2015年6月22日月曜日
パーキンソン病と各種癌リスク
Association Between Parkinson Disease and Risk of Cancer in Taiwan
Pei-Ying Lin, et. al.
JAMA Oncol. Published online June 18, 2015.
Taiwan National Health Insurance Research Databaseからの報告
パーキンソン病 6万2千23名において、その後発症がんのHRは、1.58 (95% CI, 1.50-1.65)
癌19種類において、パーキンソン病は乳がん、子宮癌、甲状腺癌と関連せず
残り、16種の癌で、ハザード比増加
・ 悪性脳腫瘍 (HR, 3.42; 95% CI, 1.84-6.38)
・ GI管癌 (esophageal [HR, 1.81; 95% CI, 1.28-2.57]
・ 胃 [HR, 1.59; 95% CI, 1.30-1.94]
・ 直腸結腸癌 [HR, 1.47; 95% CI, 1.31-1.65]
・ 肝癌 [HR, 1.89; 95% CI, 1.67-2.14]
・ 胆嚢癌 [HR, 1.73; 95% CI, 1.16-2.57],
・ 膵がん [HR, 1.48; 95% CI, 1.09-2.02]) (P < .05 for all comparisons)
・ 肺癌 (HR, 1.56; 95% CI, 1.38-1.76)
特定のホルモン関連癌
・ 子宮体部癌 [HR, 1.83; 95% CI, 1.12-3.01]
・ 子宮頸部癌 [HR, 1.36; 95% CI, 1.05-1.76]
・ 前立腺癌 [HR, 1.80; 95% CI, 1.52-2.13; P < .05 for all comparisons)
尿路系腫瘍
・ 腎癌・膀胱癌 ( HRs, 1.59 and 1.99, respectively; P < .001 for both comparisons)
・ リンパ腫 and/or 白血病 (HR, 1.62; 95% CI, 1.31-2.01)
・ メラノーマ (HR, 2.75; 95% CI, 1.35-5.59)
・ 他の皮膚癌(HR, 1.81; 95% CI, 1.46-2.23)
肝細胞癌のうち50−59歳群最多HR (HR, 2.57; 95% CI, 1.7-3.89)
パーキンソン病と関連のある、LRRK2 G2019S mutation は、欧州民族では1%から7%だが、アラブ系、ユダヤ系では40%、20%と高率。
他、東アジアに多いEGFR活性化遺伝子異常との関連性など考察されている。
疑似断食:diet that mimics fasting (FMD)にて若返り、健康寿命促進?
解説記事:https://news.usc.edu/82959/diet-that-mimics-fasting-appears-to-slow-aging/
腹回りをスマートに、より知的に、そして長生きをするには・・・USCの研究者主導
飢餓状態類似の食事を周期的に行うことで、広汎な健康ベネフィットがえられるという。
新しい実験として4日間低カロリーで、飢餓類似状態にすることをマウスで行い、ヒトでは月1回5日間の絶食3回サイクル
榎木さんみたいなストイックな飢餓療法は多くの人間には困難。で、研究者等は極力許容性のある、疑似飢餓食をおこなった。正常者の34から54%。
A Periodic Diet that Mimics Fasting Promotes Multi-System Regeneration, Enhanced Cognitive Performance, and Healthspan
Sebastian Brandhorst, et. al.
Cell Metabolism
Publication stage: In Press Corrected Proof
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.cmet.2015.05.012
空腹時間が長いこと、すなわち、Prolonged fasting (PF) は、ストレス抵抗性増加させるが、生命予後への影響は不明であった。
真菌レベルにおいて、PFの変化と栄養豊富な培養との比較で、真菌の寿命促進性遺伝子と無縁にその寿命を延長する。
マウスレベルにおいて、FMD(疑似飢餓)食事4日にて、PF範囲を最小化することで、他臓器/系統のサイズを減少させ、餌再投与ごの影響として前駆細胞・幹細胞数を増加させ、再生を活発化する影響をもたらす。中年マウスにおいては、2ヶ月毎、FMDサイクルで、寿命延長、体脂肪減少、癌発生頻度減少、皮膚病変減少、免疫系の再若返り、骨密度濃度回復。老令マウスでは、FMDサイクルにより、海馬神経再生、IGF-1値・PKA活性低下。NeuroD1増加、認知機能改善
ヒトのパイロット臨床トライアルでは、3回のFMDサイクルで、加齢、糖尿病、心血管疾患、癌のリスク要素/バイオマーカー減少させ、重大な副作用認めず、これは健康寿命促進に寄与することを示唆
従来、我々が正常な食事パターンと思っている1日3回の食事(+軽食)というのは、長いヒトの歴史からは異常な状況である。
飢餓状態で生じるニューロン生合成時のケトン生成へのシフト
空腹後10-12時間内に肝臓のグリコゲン蓄積が不足し、その後脂肪酸利用へ流れる。Acetyl-CoA合成。3-hydroxy-3-methylgluaryl-CoAへ変換し、βーOHBと、ケトン酸となる。これらがニューロンで利用される
ヒトの機能保持のためには、周期的な飢餓状態の方が望ましいのかもしれないというのは、むしろ自然な発想なのかもしれない。
腹回りをスマートに、より知的に、そして長生きをするには・・・USCの研究者主導
飢餓状態類似の食事を周期的に行うことで、広汎な健康ベネフィットがえられるという。
新しい実験として4日間低カロリーで、飢餓類似状態にすることをマウスで行い、ヒトでは月1回5日間の絶食3回サイクル
榎木さんみたいなストイックな飢餓療法は多くの人間には困難。で、研究者等は極力許容性のある、疑似飢餓食をおこなった。正常者の34から54%。
A Periodic Diet that Mimics Fasting Promotes Multi-System Regeneration, Enhanced Cognitive Performance, and Healthspan
Sebastian Brandhorst, et. al.
