2017年10月24日火曜日

死ぬ前の数年、特に2年間に コレステロールは急激に減少する

reverse causation(因果関係が逆)を、(わざと?)誤用して その人のプロパガンダを流布する医師たちがいる。いろんな利益性を伴うのだろうが・・・
 

‘reverse epidemiology’ (Kalantar-Zadeh et al.):80歳以上など超高齢者にみられる、体LDL、低コレステロールにおける死亡率増加の現象;栄養状態や炎症性プロセスの存在で説明されている。



生命予後に関わる前の数年において、コレステロール値は急激に減少することをコホートで示している。

Trajectory of Total Cholesterol in the Last Years of Life Over Age 80 Years: Cohort Study of 99,758 Participants
Judith Charlton, et al.
Journals of Gerontology: Medical Sciences cite as: J Gerontol A Biol Sci Med Sci, 2017, Vol. 00, No. 00, 1–7
doi:10.1093/gerona/glx184 Advance Access publication September 27, 2017
https://academic.oup.com/biomedgerontology/article-abstract/doi/10.1093/gerona/glx184/4259390/Trajectory-of-Total-Cholesterol-in-the-Last-Years?redirectedFrom=fulltext

序文:疫学研究では総コレステロール(TC)低下ほど死亡率増加が示唆されている。この研究は死亡前のTC減少が80歳以上での死亡率とTCの相関性の説明になるという仮説を検証

方法:コホート:99,758名、80-105歳(UK Clinical Practice Research Datalinkの電子カルテデータ)。全死亡率補正(年齢、性別、frailty、併存症、血圧、喫煙補正)。Fractional polynomial modelを長軸傾向評価に用いてTC死亡前値or研究終了時値比較。補正オッズ比はgeneralized estimating equation評価。

結果:女性 63,630、男性 36,128名、年齢平均 86歳、 うち 29,200死亡
スタチン治療 41,164
TC値 4.5-5.4 mmol/Lと比較して、 3.0 mmol/L未満は死亡率増加と相関  (スタチン治療によるハザード比 1.53, 95% 信頼区間1.43–1.64, p < .001; 非治療, 1.41, 1.29–1.54, p  < 0.001)
TC値のsecularな(長期に亘る)減少は、死亡前2年間において加速する。
フォローアップ最終1/4期において、死亡者TC 3.0 mmol/L未満補正オッズ比(生存被検者比較)非治療群で 3.33 (2.84–3.91, p < 0.001)、スタチン治療群で1.88 (1.68–2.11, p < 0.001)

結論:総コレステロール値は死亡前数年間において減少する。非ランダム化研究であり結論づけは慎重にする必要があり、TC低下の相関性がreverse causation(因果関係が逆)の可能性がある。





このコホートのコレステロール trajectoryの解釈をどうするか?
インテリジェンスが問われる

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