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2022年12月15日木曜日

エンドセリン遮断系薬剤が急性腎障害(AKI)からCKD・心血管疾患への進展予防の可能性

 マウスでの研究では、科学者は狭心症と高血圧の治療に通常使用される薬が急性腎障害(AKI)によって引き起こされる腎臓と心血管系への長期的な損傷の多くを防ぐことを発見

エジンバラ大学のチームは、AKIの患者がエンドセリン(炎症を活性化して血管を収縮させるタンパク質)の血中濃度の増加を発見。エンドセリンレベルは、腎機能が回復した後もずっと高いままであった。AKIマウスでエンドセリンの同じ増加を発見した後、専門家はエンドセリン系をブロックする薬で動物を治療しました。通常、狭心症や高血圧の治療に使用される薬は、エンドセリンの産生を停止したり、細胞内のエンドセリン受容体を遮断したりすることによって機能する。マウスをAKI後4週間にわたってモニターした。エンドセリン遮断薬で治療された人は、血圧が低く、炎症が少なく、腎臓の瘢痕化が少なかった。血管はより弛緩し、腎機能も未治療のマウスと比較して改善された。



Endothelin blockade prevents the long-term cardiovascular and renal sequelae of acute kidney injury in mice

SCIENCE TRANSLATIONAL MEDICINE 14 Dec 2022 Vol 14, Issue 675

DOI: 10.1126/scitranslmed.abf5074

https://www.science.org/doi/10.1126/scitranslmed.abf5074


急性腎不全(AKI)は一般的な疾患であり、心血管疾患や慢性腎臓病のリスクを増大させる。原因となる分子・生理的経路は十分に解明されていません。長期的な転帰を改善する治療法はない。エンドセリン系の活性化は、心血管疾患や腎臓病の進行を促進する。AKIから慢性疾患への移行において、これが原因的な役割を果たすと仮定した。血漿中のエンドセリン-1は3倍、尿中のエンドセリン-1は2倍、腎臓のプレプロエンドセリン-1、エンドセリン-A、エンドセリン-B受容体メッセージはAKI患者で発現が増加した。因果関係を明らかにするために、マウスに長期虚血を行いAKIを誘発し、4週間の追跡調査を行った。虚血傷害は、高血圧、内皮依存性および内皮非依存性の大血管および微小血管の機能障害をもたらし、循環炎症性Ly6Chigh単球の増加をもたらした。腎臓では、線維化、微小血管の希薄化、および炎症が観察された。エンドセリンA拮抗薬(デュアルエンドセリンA/B拮抗薬ではなく)の投与は、血圧を正常化し、大血管および微小血管の機能を改善し、AKIからCKDへの移行を阻止した。エンドセリンA阻害剤は、循環血中および腎臓の炎症性Ly6Chigh単球とB細胞を減少させ、腎臓への抗炎症性Ly6Clow単球の動員を促進することがわかった。血圧を下げるだけでは効果はなかったが、エンドセリン系の遮断と同時に血圧を下げることは、マウスのAKIの長期的後遺症を軽減する上で、エンドセリンA拮抗薬と同等の効果があった。AKI患者におけるエンドセリン系のアップレギュレーションを示唆し、エンドセリン系を遮断する既存の薬剤、特に血管支持作用と抗炎症作用を組み合わせた薬剤が、AKIから慢性腎臓病および心血管疾患への移行を予防できることをマウスで示している。


www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。




e.g. エンドセリン受容体拮抗薬

https://medley.life/medicines/article/56404df75595b37e107965fe/drugs/

2019年9月17日火曜日

マラソンでは水分と塩分を適切にとらないと急性腎不全になる危険がある・・・というが・・・

マラソンでは水分と塩分を適切にとらないと急性腎不全になる危険がある
https://gigazine.net/news/20190915-marathoners-fluid-salt/




The Role of Volume Regulation and Thermoregulation in AKI during Marathon Running
Sherry G. Mansour, et al.
CJASN September 2019, 14 (9) 1297-1305; 
DOI: https://doi.org/10.2215/CJN.01400219


