2013年9月27日金曜日

2型糖尿病・第一選択 SU剤でメトホルミン比、死亡率 6割増加

MedPageからの情報で、EASD 2013報告

英国データの後顧的解析で、ファーストラインにメトホルミン使用するのに比較して、SU剤初期治療では、58%ほど全原因死亡率増加させるという報告

 1.58 (95% CI, 1.48-1.68, p < 0.001)

glimepiride(アマリール)、glipizide(Glucotrol)を含む薬剤クラスにおいて2型糖尿病有害事象イベントリスク増加するという、エビデンスがあった。このクラスの薬剤がメトホルミンのサブプランとして使用される場合が存在しており、耐用性不良な場合など、英国では、15%で使用されている。


"Association between first-line monotherapy with sulfonylurea versus metformin and risk of all-cause mortality"
Jenkins-Jones S, et al EASD 2013; Abstract 201.


日本では、2型糖尿病診療に関し、UKPDSなどのエビデンス無視した医療が長く続いてきた。SU剤第一選択とすることを是認すらされてた。日本の糖尿病を指導する立場の、専門医たち、糖尿病診療指導者たちは、なんと罪深いことをやってきたことか・・・

かれらは、今日もメトホルミンの危険性をあおり、一般医家を、エビデンス構築の少ない新薬へ誘導するのに今日も懸命である。試験管内エビデンスをまるで臨床的エビデンスごとくだます講演会で、かれらの懐たんまり。臨床的エビデンスをミスリードしつづける愚かな啓発活動。それにだまされるオーディエンスも、オーディエンスだが・・・

高用量吸入ステロイドはやはり視床下部-下垂体-副腎皮質系(HPA)機能へ影響を及ぼす

メルクのDuleraでの検討で、比較薬はアドエアもどき



HPA axis Effects of Mometasone Furoate/Formoterol Fumarate Versus Fluticasone Propionate/Salmeterol Administered via Metered-Dose Inhaler
Teddy Kosoglou,  et. al.
Chest. 2013. doi:10.1378/chest.13-0505 

66名の軽症・中等症喘息・
ランダム化オープンラベルプラシーボ対照化平行群研究

MDIによる1日2回投与x42日間
・ モメタゾン・フロン酸/ホルモテロール(MF/F) 200 μg/10 μg
・ モメタゾン・フロン酸/ホルモテロール(MF/F) 400 μg/10 μg
・ フルチカゾン・プロピオン酸/サルメテロール (FP/S) 460 μg/42 μg
・ プラシーボ

平均ベースラインコーチゾルAUCは群間横断的に同等。

MF/F 400/10、 FP/S 460/42は、平均血中コルチゾールとして同様 (Geometric mean ratio (GMR) 119%; 90% CI 101%-140%)

MF/F 200/10のコーチゾルAUCへの影響はプラシーボと同様 (GMR 92%; 90% CI 78%-110%)

だが、MF/F 400/10、 FP/S 460/42は、対プラシーボ比較で、血中AUC低下 (GMR 78%; 90% CI 66%-92%、 66%; 90% CI 56%-78%)

全ての治療は一般的に耐用性良好



LABA、ICS、LAMA入り乱れ、配合剤

尿道カテーテル留置:非感染症合併症

 Determining the Noninfectious Complications of Indwelling Urethral Catheters: A Systematic Review and Meta-analysis
John M. Hollingsworth,  et. al.
Ann Intern Med. 2013;159(6):401-410. doi:10.7326/0003-4819-159-6-201309170-00006 

37研究、2868名プールデータ。

マイナー合併症は多い。例えば、尿漏れは、短期では10.6% (95% CI, 2.4% to 17.7%) 、長期留置カテーテル(外来)では52.1% (CI, 28.6% to 69.5%)



重篤な合併症は、尿道狭窄で、短期で 3.4% (CI, 1.0% to 7.0%)

