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2020年9月28日月曜日

遅発性腺機能低下男性:テストステロン補充による体性痛・メンタルヘルス有用性示唆

遅発性LOH男性においてテストステロン補充療法によるbodily pain(BP)スケール、Mental Helth(MH)スケール改善示唆


ただ、後顧的研究なので エビデンスレベルとしては限定的

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遅発性腺機能低下症(LOH)男性の慢性疼痛症候群の治療にテストステロン補充療法(TRT)を6ヶ月間投与することが有効であるかどうかを検討

慢性疼痛症候群を有する60名の性腺機能低下症患者(TRT群31名、対照29名)を日本で実施した無作為化比較試験から抽出

慢性疼痛はShort-form (36) Health Survey (SF-36)のbodily pain (BP)サブスケールに基づいて評価し、スコア50.0以下の患者を慢性疼痛に悩まされているものとして定義

その結果、6ヶ月間のTRTはBP、SF-36のメンタルヘルス、睡眠障害(Aging Male Symptoms question 4)の有意な改善につながる可能性が示唆された。

全体として、著者らは、慢性疼痛を有する LOH男性において、6ヵ月間のTRTは疼痛と生活の質のいくつかの側面を改善することができると結論づけしている。



Efficacy of testosterone replacement therapy on pain in hypogonadal men with chronic pain syndrome: A subanalysis of a prospective randomised controlled study in Japan (EARTH study)
Yuki Kato  Kazuyoshi Shigehara  Shohei Kawaguchi  Kouji Izumi  Yoshifumi Kadono  Atsushi Mizokami
First published: 24 July 2020 https://doi.org/10.1111/and.13768





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遅発性腺機能低下症(LOH)は、様々な臨床症状として現れ、高齢男性においてはテストステロン値の低下を伴う病態が併発している(Lunenfeldら、2015年)。多くの高齢男性は、腰痛やomarthralgia(型関節痛)などの慢性疼痛症候群に悩まされることが多く、これらはLOH症候群の特徴的な症状として認識されてきた。'慢性疼痛'は、身体的・精神的健康の指標として広く用いられているSF-36スコアの身体的苦痛(BP)サブスケールに含まれている(Fukuhara, Ware, Kosinski, Wada, & Gandek, 1998)。 男性の健康関連QOL(Quality of Life)を評価するための貴重なツールであるAging Male Symptoms(AMS)スケールには、LOH症候群の臨床症状としての慢性疼痛の評価に関する質問も含まれている(Heinemann et al. 動物を用いたいくつかの先行実験研究では、テストステロンが疼痛感覚に有意な影響を与えることが実証されており、テストステロン欠乏症と慢性疼痛との関連性が性腺機能低下症患者において示唆されている(Fanton, Macedo, Torres-Chavez, Fischer, & Tambeli, 2017)。 
テストステロン補充療法(TRT)は、LOH症候群の高齢男性において適切なQOLを維持するために広く投与されており、死亡リスクの低下に寄与すると報告されている(Lunenfeld, Arver, Moncada, Rees, & Schulte, 2012)。しかし、性腺機能低下男性の慢性疼痛症候群に対するTRTの臨床的効果は現在のところ検討されていない。
以前、日本の性腺機能低下男性の身体的・精神的健康に対するTRTの1年間の効果を調査した無作為化比較試験(RCT; EARTH study)があった(Konaka et al. 現在の研究では、EARTH試験のサブアナリシスを行い、慢性疼痛を訴えるLOH男性を対象に、6ヶ月間のTRTの疼痛に対する効果を評価


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discussionから・・・
テストステロンレベルは電気刺激時のヒトの中前頭前野の活性化と正の相関があり、その結果、痛みの知覚が減少し、テストステロンと神経系との相互作用を引き起こすことが示されています(Choi et al., 2011)
免疫細胞とニューロンとの相互作用によって媒介される炎症は、痛みの発生に重要な役割を果たす(Scholz & Woolf, 2007)。マクロファージ、好中球、Tリンパ球、マスト細胞などの常駐免疫細胞および循環免疫細胞は、末梢組織の損傷、炎症または神経損傷に応答して浸潤し、活性化することができる。これらの活性化された免疫細胞から放出される炎症性サイトカインやケモカインのような前頭葉の炎症性メディエーターは、侵害受容器の感作を誘導し、侵害受容器の一次求心性ニューロンの興奮性を増加させる(Gao & Ji, 2010)
テストステロンは、脂肪細胞のサイズおよび一部のサイトカインを抑制し、減少させる(Bianchi, 2019)。さらに、テストステロンは、エストラジオール中のアロマティサシオンの後、アンドロゲン受容体とエストロゲン受容体(ER)αとER-βを活性化することができ、それは抗炎症効果を有するいくつかのアディポカインとサイトカイン(レプチン、IL-6、TNF-αなど)の放出を減少させ、脂肪細胞の調節に貢献します(Bianchi、2019)

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overallな有用性、リスク評価を含む前向き対照比較研究が必要