Cell Metabolism
Publication stage: In Press Corrected Proof
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.cmet.2015.05.012
空腹時間が長いこと、すなわち、Prolonged fasting (PF) は、ストレス抵抗性増加させるが、生命予後への影響は不明であった。
真菌レベルにおいて、PFの変化と栄養豊富な培養との比較で、真菌の寿命促進性遺伝子と無縁にその寿命を延長する。
マウスレベルにおいて、FMD(疑似飢餓)食事4日にて、PF範囲を最小化することで、他臓器/系統のサイズを減少させ、餌再投与ごの影響として前駆細胞・幹細胞数を増加させ、再生を活発化する影響をもたらす。中年マウスにおいては、2ヶ月毎、FMDサイクルで、寿命延長、体脂肪減少、癌発生頻度減少、皮膚病変減少、免疫系の再若返り、骨密度濃度回復。老令マウスでは、FMDサイクルにより、海馬神経再生、IGF-1値・PKA活性低下。NeuroD1増加、認知機能改善
ヒトのパイロット臨床トライアルでは、3回のFMDサイクルで、加齢、糖尿病、心血管疾患、癌のリスク要素/バイオマーカー減少させ、重大な副作用認めず、これは健康寿命促進に寄与することを示唆
従来、我々が正常な食事パターンと思っている1日3回の食事(+軽食)というのは、長いヒトの歴史からは異常な状況である。
飢餓状態で生じるニューロン生合成時のケトン生成へのシフト
空腹後10-12時間内に肝臓のグリコゲン蓄積が不足し、その後脂肪酸利用へ流れる。Acetyl-CoA合成。3-hydroxy-3-methylgluaryl-CoAへ変換し、βーOHBと、ケトン酸となる。これらがニューロンで利用される
ヒトの機能保持のためには、周期的な飢餓状態の方が望ましいのかもしれないというのは、むしろ自然な発想なのかもしれない。
軽症COPD:呼吸困難・運動耐用障害はガス交換異常に起因する スパイロメトリーだけでは説明できない呼吸困難
心肺運動負荷試験による換気量・二酸化炭素排出量スロープ:Carbon Dioxide output Slope :dotVE/dotVCO2 測定値が高値になるCOPD軽症例の報告がなされている。
軽症COPD患者での、ガス交換障害と、換気量・二酸化炭素排出量スロープの検証
スパイロメトリー上軽症COPDにおいて、Vd/Vtがガス交換障害と最も相関する指標で、運動中分時換気量を増加することで補償的に肺胞換気や動脈血ガス・ホメオスタシスを維持しようとするが、より早期に動的メカニカルな換気障害が生じ、呼吸困難を生じ、運動耐用障害を生じる。
軽症COPD:呼吸困難・運動耐用障害はガス交換異常に起因する スパイロメトリーだけでは説明できない呼吸困難の要素と考えられる
Pulmonary Gas Exchange Abnormalities in Mild Chronic Obstructive Pulmonary Disease. Implications for Dyspnea and Exercise Intolerance
Amany F. Elbehairy et. al.; on behalf of the Canadian Respiratory Research Network
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine; Volume 191, Issue 12 P
軽症COPD患者での、ガス交換障害と、換気量・二酸化炭素排出量スロープの検証
スパイロメトリー上軽症COPDにおいて、Vd/Vtがガス交換障害と最も相関する指標で、運動中分時換気量を増加することで補償的に肺胞換気や動脈血ガス・ホメオスタシスを維持しようとするが、より早期に動的メカニカルな換気障害が生じ、呼吸困難を生じ、運動耐用障害を生じる。
COPDのStage分類がFEV1予測比だけでなされていることも問題だし、軽症COPDに対して、LAMA単独でいいのかってのも問題
Vd/Vt、 dotVe / dotVCO2ってあたりがその要素と運動負荷試験で判明
言い換えれば、負荷増加に伴いCO2過剰排出が始まる、
それは、ガス交換がうまくいかなくなる時点であり、それが早期に出現する事態が、軽症COPDの労作性呼吸困難の要素である。
軽症COPD:呼吸困難・運動耐用障害はガス交換異常に起因する スパイロメトリーだけでは説明できない呼吸困難の要素と考えられる
Pulmonary Gas Exchange Abnormalities in Mild Chronic Obstructive Pulmonary Disease. Implications for Dyspnea and Exercise Intolerance
Amany F. Elbehairy et. al.; on behalf of the Canadian Respiratory Research Network
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine; Volume 191, Issue 12 P
22名の被験者、GOLD Grade 1B COPD vs 健康被験者対照
拡張剤後FEV1予測比 平均 94 ± SD 10%)
ピーク酸素摂取量 80 ± 18 vs. 対照群 113 ± 24% predicted; (P < 0.05)
運動負荷中、動脈血ガスは正常範囲内で、有効肺胞換気量も正常対照と有意差無し
COPD患者では、A-aDO2圧格差は安静時、運動中COPDでやや増加 (P < 0.05)
dot V/ dot CO2、 Vd/Vt、動脈血 - end-tidalCO2格差はCOPD群で運動中増加 (P < 0.05)
COPD患者では、対照に比較して、動的過膨脹及び一回換気量制限増加 (P < 0.05)
標準化呼吸困難強度レーティングは、COPD患者で高く(P < 0.05)、換気要求増大と相関。
対象者全体で、Submaximal運動間において、Vd/Vtは、 V.e/V.co2 比と相関する
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