背景と目的 マラソンランナーは、ネフロンの障害を示唆する尿沈渣・腎障害バイオマーカーを伴う一過性AKI発症する
デザイン・セッティング・被験者&測定 病因検討のため、volume(体液量)とthermo(体温)-調整反応をランナーのAKIの推定メカニズムとして、前向きコホート検討(2017 Hartfordマラソン大会 http://www.marathonguide.com/races/racedetails.cfm?MIDD=59191012 ;秋に開催されるようだ)で、バイタル、血中尿中サンプルを23名のランナーで、マラソン1日前、直後、1日後採取。各々copeptin測定、核体温、汗名取り得mう、水分量をレース中評価
プライマリアウトカムは、AKI(KINクライテリア https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/103/5/103_1061/_pdf

結果 ランナーは22−63歳;男性 43%
ランあーはのナトリウム総質量(中央値:レンジ) 2.34(0.50-7.21) g、同様 汗による水分喪失 2.47 (0.35-6.82) L

摂取考慮後でのレース後ネットのナトリウム、水分量バランスは負であった。

ランナーの大部分の核体温は ベースラインからレースまで 38.4(35.8-41)℃
55%はAKI発症、急性尿細管障害の尿中顕微鏡所見陽性 74%

ランニング経験多いほど、マラソンの参加歴多いほど、少ないヒトに比べCr増加あり

汗のナトリウム喪失は、AKIランナーで非AKIランナーに比べ多い (中央値 3.41 [中間4分位(IQR), 1.7–4.8] versus median, 1.4 [IQR, 0.97–2.8] g; P=0.06)

水分喪失でも同様  (中央値, 3.89 [IQR, 1.49–5.09] versus median, 1.66 [IQR, 0.72–2.84] L; P=0.03)

Copeptin は有意にAKIランナーに多い vs 非AKIランナー (中央値, 79.9[IQR, 25.2–104.4] versus median, 11.3 [IQR, 6.6–43.7]; P=0.02,).

推定体温は有意差なし





結論:全ランナーは、copeptin、体温増加し、汗によるナトリウム・水分喪失増加する
発汗によるナトリウムや水分喪失は、血中copeptin濃度と共にランナーのAKIと相関する




筋肉破壊によるCr増加や炎症性反応増加があると思うが、腎障害とだけ決めつけて良いのだろうか?
"intense exercise can increase creatinine by increasing muscle breakdown"

False Estimates of Elevated Creatinine
Perm J. 2012 Spring; 16(2): 51–52.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3383162/




マラソン後5日目に検診をしてAST増加あったオレは、マラソンによる肝障害ということになるが・・・

2015年12月16日水曜日

CKD/うっ血性心不全:中心静脈圧モニタリング補液で造影剤誘発性腎障害リスク軽減

うっ血性心不全およびCKD患者に於けるhemodynamic index–guided hydration methodによる造影剤による腎障害リスク軽減トライアル



CKD・うっ血性心不全でのCVPガイド補液治療は、安全で、造影剤誘発腎障害(CIN)のリスクを軽減する
(Central Venous Pressure Guided Hydration Prevention for Contrast-Induced Nephropathy; NCT02405377)


Prevention of Contrast-Induced Nephropathy by Central Venous Pressure–Guided Fluid Administration in Chronic Kidney Disease and Congestive Heart Failure Patients
Geng Qian, et. al.
J Am Coll Cardiol Intv. 2015;():. doi:10.1016/j.jcin.2015.09.026



前向きランダム化二重盲検比較臨床トライアル
CKD、うっ血性心不全の冠動脈施術予定連続患者264名

ランダム割り付け
  • CVPガイド補水群 (n = 132)
  • 標準補液群(n = 132)

CVPガイド群では時間毎CVP値にしたがい動的な水分点滴速度を動的補正
CIN定義:ベースライと比べ、sCr  0.5 mg/dLの絶対的増加 もしくは Crの25%超増加


結果:ベースライン特性2群マッチ性良好
CVPガイド補液群での等張生理食塩水総量は、対照群に比べ量増加 (1,827 ± 497 ml vs. 1,202 ± 247 ml; p < 0.001)

CVPガイドか補液群のほうが、対照群比較で、CIN 発生少ない(15.9% vs. 29.5%; p = 0.006)