2013年12月3日火曜日

男性性腺機能低下症(男性更年期):アンドロゲン欠乏は除脂肪(筋・骨格筋)量・筋強度減少、エストロゲン欠乏は脂肪増加、両者欠乏は性腺機能低下と関連

タイトルのごとき結論となるが、テストステロン補充効果は個体ばらつきが大きい

男性・性腺機能低下症を「男性更年期」などと称して、単に男性ホルモン補充だけで解決などというような単純すぎる理念展開しているのは、なにも民間業者だけでなく、国内では一流とされる国公立大学のお偉いさんまで主張しているが、その臨床的・実験的エビデンスは希薄。ことは、そう簡単ではないのだ。

昨今、男性性腺機能低下症は、テストステロン→エストラジオール転換が重視され、相互的作用が議論となっている。
性腺ステロイドホルモンと体組成・筋肉量、性機能の関連性 → 男性でも低エストロゲンが問題 2013/0/12

NEJMで、男性ホルモンと女性ホルモン、そして、その両者に関連する酵素介入による影響報告で、比較的純粋に両者の体組成、体重、筋強度への影響が明らかになった。

Gonadal Steroids and Body Composition, Strength, and Sexual Function in Men
Joel S. Finkelstein, et. al.
N Engl J Med 2013; 369:1011-1022September 12, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1206168

【背景】テストステロン欠乏診断現行アプローチは、テストステロン値による生理学的影響をもたらすか、また、テストステロン、エストラジオール、あるいはその両方の凌駕臨床的所見と関連するかは不明。
【方法】20−50歳健康男性 198名
16週間投与
・goserelin acetate(内因性テストステロン・エストラジオール抑制のため利用)

・ランダム割り付け:プラシーボ・ゲル vs テストステロンゲル1.25g、 2.5g、 5g、 10g

別の202名を、geserelin acetate、プラシーボ、テストステロン・ゲル、anastrozole(テストステロン→エストラジオール転換抑制)割り付け

プライマリアウトカム:体脂肪、lean mass比率
皮下−、腹腔内脂肪面積、大腿筋面積、強度、性的機能も評価

【結果】体脂肪比率は
・anastrozole投与無し + プラシーボ群、テストステロン 1.25g、2.5g連日投与で、増加。(テストステロン値平均 : 44±13 ng/dL 、19±78 ng/dL、337±173 ng/dL)
lean massと大腿筋面積は
・anastrozole投与無し + プラシーボ群とtestosteron 1.25g連日投与群で、減少

下肢プレス強度は、プラシーボ投与群でのみ減少

・一般的に、テストステロン投与量少ないほど性欲減少

【結論】 lean mass、脂肪量、筋強度、性的機能維持のためのテストステロン総量は男性でばらつきがある。

アンドロゲン欠乏は、lean mass、筋肉のサイズ、筋肉強度の減少となり、
エストロゲン欠乏は、主に体脂肪増加となる
両者欠乏は、性的機能減少となる

以上の知見は、男性の性腺機能低下管理に関して評価・管理上のアプローチの変化をもたらす。


 ある横断的研究報告で、高齢者においても、テストステロンのみが筋強度関連性が指摘されている。主に骨格筋筋肉の量と質における、男性ホルモンの関連性はわかったが、その投与有効性・安全性が担保され居るわけではない。


2013年11月6日水曜日

BHCなど有機塩素系殺虫剤と子宮内膜症

有機塩素系殺虫剤と子宮内膜症リスク

Organochlorine Pesticides and Risk of Endometriosis: Findings from a Population-Based Case–Control Study
Kristen Upson, et. al.
Environ Health Perspect; DOI:10.1289/ehp.1306648

大規模医療システム登録中、症例対照検討


血中β-HCH(beta-Hexachlorocyclohexane )と、mirex(マイレックス)は子宮内膜症と相関


広汎に有機塩素系殺虫剤が使われたことで、妊娠可能年齢女性健康への影響が示唆される。これは米国内では過去だが、現行使用されている国もある。





マイレックスは日本では使用許可されたことがない。米国・カナダでは1978年使用近視らしい。
ヘキサクロロシクロヘキサン(HCH)とは、BHC(ベンゼンヘキサクロリド)のこと

2013年6月20日木曜日

2型糖尿病:低ゴナドトロピン性性腺機能低下症合併 テストステロン注射でインスリン感受性改善・脂肪から除脂肪体重への転換促進

私は個人的には”男性更年期”って言葉が大嫌いだ

蛋白同化ホルモン投与ってのは、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の確認があって初めて行われるべきだ

2型糖尿病の中で、性腺ホルモン機能低下を合併した場合に、その補充が病態改善に役立つかもしれないという報告。ただ、心血管合併症や多臓器への影響はなにも語られてないので、解釈に注意が必要と思う

低ゴナドトロピン性性機能低下と2型糖尿病合併男性へのランダム化対照化トライアル
プラシーボ比較で、テストステロン注射6ヶ月後インスリン感受性改善の報告(P=0.01)



