関節リウマチの一般頻度は0.5-2%程度である。早期に関節リウマチ診断することの重要性が認識されつつあることと合わせ、どのように早期発見・早期治療に結びつけていくかが今後の課題となるだろう。
Elevated rheumatoid factor and long term risk of rheumatoid arthritis: a prospective cohort study
BMJ 2012; 345 doi: 10.1136/bmj.e5244 (Published 6 September 2012)
Copenhagen City Heart Study:1981-1983年の血中濃度検査を2010年8月10日までフォロー
関節リウマチ無しの9712名(20-100歳まで)
主要アウトカム測定:血中IgMリウマチ濃度 25-50、50.1-100、>100、vs <25 IU/mL比較
結果:リウマチ因子濃度は20-100歳まで同等
187659人年、関節リウマチ発症 193名
健康人にて、リウマチ因子倍は関節リウマチ発症リスク増加と関連 3.3倍(95%信頼区間 2.7-4.0)で、この傾向は他の自己免疫性リウマチ疾患でも同様の傾向。
関節リウマチ累積頻度はリウマチ因子カテゴリー増加毎に増加 (Ptrend<0.0001)
関節リウマチの多変量補正ハザード比は、リウマチ因子最小カテゴリー( <25 IU/mL)比較で、それぞれのリウマチ因子25-50で 3.6(95%信頼区間1.7-7.3)、同様に、 50.1-100 IU/mLで 25-50 IU/mL, 6.0 (3.4 to 10)、>100 IU/mLで 26 (15 to 46) (Ptrend<0.0001)
関節リウマチの最高10年絶対リスクは32%で、リウマチ濃度>100 IU/ml、喫煙女性、50-69歳女性
結論:リウマチ因子増加している人は、関節リウマチの長期リスク26倍増加をみとめ、10年のリウマチ絶対リスクは32%まで増加。
この新しい知見は、リウマチ因子をベースとしたリウマチ専門家や早期関節炎クリニックへのガイドライン改訂につながるだろう。
リウマチ因子陰性関節リウマチの存在もあり、抗CCP抗体が臨床上重用されている。一方、この論文では、IgM型リウマチ因子定量であり、リウマチ因子陽性側からの検討であることに注意が必要。