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2013年9月6日金曜日

若年時運動不足はてんかん痙攣将来リスク要素

寄与要素完全補正されているか、微妙な報告のように私には思えるが、一応、表題ごとき筆者らの意見。

Cardiovascular fitness and later risk of epilepsy
A Swedish population-based cohort study
Jenny Nyberg,  et. al.
Neurology 10.1212/WNL.0b013e3182a4a4c0










2013年8月24日土曜日

治療不応性てんかん半球切除・・・機能的予後良好とは言えない

Long-term functional outcomes and their predictors after hemispherectomy in 115 children
Epilepsia Article first published online: 23 AUG 2013
DOI: 10.1111/epi.12342


治療不応性てんかんに対する、大脳半球切除:hemispherectomy115名の子供を平均6.05年間の長期フォローアップ
多くである、70名/115名は痙攣発作無し、96名/115名は自立歩行可能となった。

しかし、多くの領域で日常機能障害が多く存在することが報告された。
6歳以上で、3分の2で軽度言語障害、85%ではメインの通学で補助必要か、特殊学校への通学となっている。年齢相応の読書能力なのはわずか18%のみ。

てんかん再発症例で、歩行、言語、読書、行為能力に関するアウトカム不良が多い。

以前の報告では、大脳半球切除により52%−80%の無てんかんというもので、先天的・後天的半球性てんかん・薬物治療不応例での有効な治療法とされてきた



半球切除および半球離断
http://www.h.u-tokyo.ac.jp/neurosurg/rinsho/tenkan2.htm

2013年7月22日月曜日

てんかん:早死率高い、併存精神疾患、特に、うつ合併に注意

てんかん患者は早死にリスク高く、特に外因性死因が多いという大規模研究結果

筆者等によれば、てんかん患者で早死率高いことが示唆され、特に併存・精神疾患n関与が示唆されるという結論。


"Premature mortality in epilepsy and the role of psychiatric comorbidity: a total population study"
Fazel S, et al
Lancet 2013; DOI: 10.1016/S0140-6736(13)60899-5.

スウェーデン1954-2009年生まれ、てんかん入院・外来診断(n-69,995)例での検討

住民対照(年齢マッチ化・性別マッチ化, n=660,869)、非発症同胞(n=81,396)との比較


フォローアップ中死亡 6155 (8.8%)名、年齢中央値  34·5 (IQR 21·0—44·0)歳
早死オッズ高い(住民対照との比較補正オッズ比 [aOR] of 11·1 [95% CI 10·6—11·6] 、 非発症同胞との比較 11·4 [10·4—12·5])

死因のうち、外因死 15·8% (n=972)
非自動車事故オッズ比高い(aOR 5·5, 95 % CI 4·7—6·5) 、自殺オッズ比高い(3·7, 3·3—4·2)

これら外因死のうち、非てんかん・非精神疾患患者との比較で、精神疾患合併は75.2%で、併発うつの場合特に相関性が高い(13·0, 10·3—16·6)、同様に、薬物不正使用 で相関性高い(22·4, 18·3—27·3)

2013年4月30日火曜日

レチガビンの副作用:青色皮膚色素異常、網膜色素異常による視力異常

米国では、Potiga (ezogabine):ポティガ(エゾガビン)、国際的には、レチガビン [RTG ]で、従来の抗てんかん薬剤と異なるメカニズムで、KCNQ2-5 (K(v) 7.2-7.5) ion channelのpositive allosteric modulatorである。


blue skin discoloration、網膜色素異常による視力障害


FDA Drug Safety Communication: Anti-seizure drug Potiga (ezogabine) linked to retinal abnormalities and blue skin discoloration
http://www.fda.gov/downloads/Drugs/DrugSafety/UCM349554.pdf








2013年4月24日水曜日

母体出生前バルプロ酸塩暴露:自閉症スペクトラム障害・自閉症リスク増加

出生前母体バルプロ酸塩暴露による小児へのASD(自閉症スペクトラム障害)と自閉症発症リスク

Prenatal Valproate Exposure and Risk of Autism Spectrum Disorders and Childhood Autism
Jakob Christensen, et. al.
JAMA. 2013;309(16):1696-1703. 