Dhindsa SS, et al "Testosterone replacement decreases insulin resistance in hypogonadal men with type 2 diabetes" ENDO 2013; Abstract OR22-

http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ENDO/39965

2型糖尿病81名の男性
ベースラインで、性腺機能低下症では、低テストステロン症の無い場合より、BMI高値 、脂肪量多い
上記ごとく、2型糖尿病+低ゴナドトロピン性性腺機能低下症では、性腺機能低下症のない場合に比べインスリン感受性有意に低い(P=0.001)、そして、体重・年齢補正後もこの関連性は不変(P=0.017)

6ヶ月間テストステロン vs プラシーボにランダム化
治療後、テストステロン値は、治療群で有意増加 256 ng/dL → 562 ng/dL, p = 0.001
プラシーボ群では有意差無し 
遊離テストステロン劇的に増加 4.1 nmol/L → 12.4 nmol/L p < 0.001
プラシーボでは有意変化認めず

筆者等は、インスリン感受性(euglycemic clump測定)でインスリン感受性25%(p=.01)と劇的に改善したと主張。プラシーボではインスリン感受性有意差無し。 
体重、ウェスト/ヒップ比は両群変化認めず、総除脂肪体重(lean body mass)はテストステロン患者では有意に増加 (p=0.004)
同時期、脂肪量は有意に減少 (p=0.02) 
脂肪2kgが、除脂肪体重に置き換わったわけである 
平均インスリン濃度は薬物治療群でインスリン感受性とともにインスリン濃度低下 (11.6 → 7.1, p < 0.05)、 HOMA-IRも有意減少 (3.5 → 2.8, p < 0.05)

脂質濃度は両群で変化せず、しかし、テストステロン群で有意に性的欲求が高まった (P=0.05)

2013年2月5日火曜日

テレビばかり見て、運動しなければ精子が減る

18−22歳、189名の Rochester Young Men's Study (2009–2010)での研究

Physical activity and television watching in relation to semen quality in young men
Br J Sports Med doi:10.1136/bjsports-2012-091644 
精液濃度と 総精子数は、運動量と相関(p-trend=0.01 、 0.04)

運動の軽度から強度群(週15時間以上)の最大四分位 群は、運動最小四分位 群(週4時間未満)に比べ、73%の精子濃度(95%CI 15%〜160%)


テレビ視聴は精子濃度や総精子数と逆相関(p-trend=0.05, 0.06)


テレビ視聴最大四分位 (週20時間以上)は、最小四分位 (0時間)に比べ、精子濃度44%減少(95%CI 15−63%)

運動時間・レジャー時間の測定は精子の運動性・形態とは有意な相関認めず

テレビほど不健康な代物はない・・・ 

テレビ視聴は心血管疾患のリスク要因である  2007年 11月 15日

テレビ視聴時間が長いほど、親や友人に薄情になる  2010年 03月 02日

子供から大学生まで、テレビ視聴・テレビゲームで注意力障害増加  2010年 07月 05日

2012年12月3日月曜日

男性ホルモン補充:バイアグラの効果改善せず

男性性腺機能低下を拡大解釈し、加齢に伴うテストステロン減少や後期発症臨床的低ゴナドトロピン症を“男性更年期”と称し、補充療法を正当化する動きがある。これは諸外国の一般的な統一見解ではなく、議論段階の概念である。

Male menopause: is it a real clinical syndrome?
Climacteric. 2011 Feb;14(1):15-7.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20670200



男性更年期診断の厳格化によりその疾病はわずか2%(NEJM) ・・・ 疾患存在への疑問2010年 06月 17日
http://intmed.exblog.jp/10823817/


にもかかわらず、日本医師会は、勇み足を行っている。

男性更年期障害:バランスを失った日本医師会雑誌の記載・・・生涯教育素材の価値無し2011年 02月 05日
http://intmed.exblog.jp/12055983/



話は、かわり・・・

男性ホルモン補充が バイアグラの勃起機能改善効果に影響をあたえるか? ・・・ 答えはNo!

Effect of Testosterone Replacement on Response to Sildenafil Citrate in Men With Erectile Dysfunction: A Parallel, Randomized Trial
Matthew Spitzer, et. al.
Ann Intern Med. 20 November 2012;157(10):681-691
http://annals.org/article.aspx?articleID=1391696

 International Index of Erectile Functionの勃起機能属性(erectile function domain (EFD))25点以下の、40-70歳

総テストステロン < 11.45 nmol/L (<330 ng/dL)、遊離テストステロン濃度< 73.35 pmol/L(<50 pg/mL)
シルデナフィル投与量を最適化し、140名の被験者のうち、70名ずつに
・経皮的ジェル(テストステロン 10g)連日投与
・プラシーボ投与

ベースラインにおいて、2群は同様のEFDスコア

シルデナフィル投与は、有意にEFDスコア増加と関連  (平均, 7.7 [95% CI, 6.5 to 8.8])
しかし、ランダム後化2群にEFDスコア差認めず(差 , 2.2 [CI, −0.8 to 5.1]; P = 0.150)

これらの所見は、若年男性の性機能の他の属性でも同様、肥満でも、低テストステロン濃度、シルデナフィル反応不良でも同様。

テストステロン群でも、プラシーボ群でも、副作用は同様。

短期間投与の研究という反論は当然出てくるだろう。

だが、リビドーの改善効果が果たしてあるのかという疑問が沸いてくる。

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...