補水群急性心不全頻度は2群間で差を認めない (3.8% vs. 3.0%; p = 0.500)








2014年3月12日水曜日

米国:貧血ケアの傾向:終末期腎障害への高齢者アプローチ

1995年から2010年の間に、終末期腎障害高齢者アプローチは、ESA(赤血球造血刺激因子製剤)使用頻度増加し、静注鉄補給も増加するが、輸血も増えている。


だが、ESAの使用ピークは過ぎている。


Trends in Anemia Care in Older Patients Approaching End-Stage Renal Disease in the United States (1995-2010)
Wolfgang C. et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 03, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.87

ESA(造血刺激薬剤)使用患者466,803名解析
全てのESA使用ESRD(終末期腎障害)発症比率は、1995年3.2%から2007年40.8%をピークに増加
その後、ESA使用は 2010年35.0%へ減少(1995年比較、 PR, 9.85 [95% CI, 9.04 - 10.74)]

ESA処方患者中、初回ESA仕様記録からESRDの期間中央値は1995年120日間から、2010年337日へ増加。

鉄剤注射使用は1995年1.2%から2010年12.3%へ増加 ; PR, 9.20 [95% CI, 7.97-10.61])

輸血比率は1995年20.6%から2010年40.3%と増加  ; PR, 1.88 [95% CI, 1.82-1.95])

平均ヘモグロビン濃度は、1995年9.5g/dL、2006年ピークで10.3g/dL、2010年9.9g/dL

腎性貧血ガイドライン(http://www.jsn.or.jp/ckd/pdf/CKD06.pdf)
1  腎性貧血の疾患概念   
 CKDでは比較的早期から,腎でのエリスロポエチン産生が低下し,腎性貧血を発症するため, 定期検査による早期発見が必要である 
2  腎性貧血治療の意義   
 腎性貧血の ESA(erythropoiesis stimulating agent 赤血球造血刺激因子製剤)による治療は, CKD に伴うさまざまな合併症予防・治療に有効であり,皮下注射にて早期に開始すべきであ る. 
3  腎性貧血治療の目標  
① 保存期慢性腎臓病の腎性貧血目標 Hb 値は,11 g/dL 以上とし,ESA の投与開始基準は複数回の検査で Hb値11 g/dL未満となった時点とする. 
② 貧血の過剰な改善は ESA 高用量投与による弊害など,生命予後の悪化をもたらす可能 性があるので,13 g/dL超をESA 減量・休薬基準とする.すでに心血管合併症を有する患者や, 医学的に必要と考えられる患者の上限は 12 g/dLにとどめる.
4  鉄剤の補給 
 保存期 CKD患者の鉄剤の補給は,原則経口投与とするが,不十分な場合には静注投与を行う.

2013年12月16日月曜日

ゾシンとバンコマイシン併用により5名に1人腎障害

バンコマイシン+PIPC/TAZ(日本:ゾシン)注射に関する腎障害報告


Impact of concomitant use of vancomycin and piperacillin/tazobactam on nephrotoxicity in adult inpatients in a community hospital
Balasubramanian R, et al
ASPH 2013; Poster #5-43

二次情報:Medpage
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ASHP/43442


検討症例226名の成人でsCr <1 br="" dl="" mg="">腎障害を sCr 0.5mg/dL以上の増加とする


・ VCMのみ 45名 平均 1.91mg (range  0.83 to 3.63)
・ PIPC/TAZ、従来点滴法 30分間治療 46名 平均投与量 平均 10.34 mg (range  5.74 to 14.1)
・ PIPC/TAZ 持続的点滴法 4時間治療 45名 平均投与量 9.75 mg (range 3.38 to 13.5)
・ VCM+PIPC/TAZ組み合わせ 従来点滴法 30分間治療 平均投与量 11.02 mg
・ VCM+PIPC/TAZ組み合わせ 持続的点滴法 4時間 平均投与量 10.75 mg


