2013年2月28日木曜日

座位主体のライフスタイルだと、食後血糖、脂質系に悪影響

座位主体のライフスタイルだと、食後血糖、脂質系に悪影響を与える。
"Associations of objectively measured sedentary behavior and physical activity with markers of cardiometabolic health"
Henson J, et al 
Diabetologia 2013; DOI:10.1007/s00125-013-2845-9.
http://www.diabetologia-journal.org/files/Henson.pdf

2型糖尿病リスク対象者での、客観的測定された座位時間、座位中断、中等度・強度運動活動性(MVPA)、総身体活動と、心血管疾患関与マーカー

ongoingな2つの糖尿病予防プログラム
英国East Midlandに位置するプライマリケア診療施設から登録された既知リスク要素ありの被験者(2010-2011) 

ActiGraph GT3X accelerometer (15 s epochs)を用い
座位時間   (<25 15="" p="">MVPA (≥488 カウント/ 15 秒)
総運動活動性 (総カウント)
座位時間の中断(25カウント以上/15秒)


878名から構成サンプル: ; 153 名のProject STAND (Sedentary Time And Diabetes) (年齢 32.9± 5.6 歳, 男性 28.8%) 、 725 名の Walking Away from Diabetes (年齢 63.7±7.8 歳, 男性 64.8%)

MVPAやBMIを含む共役要素補正後、座位時間は、食後2時間血糖値と線形に相関  (標準β係数) (β= 0.220, p <0 .001="" hdl-="" p="0.029)と相関</span">

座位時間のbreak、総運動活動性、MVPAは、adiposityと有意に相関
しかし、座位時間やBMI補正後は、他の心血管代謝系に影響与えず
 
sedentary behavior:座位なんだけど、bed-riddenも 同義語に使われることがある・・・ってのを思い出した。ヨーロッパに寝たきりないという妄想は、"sedentary behavior"を座位と訳してねたきりと訳さないことから始まった。

外来などは基本座位仕事なので、食後血糖増加・HDL低下・TG増加リスクの高いことになる

5つの腫瘍成人発症精神疾患:カルシウムチャンネル活性遺伝子多様性が関連

自閉症、ADHD、双極性障害、大うつ、統合失調症は共通の遺伝子underspinningを有するという
SNPsとして2つ、 CACNA1CとCACNB2

症例 33,332と対照 27,888のGWA

カルシウムチャンネル遺伝子、CACNA1Cは双極性障害と以前から中国・漢民族において関連性指摘
電位開口型のカルシウムチャンネル

"Identification of risk loci with shared effects on five major psychiatric disorders: a genome-wide analysis"
Smoller JW, et al
Lancet 2013; DOI: 10.1016/S0140-6736(12)62129-1.

染色体 3p21、10q24領域は以前から双曲性障害、統合失調症と関連性が示されていたが、特異性としてはばらつきがある

2つのL-type voltage-gated カルシウムチャンネルサブユニット CACNA1CとCACNB2のSNPs

多遺伝子スコアにて、交差的疾患関連性が認められ、特に成人発症疾患の間で顕著

pathway analysisでは、カルシウムチャンネルの役割が、5つの疾患で支持された。

最後に、交差性疾患関連性エビデンスを示すSNPsは、脳のQTLマーカー enrichである。

電位依存性Ca 2+チャネルというファミリー
・大きな脱分極で活性化される(高電位活性化)HVA
 a) DHP系Ca拮抗薬感受性L型
骨格筋(S)
心筋(C) ; 心筋(Ca),平滑筋(C b),神経(C c)
神経内分泌系(D)
網膜(F)
b)非感受性のN, P/Q, R型 
・低電位活性化(LVA)T型(タイプ)

神経組織に特異的に発現するCa2+チャンネル L-type α1サブユニット、P/Q型、N型、R型
複数種のCaチャンネルが神経細胞に関連し、それぞれのチャンネルの貢献度は様々
http://www.jst.go.jp/kisoken/crest/report/sh_heisei9/pdf/09_mamoru/mamoru-03.pdf

CACNB2遺伝子は、L-typeチャンネル; Brugada症候群とも関連
CACNA1C遺伝子は、L-type α 1C:Ca(v)1.2
CACNA1D遺伝子は、Ca(v)1.3
CACNA1F遺伝子は、L-typeチャンネルα(1).4 サブユニット
CACNA1A遺伝子は、P/Q-typeチャンネルα(1).2.1サブユニット