1996−2006年のデンマークの生下誕生・住民ベース研究

誕生655,615名のうち、ASD 5437、うち、小児自閉症 2067
フォローアップ終了時小児平均年齢8.84(range 4-14, 中央値 8.85)歳

14年フォローアップ推定絶対リスク
ASD 1.53%(95% CI, 1.47%-1.58%)
小児自閉症 0.48%(95% CI, 0.46%-0.51%)

包括的には、バルプロ酸塩暴露小児508名の絶対リスク
ASD 4.42%(95% CI, 2.59%-7.46%)
小児自閉症 2.50%(95% CI, 1.30%-4.81%)
(補正 HR, 5.2 [95% CI, 2.7-10.0])

てんかん女性の子供6584名コホート限定すると、絶対的リスク

・バルプロ酸塩暴露 432名
ASD 431名 4.15%(95% CI, 2.20%-7.81%)
(補正HR, 1.7 [95% CI, 0.93-3.2])
小児自閉症 2.95%(95% CI, 1.42%-6.11%)
(補正HR, 2.9 [95% CI, 1.4-6.0])

vs
・バルプロ酸塩非暴露 6152名
ASD 2.44% (95% CI, 1.88%-3.16%)
小児自閉症 1.02% (95% CI, 0.70%-1.49%)



改定した方が良いのでは・・・

デパケン(バルプロ酸ナトリウム):添付文書 
妊婦、産婦、授乳婦等への投与


1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[二分脊椎児を出産した母親の中に、本剤の成分を妊娠初期に投与された例が対照群より多いとの疫学的調査報告があり、また、本剤の成分を投与された母親に、心室中隔欠損等の心奇形や多指症、口蓋裂、尿道下裂等の外表奇形、その他の奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、特有の顔貌(前頭部突出、両眼離開、鼻根偏平、浅く長い人中溝、薄い口唇等)を有する児を出産したとする報告がみられる。]
2.
妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り単剤投与することが望ましい。[他の抗てんかん剤(特にカルバマゼピン)と併用して投与された患者の中に、奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある。]
3.
妊娠中の投与により、新生児に呼吸障害、肝障害、低フィブリノーゲン血症等があらわれることがある。
4.
妊娠中の投与により、新生児に低血糖、退薬症候(神経過敏、過緊張、痙攣、嘔吐)があらわれるとの報告がある。
5.
動物実験(マウス)で、本剤が葉酸代謝を阻害し、新生児の先天性奇形に関与する可能性があるとの報告がある。
6.
授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することがある。]






2012年4月16日月曜日

てんかんと交通死亡事故

警察組織ってのは、疫学を全く理解しておらず、インチキ統計学・疑似科学を垂れ流すことを生業とする組織である(e.g. 血液型と交通事故星座と交通事故・・・)。その組織が 生命に関わる予防介入措置の意思決定を牛耳っている。特定の身体・心身特性と運転免許資格の関係である。


  京都軽ワゴン車突入人身事故に関してだが・・・この問題に触れたことがある。

参考: てんかんと運転免許について思う・・・  2011年 04月 20日


昨夜、フジテレビの報道ワイドショーで、女医さんが「突然意識障害を来すばかりがてんかんじゃない。意図的運転操作があったとしてもてんかん発作を否定出来ない」・「お薬をのんでても100%発作をおさえられるケースだけではない」と述べていた。
「てんかんとは急に意識がなくなって、泡を吹いて倒れるもの、くすりをのんどけはすべて解決する」という誤認識に基づく他報道やコメントの嵐の中、まともなコメントはこれだけだった。aura/prodomal、心因性非てんかん性発作 (Psychogenic. Non-Epileptic Seizure: PNES) A、てんかんの病型の多様性から考えて、症候だけで、果たして、てんかんだったかどうか判断は今後も困難。
この事件・事故は、純粋な医学的推測でなく、その他の要素で司法判断がなされ、所属記者クラブが、それを支持するような情報を拡散し、推移していくような気がする。


ところで、日本における重大事故比率は米国より多いのだろうか?

“てんかん発作が原因とみられる死亡事故は、ここ5年間で18件起きた”(愛媛新聞 社説2012年04月16日(月)
“ 車運転時のてんかん発作による人身事故が、中国地方で昨年までの5年間に22件発生したことが分かった”(中国新聞 2012年4月15日 、信濃新聞Web 4月14日


“米国では、1995-97年44027名のドライバーが死亡し、うち、てんかんと関連した事故は86名(0.2%、82-97)が死亡事故と関連”と米国事例での論文掲載がなされている。
Mortality in epilepsy
Driving fatalities vs other causes of death in patients with epilepsy  
Soham G. Sheth, et. al.
Neurology September 28, 2004 vol. 63 no. 6 1002-1007

てんかん発作関連死亡事故数が日本の方が多いというわけではなさそうだ。
ただ、日本のように1回で多数の被害者を起こす事故の比率はどうかは、上記論文ではわからなかった。


論文解説・・・
てんかんと関連した事故は86名(0.2%、82-97)が死亡事故と関連。アルコールによる事故は、156倍以上。
若年者の事故はてんかん者の123倍以上。てんかんによる死亡事故は一般の2.6倍。
てんかん理由の事故は稀だが、アルコール、運転ミス、道路状況による事故は 稀でない。
てんかん患者の運転制限にはジレンマがつきもの。就業上・行動範囲制限を与えることと、患者自身の安全・公的安全性の問題があり、てんかん発作後の運転制限について、3ヶ月間運転制限と6-12ヶ月間運転制限比較では同様の安全性、より短期制限の可能性も

