NOAC全般に言えることだが、ダビガトラン(プラザキサカプセルなど)はほんとにワーファリンに比較して安全で有効なのだろうか?
Outcomes of Dabigatran and Warfarin for Atrial Fibrillation in Contemporary Practice: A Retrospective Cohort Study
Alan S. Go, et al.
Ann. Int. Med. Original Research |14 November 2017
http://annals.org/aim/article-abstract/2662108/outcomes-dabigatran-warfarin-atrial-fibrillation-contemporary-practice-retrospective-cohort-study?doi=10.7326%2fM16-1157
ダビガトラン服用者(25,289)はワーファリン開始者(25,289)propensity score-match化比較にて、虚血性卒中発生率で明確な差を認めない (0.80 vs. 0.94 イベント/100人年; ハザード比 [HR], 0.92 [95% CI, 0.65 to 1.28]) 、同様に、頭蓋外出血 (2.12 vs. 2.63 イベント/100人年; HR, 0.89 [CI, 0.72 to 1.09])でも差を認めない。
しかし、頭蓋内出血の尤度低下 (0.39 vs. 0.77 イベント/100人年; HR, 0.51 [CI, 0.33 to 0.79]) あり、心筋梗塞発生率増 (0.77 vs. 0.43 イベント/100人年; HR, 1.88 [CI, 1.22 to 2.90])
感度分析、exposure definitionで、ダビガトラン服用と心筋梗塞の高強度・有意な関連性判明(HR range, 1.13 [CI, 0.78 to 1.64] to 1.43 [CI, 0.99 to 2.08])
さらに、ダビガトラン服用と胃腸出血率増大が、高齢者・腎疾患患者でみられた。
MR出入り制限している医局は北朝鮮を笑える?
医師全てに情報リテラシー、批判的吟味スキルがあれば、誤った情報に左右される確率は減る。むしろ、情報制限にてupdateされない環境下におこうとしている医療管理体制を疑問に思うと・・・ある病院群に対する個人的感想。
また、ある病院の循環器科は当方がINRコントロールしている高齢患者に対する処方をむりやりプラザキサへ変更。上記論文など存在しない数年前だが・・・。この変更に合理性はあったのだろうか?
・・・など、個人的に感慨深い後顧的コホート研究報告
そもそも、Ann. Int. Med.記事だからそれなりに影響を与えるだろうとは思う。
2017年11月21日火曜日
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