腎障害は、VCM単独治療群では生じないが、PIPC/TAZ 従来法、PIPC/TAZ 持続的点滴法では腎障害ポイント到達比率、 4.4%、2.2%

どの点滴法でも、PIPC/TAZ単独より、はるかに併用(VCM+PIPC/TAZ)は点滴手段に関連せず腎毒性高頻度(従来法:30分点滴方法 22.7%、 持続的投与法:4時間 19.6%)

2013年9月3日火曜日

横紋筋融解症における腎不全・予後予測スコア

肝心の予測式が・・・要約では不明


A Risk Prediction Score for Kidney Failure or Mortality in Rhabdomyolysis
Gearoid M. McMahon, et. al.
JAMA Intern Med. Published online September 02, 2013. doi:10.1001/jamainternmed.2013.9774

2つの大規模教育病院、入院3日内で、CPK値 5000 U/L超過した、血液透析あるいはcontinuous renal replacement therapy (RRT)施行された、重症急性腎障害による生命危機状態となった横紋筋融解症患者
2000年1月1日から2011年3月31日まで、2371名の後顧的解析
derivation cohortはMGHの1397名の患者、validation cohortはBringham and Women's hospitalからなる

横紋筋融解症の原因とアウトカムは、derivation cohortも validation cohortも同様。
全体では、組み合わせ(RRTもしくは死亡)アウトカム発生は19.0%(RRT必要 8%、死亡 14.1%)
組み合わせアウトカムで最も多い比率としては、コンパートメント症候群(41.2%)、敗血症(39.3%)、心停止後(58.5%)

比率の少ないのは、筋炎(1.7%)、運動(3.2%)、けいれん(6.0%)

複合アウトカムの予測要素としては、年齢、女性、横紋筋融解症原因、初期Cr値、CK、リン酸、カルシウム、重炭酸。

derivationコホート変数からのリスク要素スコア開発し、validation cohortに適応

予測モデルのC統計 は、derivation cohortでは 0.82 (95% CI, 0.80-0.85) 、 validation cohortでは 0.83 (0.80-0.86)

Hosmer-Lemeshow P 値は  .14 、 .28,

validation cohortでの、最小リスク(<5 p="">
最大リスクスコア(>10)では、61.2%


2013年3月21日木曜日

高potencyスタチン治療により4ヶ月間に急性腎障害入院発生率増加の可能性

スタチン服用と急性腎障害の関連性は、服用後1年以内で増加したとの報告があり、カナダからの報告(CNODES;or the CNODES investigators. CNODES: the Canadian Network for Observational Drug Effect Studies. Open Med2012;6:E134-40.でこの懸念浮かび上がっていた。 JUPITERでもその副作用の懸念があった。

 日本では、ロスバスタチン:クレストール 通常10mgまで、家族性20mgまで、アトルバスタチン:リピトール 通常10mg、重症40mgまで、 シンバスタチン:リポバス 通常5mg、重症20mgと添付文書上は記載がある。日本でも、以下の論文定義による高potencyスタチン治療として、クレストール10mg、 リピトール 20mg以上の場合が存在する。

高potencyスタチン治療により4ヶ月間に急性腎障害入院発生率増加の可能性
既存腎障害である、CKDの有無と無縁というのが予測可能性の上で、懸念として浮かび上がる。