・・・こりゃ、難しいわ

母体・臍帯血中ビタミンD濃度高いほど、子供の食物アレルギーリスク高くなる

妊娠中ビタミンD高濃度と出生時ビタミンD高レベル と子供の食物アレルギーリスクは相関する

Maternal and newborn vitamin D status and its impact on food allergy development in the German LINA cohort study
K. Weisse1, et. al.
Allergy Vol. 68. (2) p 220-228, Feb 2013
European Journal of Allergy and Clinical Immunology
ビタミンDは、アトピー性疾患発症と関連する可能性指摘されているが、現存データでは議論あるところ。母体・臍帯血中のビタミンD濃度と、新生児のアトピー状態の関連性の研究

母体血中 25(OH)D3濃度中央値は22.19 ng/mL(IQR 14.40-31.19 ng/mL)
臍帯血中濃度 10.95 ng/mL(6.99-17.39 ng/mL)
季節性変動あり

母体・臍帯血中 25(OH)D3は、2歳未満の子供の食物アレルギーと正相関

さらに、母体の25(OH)D3濃度高いほど、子供の2歳時点での食物アレルギー感作リスク高い
臍帯血中 25(OH)D3濃度はregulatory T細胞数と逆相関



5年後を悲観的に考える方が、健康面も収入面も良好 ・・・

将来の人生満足度が低いと予想すること、将来の健康状態や経済状態に対して悲観的に考えることは一概に悪いことだとは言えないという、今まで考えてたこととは違う結論の報告。

「悲観=悪」 という考えは必ずしも正しくないようだ。

将来を悲観的に考える人の方が、その後の実際の健康や収入が多いというお話

Forecasting Life Satisfaction Across Adulthood: Benefits of Seeing a Dark Future?
Lang, F. R., Weiss, D., Gerstorf, D., & Wagner, G. G. (2013, February 18). 
Psychology and Aging Advance online publication. doi: 10.1037/a0030797
http://www.apa.org/pubs/journals/releases/pag-ofp-lang.pdf

自己の将来を期待することは、ヒトに特徴的能力であり成人期・高齢期のv個人の適応や健康にとって重要。
German Socio-Economic Panel (SOEP; N 10,000, 年齢範囲 18 〜 96 歳)のドイツ内の成人life span sampleを用いた調査で、5年間隔6継続横断的な、将来に関する人生満足度い関する、年齢毎の確度のstability、相関、アウトカム検討。
予想通りに、現行人生満足度における年齢差は少ないが、将来への期待に関して年代差が強く認められた。
若年成人は将来の人生満足度に関し改善し、5年後の人生を過剰評価している。
一方、高齢者は、将来に対してより悲観的で、5年後の実際の人生満足度を過小評価している。

年齢格差は、自己評価健康・収入への上下差持続傾向である。


生存解析では、高齢成人では、10年以上におよぶ関連性として、年齢・性別・教育レベル・収入、自己評価健康補正後でさえ、5年後満足度過小評価ほど、障害出現ハザード比が少なく ( 障害出現数 735)、死亡率 少ない (死亡数 879 )


高齢者は人生満足度過小評価になりがち
だが、そのような、人生満足度自己評価は将来的な健康アウトカムに関してプラスの作用を及ぼす



たとえば、こういうことか・・
楽天的:体重過多の方がかえって寿命が長いという話もあるし、なすがままよ ケセラセラ → 肥満・糖尿病・高血圧発症、重篤なCVDリスク増加

悲観的:将来このままなら心臓疾患・脳梗塞・認知症になってしまう → 食事減らす・バランスに気をつける・すこしでも歩く → 5年後フィットネス改善、耐糖能改善

悲観的というより、将来リスクをある程度考え、何をするか・・・それが大事ってことかな?
それをいつするの・・・「今でしょ」って1ヶ月後ははやらなくなる言葉で閉める。

梅毒point-of-care検査は検査室検査に匹敵するようになった

Research Institute of the McGill University Health Centre (RI-MUHC) のチーム開発

梅毒は、信頼性のある迅速診断方法が、さし迫り必要な疾患

POC(point-of-care)検査の開発し、通常の検査室検査と同等の正確性が示されたと報告

Are Treponema pallidum Specific Rapid and Point-of-Care Tests for Syphilis Accurate Enough for Screening in Resource Limited Settings? Evidence from a Meta-Analysis
Yalda Jafari, et. al.
PLoS ONE 8(2): e54695. doi:10.1371/journal.pone.0054695

血清サンプルで、TP特異的標準ポイント推定値に対する評価'95%信頼区間(Crl)