Patient Page The risk of fatal car crashes in people with epilepsy
Karen C. Richards, MD
http://www.neurology.org/content/63/6/E12.full

日本では、免許申請・更新時のてんかん申告の厳正化と、科学的根拠に基づく発作後の運転制限期間設定に関する議論が必要。


ドイツのレビュー:
てんかんがある場合、運転を許可するかどうかは医師にとっても試練。法医学的不確実性の問題は専門医や産業医にとっても課題。
Review Article:Medicolegal Assessment of The Ability to Drive a Motor Vehicle in Persons With Epilepsy
Dtsch Arztebl Int. 2010 April; 107(13): 217–223.
外傷リスクによる産業医学上の痙攣性疾患分類

Classification of convulsive disorders in occupational medicine by the risk of injury
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2855176/table/T1/


2012年3月7日水曜日

ERSET研究:てんかん早期側頭葉切除手術

Early Randomized Surgical Epilepsy Trial (ERSET)  研究

けいれん数年後の薬剤抵抗性てんかんは一般的に手術が考慮されるが、遅すぎて障害回避できないことも考えられる。てんかんコントロールの早期手術治療評価のため、Engelらは、2年連続に満たない、抗てんかん薬治療不応性mesial temporal lobeてんかん38名を側頭葉前内側切除(anteromesial temporal lobe resection)+抗てんかん治療継続と、薬物治療にランダムに割り付け


著者らは、2年フォローアップ期間中、手術群の方のけいれん低リスクが示された。

Early Surgical Therapy for Drug-Resistant Temporal Lobe Epilepsy
A Randomized Trial
JAMA. 2012;307(9):922-930. doi: 10.1001/jama.2012.220 



 Figure 2. Adjusted Mean QOLIE-89 Overall T-Score Over Time by Treatment Group
Bars indicate 95% CIs for the adjusted means.


2012年2月16日木曜日

痙攣重積:病院収容前ミダゾラム筋注 vs ロラゼパム静注比較

病院収容前に、パラメディックスの手によるベンゾジアゼピン剤静注により痙攣停止をさせておくことが、 患者のアウトカム改善と相関する。RCTとして、Prehospital Treatment of Status Epilepticus (PHTSE) trial (ClinicalTrials.gov number, NCT00004297)により、ジアゼパム、ロラゼパム、プラシーボ比較にて、収容前治療の有効性が示された(N Engl J Med 2001; 345:631-637)。ベンゾジアゼピンのプラシーボ比較の優秀性が示され、収容前痙攣終了比率は、静注ロラゼパム 59%、 静注ジアゼパム 42.6%、プラシーボ21.1%でった。

EMSでは、静注より筋注の方が治療開始が早くて済む。ミダゾラム投与の普及している。


ということで、病院収容前ミダゾラム筋注 vs ロラゼパム静注比較トライアルということらしい


Intramuscular versus Intravenous Therapy for Prehospital Status Epilepticus

Robert Silbergleit, M.D., Valerie Durkalski, Ph.D., Daniel Lowenstein, M.D., Robin Conwit, M.D., Arthur Pancioli, M.D., Yuko Palesch, Ph.D., and William Barsan, M.D. for the NETT Investigators

N Engl J Med 2012; 366:591-600 (February 16, 2012)

ベンゾジアゼピン剤投与で、遷延したけいれんを早期停止することでアウトカム改善をもたらす。
病院収容前でのパラメディックスによる迅速・確実な筋肉注射投与が増加している。

二重盲検非劣性トライアル:パラメディックス処置痙攣重積状態に対する、ミダゾラム筋注 vs ロラゼパム静注

5分を超え、さらにパラメディックス到着時痙攣状態持続時

プライマリアウトカムは、ED到着時のレスキュー治療必要なし痙攣がないこと
セカンダリアウトカムは、気管内挿管、痙攣再発、重積終了に対する治療のタイミング

ED受診時、レスキュー治療なしの痙攣は
ミダゾラム筋注 329 / 448  (73.4%) vs ロラゼパム静注 282 / 445 (63.4%)
(絶対差, 10 %; 95% 信頼区間, 4.0 to 16.1; P<0.001 for both noninferiority and superiority).


2つの治療群は、気管内挿管必要性  (ミダゾラム筋注 14.1%、ロラゼパム静注 14.4%) と、痙攣再発 (11.4% and 10.6%).で同等。

ED到着前痙攣終了例のうち、積極治療までの時間中央値は、ミダゾラム筋注群で1.2分、ロラゼパム静注群4.8分、痙攣終了までの時間中央値はそれぞれ、3.3分、1.6分

副作用イベントは2群同等。


痙攣重積状態でのミダゾラム筋肉内投与は、静注ロラゼパムと同等に、安全で・有効。




HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...