Use of high potency statins and rates of admission for acute kidney injury: multicenter, retrospective observational analysis of administrative databases  
Colin R Dormuth, et. al.
Canadian Network for Observational Drug Effect Studies (CNODES)
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f880 (Published 19 March 2013)
目的 急性腎障害と高potencyスタチン vs 低potency スタチン間の相関性定量的評価
デザイン コホート研究・メタアナリシスベースの9つの住民ベース行政データベースの後顧的観察分析研究。ネステッド症例対照デザインによる各データベース被治療解析。スタチン現行・既往暴露の期間ばらつきに対する発生率を高potency、低potencyスタチンを、conditonalロジスティック回帰を用いた比較推定。発生比率は共役高次元propensityスコア項目で補正。
セッティング カナダ7地域、二つのUK・USデータベース
被験者 2 067 639 名(40歳以上、1997年1月1日から2008年4月30日までのスタチン新規使用。急性腎障害入院各人を10対照とマッチ化。
介入 前年にコレステロール低下薬剤されてない場合・ナイアシン処方の場合、薬剤調剤イベントを新規とする。高potencyスタチン治療は、ロスバスタチン10mg、アトルバスタチン20mg、シンバスタチン40mg以上をその定義とする; 他の全てのスタチン治療法を低potencyとする。スタチンpotencyグループを慢性腎不全有無のコホートに分割。
主要アウトカム測定 急性腎障害相対的入院比
結果 200万名超(非慢性腎臓病(CKD) 2,008,003名、慢性腎臓病 (CKD) 49636名)中、特性マッチ化させ、類似potensity score患者で比較。現行治療120日間内で、非CKD患者での急性腎障害入院イベント 4691、CKD患者での入院イベント 1896で、治療開始120日以内の高potencyスタチン服用者では、34%入院率高い  (fixed effect rate ratio 1.34, 95% 信頼区間l 1.25 〜 1.43)。CKD患者での高potencyスタチン服用者では、入院率増加は大きくない(1.10、0.99〜1.23)。  heterogeneity χ2 検定により患者site横断的に確認(注;CKD患者以外全て有意差無しで、全体的に解釈上影響なしのようだ)。
結論 高potencyスタチン使用は低potencyスタチン使用に比べ、入院を伴う急性腎障害発生率増加と相関する。スタチン使用120日で最も強い影響を受けるようだ。
 

2013年3月14日木曜日

ダビガトラン(プラザキサ)副作用のゴタゴタ・・・

承認申請時のデータというのは、本来、それを製造した会社が、新薬にとても都合の良い被験者群に基づきデータ作成をするわけだから、市販後、有効性・安全性に疑念が生じるのはむしろ当然。



プラザキサ:ダビガトランごたごたやってるなぁ・・・と、正直、あまり関心を示してなかった。製薬会社主張するほど、この薬剤の安全性評価は少なくとも確立されてないことは確かと思っている。故に、私アー、自ら新薬としてこの薬剤使用したことはない、他医療機関からの依頼による処方継続のみ・・・
チェックリスト:http://prazaxa.jp/tool/pdf/tool02.pdf

 以下の報告で、そのゴタゴタ少しわかった気がする・・・Weber現象によるマスコミなどを介した空騒ぎ的要素も含まれているようだ・・・



プラザキサは、2010年10月承認後、FDAのAdverse Event Reporting System (FAERS)にてこの薬剤使用と重大・致死的出血イベントに関わる多くの報告を受けた。ワーファリンに比べても異常なほど高率な発生頻度への懸念。しかしながら、ワーファリンと比較した非弁膜症性心房細動患者での、Randomized Evaluation of Long-Term Anticoagulation Therapy [RE-LY]対照化治験では、出血リスクは同等であった。

プラザキサに対するbenefit-risk profileへの疑念をもたらす、FAERSの巨大数の副事象イベントに議論が多くわき上がっている。
RE-Lyでもワーファリン対照に比べ低発生頻度だったが、プラザキサでも100人年あたり、死亡率 3.6 vs 4.1、重大出血 3.3 vs 3.6ということで、重篤副事象報告は当然多く存在するだろうことは予測されていた。市販後適正使用がなされてなかったことが危惧されたが腎機能障害例などの不適切使用はあったが、全体的に一般的なことではなかった。

疫学上の現象である、Weber effect(Weber JCP. Epidemiology of adverse reactions to nonsteroidal anti-inflammatory drugs. Adv Inflamm Res 1984;6:1-7)とは新薬登場時、急激に、副作用報告が増加し、その後急減する現象。単にそういう現象であるのか・・・。出血イベント報告増加が現実の出血事故を正確に表しているのか・・・FDAは、真に意味あるphharmacovigilance提供義務を持つ。 Sentinel Initiativeのパイロットプログラム、 FDA Mini-Sentinel databaseから保険クレームデータ、行政データを用い比較がなされ、ワーファリンに比べ、必ずしも頭蓋内・消化管出血率増加が認められてない。限界も有り、寄与要素や詳細なカルテデータレビュー不足が否めないが、RE-LYの結果と一致していると筆者等。


