2013年6月14日金曜日

BMJフィーチャー記事:インクレチン関連薬剤の安全性懸念

素人ながら、インクレチン関連薬剤は、登場してから歴史が浅いのに、あまりに普及しすぎているという懸念をもつ。
 以下の報告をみると、この薬剤に関してやはり安全性は確立されてないのだと改めて確認する。

他方、メトホルミンなどは登場から歴史が有り副作用に対し一定の対応ができるというのに、日本の糖尿病ガイドラインなどは積極的に導入しようとさせない。日本では、関連学会に自浄・猛省を求めたい。




BMJの注目記事は、インクレチン類安全性に関する懸念について
Diabetes Drugs
Has pancreatic damage from glucagon suppressing diabetes drugs been underplayed?
BMJ 2013; 346  doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f3680 (Published 10 June 2013)

 以下はその内容

インクレチン類は糖尿病治療の新たなる寵児として持てはやらされ、実際、2型糖尿病治療に関してその戦略変更も・・・だが、膵がん発症可能性や寄与可能性に関するレビュー着手後の3月のFDA、欧州薬剤委員会後主な流れがその嫌煙に関してメインストリームとなってきた。だが、どこも明確な結論づけに達して折らず、今月も議論予定となってるとのこと


2月の報告:exenatide(バイエッタ)とsitagliptin(グラクティブ、ジャヌビア)服用者は、急性膵炎入院リスク2倍で、絶対的リスク 0.6%
・ Singh S, Chang H-Y, Richards TM, Weiner JP, Clark JM, Segal JB. Glucagon-like peptide 1-based therapies and risk of hospitalization for acute pancreatitis in type 2 diabetes mellitus. JAMA Intern Med2013;17:534-9.

4月:米国FDAの副作用イベント報告システムで、インクレチン類服用者が他の糖尿病薬剤使用者と比べ、膵炎と膵がんの増加報告
Institute for Safe Medication Practices. Perspectives on GLP-1 agents for diabetes. 2013. www.ismp.org/QuarterWatch/pdfs/2012Q3.pdf.

こういったことで、FDAとEMAは、膵がん増加の可能性を自己報告したわけである。
しかし、原因関連は不明なまま。

DPP-4阻害剤であるsitaglitinの、ヒトと同様の食事誘発糖尿病ラットβ細胞へ投与実験で、Aleksey Matveyenkoは、sitagliptin、メトホルミン、両薬剤を投与し、sitagliptin投与ラットでの膵異常病変至適した。16匹中3匹で"acinar to ductal metaplasia"を認め膵がんの前駆病変とも考えられた。

Matveyenko AV, Dry S, Cox HI, Moshtaghian A, Gurlo T, Galasso R, et al. Beneficial endocrine but adverse exocrine effects of sitagliptin in the HIP rat model of type 2 diabetes, interactions with metformin. Diabetes2009;58:1604-15.
MatveyenkoとButlerは、 猿での病理再実験をオファーするもメルク側に受け入れられず・・・


・行政の反応
・製薬会社は何処まで知っていた
・GLP-1の影響
・法制
・猿でのLiraglutide
・ヒト膵臓
・副作用報告


CDC Prevention Epicenters Program: カテーテル抜去後抗生剤投与ベネフィット、薬剤耐性懸念は残る

絶対的減少(ARR)・NNTは5.8%、17ってことなので、絶対的評価としては微妙
だが、相対的減少率は半減程度の可能性とのことで、患者ベネフィットを認める

薬剤耐性の問題まで考えれば・・・ますます悩ましい

 2012年11月までのシステマティックレビューとメタアナリシス
 7つの対照化トライアルは、カテーテル抜去後有症状尿路感染をエンドポイントとして、6つはランダム化対照化トライアル(出版5つ、要約のみ1つ)、1つの非ランダム化対照化介入研究。7つの研究中5つは手術症例。
 研究は、抗菌予防のタイプ・期間及び観察期間についてheterogeneityあり

全体的に診れば、抗生剤予防は患者ベネフィットと相関し、介入群・対照群のリスク絶対減少差は5.8%、相対リスクは、0.45( 95% 信頼区間 0.28 - 0.72)
尿路感染に関するNNTは17(12-30)


Antibiotic prophylaxis for urinary tract infections after removal of urinary catheter: meta-analysis
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f3147 (Published 11 June 2013)
the CDC Prevention Epicenters Program

noteへ実験的移行

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