一般の検査の感度
i) Determine, 90.04% (80.45, 95.21)
ii) SD Bioline, 87.06% (75.67, 94.50)
iii) VisiTect, 85.13% (72.83, 92.57)
iv) Syphicheck, 74.48% (56.85, 88.44)
 特異度
i) Syphicheck, 99.14% (96.37, 100)
ii) Visitect, 96.45% (91.92, 99.29)
iii) SD Bioline, 95.85% (89.89, 99.53)
iv) Determine, 94.15% (89.26, 97.66)

全血サンプル、感度
i) Determine, 86.32% (77.26, 91.70)
ii) SD Bioline, 84.50% (78.81, 92.61)
iii) Syphicheck, 74.47% (63.94, 82.13)
iv) VisiTect, 74.26% (53.62, 83.68)

特異度
i) Syphicheck, 99.58% (98.91, 99.96)
ii) VisiTect, 99.43% (98.22, 99.98)
iii) SD Bioline, 97.95%(92.54, 99.33)
iv) Determine, 95.85% (92.42, 97.74)
 迅速あるいはPOCのトレポネーマ検査は感度特異度とも検査室結果と同等で、これらの検査により検診や治療のしやすさにつながる可能性がある。
ラボアクセスの悪い状況では有用



2008年のガイドラインでは
T.p.の検出は、初期硬結や硬性下疳の表面をメスで擦るなどして得られた漿液をスライドグラスにとり、パー カー社製ブルー・ブラックインクと混ぜて薄く延ばし、 乾燥後、顕微鏡の油浸で観察するパーカーインク法が用 いられる。長さ 6~20 μm で 8~20 のらせんを持つ病原体を確認し確定診断する。
梅毒血清反応は、カルジオリピンを抗原とするSTS法 (serologic test for syphilis )であるガラス板法RPRカードテスト(rapid plasma reagin card test )、凝集法のうちの一法および T.p.を抗原とするTPHA法(treponema pallidum hemagglutination test )あるいはFTA-ABS法(fluorescent treponemal antibody absorption test)の定性を施行し、陽性の場合にはSTS法の定量を行う。しかし、感染後約4週間は陽性を示さないので、陰性でも梅毒の疑いが強い場合には再検査を 行うべきである。

2011年のガイドライン(http://jssti.umin.jp/pdf/guideline2008_new/01.pdf)の梅毒血清反応以降の記載
梅毒血清反応は、カルジオリピンを抗原とする非特異的なRPRカードテスト(rapid plasma reagin card test )、塗抹(コメント1参照)を行い、陽性の場合には、T.p.を抗原とする特異的なTPHA法(treponema pallidum hemagglutination test )FTA-ABS法(fluorescent treponemal antibody absorption test)あるいは新規のT.p.抗原とする検査法を施行し、陽性の場合にはSTS法の定量を行う。しかし、感染後約4週間は陽性を示さないので、陰性でも梅毒の疑いが強い場合には再検査を 行うべきである。
※コメント
1)ガラス板法の抗原は、2010年に発売中止し、検査できなくなった。

 上記、POCTは、「新規のT.p.抗原とする検査」に当たるのだろうか

制吐剤としてのオンダンセトロン妊娠中使用安全

オンダンセトロンといえば、ゾフラン錠や注射剤を含め、日本では、「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」のみ適応 だが、海外では、妊娠中吐気・嘔吐治療に頻用されているとのこと。

胎児安全性に関する報告


Ondansetron in Pregnancy and Risk of Adverse Fetal Outcomes
Björn Pasternak,  et. al.
N Engl J Med 2013; 368:814-823
February 28, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1211035

デンマーク608,385妊娠病歴コホート
1:4でマッチ化対照比較し、propensity-score-matched analysis

オンダンセトロン服用に関し自然流産増加リスクと相関せず
妊娠7-12週での暴露では、1.1% vs 3.7%
(ハザード比 0.49; 95% 信頼区間[CI], 0.27 - 0.91)

妊娠13-22週では、1.0% vs 2.1%
(ハザード比, 0.60; 95% CI, 0.29 - 1.21)

オンダンセトロンは、
胎児死増加リスクと関連せず  (暴露群 0.3% vs 非暴露群 0.4% ; ハザード比, 0.42; 95% CI, 0.10 - 1.73)
重大出産異常と関連せず (2.9% vs 2.9%,; 出現率オッズ比, 1.12; 95% CI, 0.69 - 1.82)
早期産と関連せず  (6.2% vs 5.2%; 出現率オッズ比, 0.90; 95% CI, 0.66 -1.25)
低体重児出産と関連せず  (4.1% vs 3.7%; 出現率オッズ比 0.76; 95% CI, 0.51 - 1.13)
妊娠期間年齢対比低体重出産と関連せず  (10.4% vs 9.2%; 出現率オッズ比, 1.13; 95% CI, 0.89 - 1.44)


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禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note