 50 mg/kg over 4 hours 100 mg/kg over 16 hours
Other Name: CAS number: 616-91-1
Placebo/acetylcysteine 20.25h
placebo followed by conventional acetylcysteine regimen
Drug: acetylcysteine
150 mg/kg over 15 mins 50 mg/kg over 4 hours 100 mg/kg over 16 hours
Other Name: CAS number: 616-91-1
Ondansetron/acetylcysteine 12h
ondansetron followed by modified acetylcysteine regimen
Drug: Ondansetron
4mgs iv bolus
Other Name: CAS number: 99614-02-5
Drug: acetylcysteine
100 mg/kg over 2 hours then 200mg/kg over 10 hours, followed by glucose 5% for 8 hours
Other Name: cas number: 616-91-1
Placebo/acetylcysteine 12h
placebo followed by modified acetylcysteine regimen
Drug: acetylcysteine
100 mg/kg over 2 hours then 200mg/kg over 10 hours, followed by glucose 5% for 8 hours
Other Name: cas number: 616-91-1


ランダム化 222名、評価 217名


2時間後嘔吐、吐気、制吐剤必要性
・ 短期改良プロトコール 39/108 vs 標準アセチルシステイン・レジメン 71/109 ;補正オッズ比 0.26, 97.5% CI 0.13—0.52; p < 0.0001 
・ オンダンセトロン投与群 45/109 vs プラシーボ 65/108: 0.41, 0.20—0.80; p = 0.003


重度アナフィラキシー反応
短期改良レジメン群 5名 vs 標準プロトコール群 31 ; 補正commonオッズ比: 0.23, 97.5% CI, 0.12-0.43; p < 0.0001

アラニンアミノトランスフェラーゼ活性50%増加比率
・標準群、短期改良レジメン群に差を認めず (9/110 vs 13/112);補正オッズ比 0.60 , 97.5% CI, 0.20-1.83)
・しかし、オンダンセトロン群発症比率増加; 16/111 vs 6/111; 補正オッズ比 3.30 , 1.01-10.72 ; p = 0.024





secukinumab:エタネルトセプト:強直性脊椎炎 有効性・安全性二重盲験臨床トライアル

強直性脊椎炎は、進行性の炎症性脊椎炎症、脊椎強直、末梢性関節炎を特徴とする慢性自己免疫性疾患であり、IL-17が鍵となる炎症性サイトカインとされている。

抗IL-17Aモノクローナル抗体である、secukinumabの有効性安全性評価治験

ランダム化二重盲験proof-of-concept研究(ドイツ 4、オランダ 2、英国 2)
18−65歳を4:1割り付け(2×10 mg/kg)とプラシーボ 3週間分離投与




Anti-interleukin-17A monoclonal antibody secukinumab in treatment of ankylosing spondylitis: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial
Dominique Baeten , et. al.
The Lancet, Volume 382, Issue 9906, Pages 1705 - 1713, 23 November 2013 
Published Online: 13 September 2013

プライマリ有効性エンドポイントは、6週目Assessment of SpondyloArthritis international Society criteria for improvement (ASAS20) スコア(ベイズ解析)
安全性は28週目評価
37名の中等度・重度強直性脊椎炎をふるい分けし、30名をランダム化
secukinumab n=24 vs プラシーボ n=6
最終有効性解析対象は、secukinumab 23 、プラシーボ 6、安全性検討対象は30名全員

6週目、ASAS20治療反応は、介入群 59% vs プラシーボ 24%
(プラシーボ比較優越性確率 99.8%)
重度副事象、黄色ブドウ球菌による皮下膿瘍が1例、重度副事象として介入群で生じた。


参考:ノバルティスのsecukinumab(AIN457)、エタネルセプトに対して優越性を立証 乾癬に対する直接比較第III相臨床試験において http://www.novartis.co.jp/news/2013/pr20130718.html

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note