Dabigatran and Postmarketing Reports of Bleeding
Mary Ross Southworth, Pharm.D., Marsha E. Reichman, Ph.D., and Ellis F. Unger, M.D.
March 13, 2013DOI: 10.1056/NEJMp1302834

2013年1月10日木曜日

3剤併用降圧治療にNSAIDs加えると急性腎障害発症リスク増加、特に1ヶ月め

“治療抵抗性高血圧” が注目されている中、降圧剤3剤併用使用者はまれならずよく見られる

ACE阻害剤/ARB・降圧利尿剤を含む多剤治療において、NSAIDs併用すると、急性腎障害発症リスク増加するという注意すべき報告がなされた。


nested case-control analysisの症例対照後顧的検討

利尿剤、ACE阻害剤、ARBからなる2薬剤合剤・降圧剤に、NSAIDsを加えたとき、急性腎障害リスク増加の可能性示唆

Concurrent use of diuretics, angiotensin converting enzyme inhibitors, and angiotensin receptor blockers with non-steroidal anti-inflammatory drugs and risk of acute kidney injury: nested case-control study
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.e8525 (Published 8 January 2013)

UK Clinical Practice Research Datalink

48万4872名の降圧薬使用者のコホート

現行の2・3剤併用降圧剤+NSAIDs使用と、急性腎障害との関連性をrate ratioで比較

平均フォローアップ5.9年(SD 3.4年)、急性腎障害 2215(1万人年あたり 7)

全体では、利尿剤もしくはACE阻害剤もしくはARBを含む2剤併用現行使用では急性腎障害発症リスク増加と関連しない

一方、3剤併用は急性腎障害発症率増加と関連 (rate ratio 1.31, 95% 信頼区間 1.12 ~ 1.53)
二次解析すると、最大リスクは使用30日めに見られる(rate ratio 1.82, 1.35-2.46)


NSAIDSは、最低限、最小期間で・・・
NSAIDs適正使用;アメリカ心臓病協会科学的ステートメント COX2阻害剤心血管系副作用など H25/01/07


“治療抵抗性高血圧”と、降圧剤治療のベネフィットばかりフィーチャーするのでなく、やはりリスクも配慮すべき!

2012年11月7日水曜日

シナカルセット心血管疾患に効果認めず

 シナカルセト塩酸塩は日本でも2007年から維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症HPT(2HPT)を適応症として認可されているcalcimimeticsである。
 副甲状腺CaR(=カルシウム感知受容体)にPTH分泌を強力に抑制するため、PTH過剰分泌である副甲状腺機能亢進症治療薬として用いられている。(http://www.nmckk.jp/pdf.php?mode=puball&category=KMBD&vol=21&no=2&d1=3&d2=)


シナカルセトの二重盲検プラシーボ対照化トライアルにて、心血管疾患死亡・心停止・非致死的心筋梗塞・非致死的卒中・急な心不全入院・終末期腎不全・腎移植必要性・腎不全関連死・sCr倍加までの期間短縮効果があるかどうかの検討



結論から言えば、心血管系疾患抑制効果認めず




Effect of on Cardiovascular Disease in Patients Undergoing Dialysis
The EVOLVE Trial Investigators
November 3, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1205624
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1205624

中等度・重症2HPT 3883名(インタクトPTH 693 pg/mL[10-90th percentile 363-1694)

シナカルセト と プラシーボ割り付け
64ヶ月フォローアップ

プライマリ組み合わせエンドポイントは、死亡・心筋梗塞・不安定狭心症/心不全/末梢血管イベント入院までの期間

シナカルセト群の暴露期間中央値 21.2ヶ月、プラシーボ群 17.5ヶ月

プライマリ組み合わせエンドポイントは、 シナカルセト群 938/1948(48.2%)、 プラシーボ群 952/1935(49.2%)
(相対ハザード比 0.93;95%信頼区間 0.85-1.02 p=0.11)

シナカルセト群では、低カルシウム・胃腸障害副作用がより多かった
 

2012年11月5日月曜日

欧米研究:クレメジンCKD進行抑制効果無し

CKD進行抑制目的の 活性炭製剤 AST-120 “クレメジン” の 効果を確認するプラシーボ比較


アメリカ・ヨーロッパ 237カ所、2035名のEvaluating Prevention of Progression in CKD (EPPIC)シリーズ研究に一環で、同様な2つの研究のpool化解析

