2012年11月21日水曜日

糖尿病検診の意義薄い ・・・ 某国は検診むちゃくちゃやってるが・・・

日本の検診システムってのは、地域住民検診・職域検診から“人間ドック”まで非科学性の集大成

臨床的アウトカム改善が証明された検診サービスなど存在せず、提供側がやりたいことやおもいつきをやり、臨床的アウトカムの実証存在しない。

もともと根拠無きメタボ健診は、今、地域によっては、糖尿病検診、CKD検診に化けている。

CKDそのものが否定的な流れなのに・・・
USPSTF勧告:CKD検診ベネフィット・リスク結論づけできず 2012/08/28

慢性腎臓病(CKD) 検診・治 療は エビデンスに乏しい メタボ+CKD検診なんて詐欺に詐欺を重ねてるようなモノ  2012年4月19日



糖尿病検診に関して・・・ハードなアウトカムを指標にすればその意義は薄い


「UKの大規模サンプルでは、リスク増加状態にある2型糖尿病検診は必ずしも全原因死亡率、心血管疾患、糖尿病死亡率減少と相関しない。検診のベネフィットは小さく、限定されるべきである。」

Screening for type 2 diabetes and population mortality over 10 years (ADDITION-Cambridge): a cluster-randomised controlled trial
Rebecca K Simmons et. al.
The Lancet, Volume 380, Issue 9855, Pages 1741 - 1748, 17 November 2012


東イングランドでなされたプラグマティック平行群、クラスターランダム化トライアル

強化的多区分治療
・糖尿病診断(n=15)
・検診+国内ガイドラインに従ったルーチン糖尿病ケア(n=13)
・非検診対照群 (n=5)

40-69歳(平均58歳)の20184名、次善評価リスクスコアによる未糖尿病診断高リスク状態対象者

検診は、段階的プログラム
ランダム毛細血管血糖、HbA1c、空腹時毛細血管血糖、確定のためのOGTT

プライマリアウトカムは、全原因死亡率

検診実施は、16047名の高リスク対象者
強化検診プログラムへ参加呼びかけ 15089(94%)、受診 11 737 (73%)、糖尿病診断 466 (3%)
対照 4137

フォローアップ184057人年中(期間中央値 9.6年[IQR 8.9—9.9])

検診群 1532名

対照群 377名

(mortality hazard ratio [HR] 1.06, 95% CI 0.90—1.25)

心血管疾患 (HR 1.02, 95% CI 0.75—1.38)、 がん (1.08, 0.90—1.30)、糖尿病関連死亡率(1.26, 0.75—2.10)

高齢者:降圧剤治療後45日間は股関節骨折リスク4割増加

睡眠薬と違い、特定の薬剤ということではないようだ 

アステラスとベーリンガーの違いは無いってのは冗談だが・・・




降圧剤開始高血圧老人は、開始後45日間で、股関節骨折リスク43%増加する
(頻度相対リスク 1.43;95%信頼区間 1.19-1.72)

The Risk of Hip Fracture After Initiating Antihypertensive Drugs in the Elderl
Debra A. Butt, et. al.
Arch Intern Med. 2012;():1-6. doi:10.1001/2013.jamainternmed.469.

降圧治療開始後、起立性低血圧生じ安くなり、めまい、ふらつき、失神さえ生じる。その結果、転倒・骨折リスク増加することが考えられる。

平均年齢81歳(女性 81%)、股関節骨折既往 6%
10年間調査、1463名の大腿骨近位骨折

一般的に、すべての降圧剤種類で、IRR 1.33-1.58
ACE阻害剤 1.53 95%CI 1.12-2.10
β遮断剤 1.58 95%CI 1.01-2.48

ACE阻害剤(カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、ラミプリル)は、初期投与低血圧が記載され、静脈拡張に伴う静脈プーリングが著明となり、心拍出量低下、過度の低血圧を生じるものと思われる。

β遮断剤はアゴニスト・アンタゴニストともβ受容体数減少のため、高齢者にはもともと有効性乏しい。しかしながら、副作用は生じ安い。

日本で頻用されているARB、CCBに関しては検討が乏しい。



医家としては、高齢者の降圧剤治療開始時、転倒リスクに言及しておくことが必要

マイスリーは、転倒の独立した危険因子 ・・・ 即刻対処必要

後顧的コホートだが、マイスリー使用は転倒の独立した増悪要素であるという報告で、臨床上重大な報告。

Zolpidem is independently associated with increased risk of inpatient falls†
Bhanu Prakash Kolla et. al.
Journal of Hospital Medicine Early View (Online Version of Record published before inclusion in an issue)

ゾルピデムの処方発行され、薬剤受領した患者の転倒発生率
処方発行されたが受領してない患者に比べ、有意に高率
(n = 4962 vs n = 11,358) (3.04% vs 0.71%; P < 0.001)


ゾルピデム使用は年齢・性別・不眠・せん妄・ゾルピデム投与量・Charlson comorbidity index、Hendrich's fall risk score、視覚異常、歩行異常、認知症/認知障害補正後も、転倒リスクと相関存在  (補正オッズ比 [OR] 4.37, 95% 信頼区間 [CI] = 3.34–5.76; P < 0.001)

さらに、転倒経験ありのゾルピデム服用患者は、年齢・オピオイド・抗うつ・鎮静抗うつ薬、向精神薬、ベンゾジアゼピン、抗ヒスタミン使用に関して、他の転倒成人入院患者と差は認めなかった・・・すなわち、ゾルピデム使用自体が転倒リスク。


また、アステラスか・・・

“もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)”・“中途覚醒時記憶障害”に関しての情報提供はあったが、転倒リスクの情報提供はないはず。

この会社は、この製品を、「筋弛緩作用が少なく、依存性が軽減された」高齢者に望ましい睡眠薬と宣伝していた前科がある。その宣伝文句に従い、全国の医師たちは多くの高齢者に処方しているはず・・・ その後、転倒リスクが高いという安全性情報を我々医師たちは聞かされてない。

ウェブ上でも、マイスリーと転倒増加に関する情報存在する。“マイスリー 転倒”でググればすぐ分かる。安全性情報を隠匿しているといわれてもしかたないのではないか・・・

この会社の前身の“藤沢・・・”に、SSRIと上部消化管出血リスクに関する情報を 求めた際、その場でそのような事実は無いとMRが断言した。このような会社なのである。

SMART療法のいんちきプロパガンダと同様の悪行と私は思うのだが・・・

喘息:アクションプランなしのケアは臨床的アウトカム、医師患者関係の質悪化につながる 2012/11/09

呼吸器系吸入薬剤営業:“医師は、製薬会社のパートタイム営業マンであってはならない” 2012/11/19


まぁ こういうことって、アステラスだけでは無く、すべての製薬会社に共通することですけどね・・・

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