2012年8月24日金曜日

CIRT研究:メトトレキセートの心血管疾患二次予防研究

メソトレキセート(一般名 メトトレキサート)を 心筋梗塞後患者に対し二次予防投与

Cardiovascular Inflammation Reduction Trial (CIRT)
http://www.thecirt.org/

米国心臓、肺、血液研究所:National Heart, Lung, and Blood Institute (NHLBI) スポンサー研究

登録クライテリアとして、直近5年心筋梗塞歴+現行2型糖尿病もしくはメタボリックシンドローム(脂質高値、高血圧、高血糖、体重増加)

プライマリエンドポイントは、心筋梗塞、卒中、心血管死
セカンダリエンドポイントは、全原因死亡率、心不全入院、VTE、心房細動、経皮的・手術的血管再建、糖尿病ベースラインに無い場合は糖尿病発症

プラシーボ対照化CIRT研究では、MTXを週毎20mg経口投与(関節リウマチ・乾癬に対する通常量)を3-4年行い、平均2.5年間フォローアップ予定

7000名登録をめざすそうだ
http://www.medpagetoday.com/Cardiology/Prevention/34349



PSA検診:肯定的結果 ・・・ 黒人男性に限定的? 解釈も様々・・・

転移性前立腺癌の包括生存率はPSA検診導入後有意に改善し、黒人男性が特に恩恵を被っているという後顧的研究結果。

黒人男性に対し、extensive stateへの進展抑制効果が現れているのではないかと推定。
PSA検査をすることで、医療受診啓発になり、そのための間接的効果ではないかという指摘も・・・。





後顧的研究なのでいかようにも解釈される・・・
http://www.medpagetoday.com/HematologyOncology/ProstateCancer/34343


Improved Overall Survival Trends of Men with Newly Diagnosed M1 Prostate Cancer: A SWOG Phase III Trial Experience (S8494, S8894 and S9346)
J Urol 2012; DOI:10.1016/j.juro.2012.06.046.

3096名hormone naive、転移性前立腺癌・抗アンドロジェン療法(Androgen deprivation therapy (ADT))男性の3連続pIIIトライアル、2つのPSA戦略前トライアル(S8494 and S8894)と、1つのPSA戦略トライアル (S9346)を含む検討


これらの後顧的解析で、リスク要素補正後、

リスク補正後、PSA戦略 22%の死亡リスク低下(S9346 vs  S8894 (HR 0.78, 95% CI 0.70, 0.87, p <0 .001=".001" br="br">
全般生存率改善は黒人男性でより大きい  (test of interaction p = 0.008)


非PSA戦略(S8494 and S8894 )黒人男性生存率中央値は27ヶ月、非黒人では34、35ヶ月

包括生存率の人種的差はPSA戦略群(S9346)では認めず、黒人・白人で48ヶ月、49ヶ月


結論としては、PSA戦略では有意に包括生存率改善。ただ、これだけでPSAモニタリングのみのおかげと結論づけはできない。黒人男性は白人より生存率改善効果認めた。

Cochraneレビューの利益相反 ・・・ ひどいもんだ

 Cochrane Collaboration の認識が広がるにつれ、政策的にも影響を及ぼすようになった。Cochraneレビューに対し、利益相反の透明性がさらに要求されつつある。

実態は、かなり、それとは解離しているようだ。


Reporting of conflicts of interest from drug trials in Cochrane reviews: cross sectional study
BMJ 2012; 345 doi: 10.1136/bmj.e5155 (Published 21 August 2012)
Cite this as: BMJ 2012;345:e5155


151名のCochraneレビューのうち、46(30%、 95%信頼区間 24-38%)でトライアルのfundingソース情報記載
すべてのトライアルでトライアルfundingの情報報告してあるのは、30(20%、14%-27%)、全部にあらず部分的特定報告は16(11%、7%-17%)。

トライアル著者・企業経済的つながり及びトライアル著者・企業雇用関係についての情報のあるのは、16/151(11%、7%-17%)


トライアルfundingやトライアル著者・企業関係の情報は、 各レビュー内の1-7カ所に報告され、報告内の部位は一定してない。




日本の医療施策なんて、こういうレビューさえまともに反映されないのだが・・・
いんちきメタボやいんちき検診がまだ保健・医療中心という吹飯ものの政策が続く・・・



Sample size calculations: should the emperor’s clothes be off the peg or made to measure?
BMJ 2012; 345 doi: 10.1136/bmj.e5278 (Published 23 August 2012)
Cite this as: BMJ 2012;345:e5278


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