2017年2月9日木曜日

カフェイン代謝に関わる遺伝子:コーヒー摂取量、その後の心血管・死亡率へ影響

初めに、基礎的情報


CYP1A2はカフェインの代謝の関する肝臓のクリティカルな酵素
AHRは、CYP1A2遺伝子on/offスイッチの遺伝子


AHR (rs4410790; rs6968865)
CYP1A1/2 genes (rs2470893; rs2472297; rs2472299)

CYP1A2、AHR、ADORA2A遺伝子
GENE/SNPALLELEAFRICANSASIANSCAUCASIANS
CYP1A2;  rs2472297T
C
2%
98%
0%
100%
23%
77%
CYP1A2; rs762551A
C
56%
44%
67%
33%
68%
32%
AHR; rs4410790T
C
53%
47%
63%
37%
37%
63%
ADORA2A;
rs5751876
T
C
66%
34%
49%
51%
39%
61%

二次情報:http://www.gbhealthwatch.com/Trait-Caffeine-Consumption.php

カフェインの機能は、細胞表面のアデノシンA1、A2a受容体で
部分的に相対する作用をもつ、慢性のカフェイン摂取によりA1受容体密度増加しカフェイン耐性を示す。一方、A2aはカフェイン感受性増加と関連。C allele  rs5751876 の2つのコピーのキャリアではT allele 2コピーキャリアよりカフェイン感受性高く、T alleleの場合よりカフェイン接種後の不安経験多い、また、カフェイン代謝も心血管疾患と関連性が示唆されている。


CYP1A2 遺伝子のうち、rs762551 の"AA "genotypeは"fast metabolizer、" AC or CC " は low metabolizer。



これら、カフェイン代謝に関わる遺伝子はコーヒー摂取量、その後の心血管・死亡率へ影響するか?

摂取量には関わるが、健康リスクへ影響無いようだ


Coffee intake, cardiovascular disease and all-cause mortality: observational and Mendelian randomization analyses in 95 000–223 000 individuals
Ask Tybjærg Nordestgaard  Børge Grønne Nordestgaard
Int J Epidemiol (2016) dyw325. DOI: https://doi.org/10.1093/ije/dyw325


1)Cox比例ハザードモデル多変量解析で、restricted cubic spline(制限 3 次スプライン)評価
白人デンマーク人 95,366名での観察研究
2)AHR (rs4410790; rs6968865) と CYP1A1/2 genes (rs2470893; rs2472297; rs2472299)近傍の遺伝子変異5つをコーヒー摂取量平均調査
3)年齢・性別補正Cox比例ハザードモデルにて心血管疾患・全原因死亡率との関連性調査:112 509名
4) Cardiogram and C4D consortiaを含む総数223 414名で虚血性心疾患と遺伝子相関を性・年齢補正ロジスティック回帰解析

観察研究解析にて、コーヒー摂取量と心血管疾患・全原因のU字型相関あり ; 中等度のコーヒー摂取が最小のリスク


カフェイン摂取関連alleleスコア (rs4410790 + rs2470893) は、コーヒー摂取量42%増加と関連

カフェイン摂取alleleあたりのハザード比

  • 虚血性心疾患 1.02 (95% 信頼区間: 1.00–1.03)
  • 虚血性卒中 1.02 (0.99–1.02) 
  • 虚血性血管疾患 1.02 (1.00–1.03)
  • 心血管疾患死亡 1.02 (0.99–1.06) 
  • 全原因死亡 1.01 (0.99–1.03) 



国際的団体を含む場合、カフェイン摂取alleleのオッズ比

  • rs4410790 1.00 (0.98–1.02)
  • rs6968865 1.01 (0.99–1.03)
  • rs2470893 1.02 (1.00–1.04)
  • rs2472297 1.02 (1.00–1.04)  
  • rs2472299 1.03 (0.99–1.06)



一方、ApoE genotypeによる5%コレステロール値減少は虚血性心疾患オッズ比としては 0.93 (0.89–0.97)


結論としては、コーヒー摂取量と心血管疾患・全原因死亡率との関連性はU字型
だが、遺伝的なカフェイン摂取影響はそのリスクの関連性は少ない





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