標準治療としての、ACE阻害剤/ARBを加えたもの


エンドポイントとして、透析・腎移植・sCr倍化時間を比較として、36% vs 35%


結論から言えばその効果は認めなかったとのこと

全経過をフォローしてないなどの問題も指摘、クレメジンは球形活性炭吸収剤で、1991年日本では、CKD患者の透析までの期間延長効果、尿毒症改善目的で承認されている。
インドールを含み、これがインドキシル硫酸となり、腎臓へ取り込まれ、線維化を引き起こす可能性がある。



Gerald Schulman (Vanderbilt University in Nashville)らが。Kidney Weekのlate-breaking poster sessionで報告
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ASN/35737


Schulman G, et al "EPPIC (evaluating prevention of progression in CKD -- results from two phase III, randomized, placebo-controlled, double-blind trials of AST-120 in adults with CKD" ASN 2012



日本での、臨床上影響の大きい報告


インドキシル硫酸は、スポンサーサイドだと薬理作用の方のみ記している

ウレミックトキシン「インドキシル硫酸」の生成とクレメジンの作用点
http://medical.mt-pharma.co.jp/intro/krm/action.shtml

2012年4月18日水曜日

老人:新規フィブラートでクレアチニン増加

老人では、新規フィブラート使用はクレアチニン増加リスクもたらす。
ただ、死亡率・重症腎障害によるリスクの差は無い。


New Fibrate Use and Acute Renal Outcomes in Elderly Adults
A Population-Based Study
April 17, 2012
Ann Int Med. vol. 156 no. 8 560-569

エゼチミベ(ゼチーア)(n=61832)と比べ、フィブラート(n=19072)はクレアチニン値増加による入院増加 (補正オッズ比, 2.4 [95% CI, 1.7 to 3.3]) 、腎臓専門医コンサルト増加(絶対的リスク比, 0.15% [CI, 0.01% to 0.29%]; 補正オッズ比, 1.3 [CI, 1.0 to 1.6])

全原因死亡率、重症腎障害によるリスクに差は認めない。

1110名のsubpopulation(フィブラート n=220; エゼチミベ n=890)において、フィブラート 9.1%、 エゼチミベ 0.3%で、50%以上の血中クレアチニン増加(絶対的差, 8.8% [CI, 4.5% to 13.1%]; オッズ比, 29.6 [CI, 8.7 to 100.5])

リスクはCKDフィブラートで特に大きい。

2012年2月23日木曜日

イグザレルト錠: 実施料健保適応外のはずの24時間Ccr必須薬剤

クレアチニン-クリアランスを原則とする薬剤が存在する。




”クレアチニン・クリアランスが健保適用から外されている”現実を考えれば、非常に矛盾した文言
シスタチンCは2006年4月の改定では変更なく、実施料130点です。
クレアチニンクリアランスは2006年4月の改定で実施料は削除されました。
http://intmed.exblog.jp/3413123


これの費用は健保上、医療機関に、弁済されないのである。

“コッククロフト式による推定”で代用可能ということは、製薬メーカー側は、明言を避けている。
医師各位は、製薬会社担当者に、“口頭ではなく文書としての明言”を請求してみるべき。


もともと、クレアチニン測定法上の問題がある。"Jaffe反応法は酵素法に比し系統誤差として血清で. / 高値になる”“日本臨床化学会はHPLCによるもの”
http://www.jsn.or.jp/jsn_new/iryou/kaiin/free/primers/pdf/43_1.pdf


クレアチニンに関し測定法の統一がなされていないわりには、CKDに関する"eGFR"、カルボプラチンなどのときの用いられるAUC推定に用いられるコッククロフト式、日本人独自の推定式など存在する。



そんな中、実施料健保適応外のはずのクレアチニン・クリアランス必須薬剤登場!

選択的直接作用型Xa因子阻害剤:イグザレルト錠 10mg・15mg


発売予定だそうだが、これも、クレアチニン-クリアランスの既定がある。


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「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...