脊髄損傷患者では、gross hematuriaは 13.5% (CI, 3.4% to 21.9%) 。膀胱がん発症 1.0% (CI, 0.0% to 5.0%)




心臓手術患者における、ストレス潰瘍予防薬剤種類と、院内感染肺炎リスク: PPIと院内肺炎

後顧的コホート研究、CABG施行21214名で、PPI  9,830名 vs H2RA 11,384名比較


Type of stress ulcer prophylaxis and risk of nosocomial pneumonia in cardiac surgical patients: cohort study
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f5416 (Published 19 September 2013)
propensity score補正後、H2RA比較のPPI治療による肺炎リスク増加あり
(相対リスク 1.19, 95% 信頼区間 1.03-1.38)

instrumental variable analysisにて、PPI使用は、1000名の患者あたり、8.2名(95% 信頼関係 0.5 - 15.9)の肺炎リスク増加と関連


心臓手術後のコモンな合併症、2%−10%にものぼる合併症は、院内肺炎であり、死亡リスク増加をもたらし、その死亡率は20%−50%。制酸治療は、胃内pH増加をもたらし、細菌増殖を生じ、気管内コロナイゼーション、肺炎の原因ともなる。

この種の比較の時は、日本の保険適用用量と、文献用量が異なることである。
本文でも、mgやgram等の表記無いため、日本の臨床実践・臨床的適応には、配慮が必要。

2型糖尿病:プラクティス・ナースによる電話指導 ・・・ 介入改善効果無し

日本でも、看護師の業務拡大ということで、ナース・プラクティショナー(NP)的なものを模索しているようだ。議論は急性期医療重視で進んでいるようだが、真に、臨床的アウトカム改善につながるか、地道な検証も望まれる。

プラクティス・ナースによる電話コーチング介入を、現実のプライマリケア状況に加えたところ、アウトカムに有意な差は出現しなかった。

受け手の拒否的態度を示す例も1/4程度であり、憔悴してしまう症例もある。介入方法の改善で、アウトカム改善するか議論も必要であろう。
電話以外の個別対面指導ではその効果が変わるか?その効率性と同時に検討が必要だろう。


Effectiveness of general practice based, practice nurse led telephone coaching on glycaemic control of type 2 diabetes: the Patient Engagement And Coaching for Health (PEACH) pragmatic cluster randomised controlled trial
Irene D Blackberry  et. al.
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f5272 (Published 18 September 2013)

ベースラインでは、介入群、対照群同等。ドロップアウト症例無しだが、attriction rateは両群とも5%。

コーチングセッション数中央値は、236名の介入患者で、3回(IQR 1-5)で、全くコーティングセッション受けなかった比率は、25%(58/236) 
18ヶ月フォローアップ時点で、ベースライン・クラスタリング測定HbA1c補正で、血糖コントロールに有意差認めず(平均差 0.02, 95% 信頼区間 -0.20 〜 0.24, p = 0.84)

各自治体・保健師が健康増進ということで、訪問指導や集団指導している例がある。とんちんかんな指導も多く見聞きをする。一番気になるのは、ジェネリック変更を勧める事例である。本来の目的を逸脱している越権行為と思われるのだが、限度を超えた事例も多く存在する。メトグルコ(先発)しか保険適応のない事例なのに、後発推進する行為などは犯罪的とさえ思える。


うつと糖尿病の組み合わせで、急性心筋梗塞リスク著明増加

うつと糖尿病の関連性は今までも取り上げてきた。
うつと2型糖尿病の両方向性の関係2010年 11月 24日 
糖尿病とうつ2007年 04月 24日 
うつと糖尿病の関係:治療下糖尿で合併頻度増加、未治療糖尿で頻度低下・・・など2008年 06月 18日 
ACCORD-MIND:2型糖尿病患者:うつと、認知機能低下の関連性 http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/08/accord-mind.html

European Association for the Study of Diabetesにて、心筋梗塞合併症を、うつと糖尿病併発による、著明なリスク増加が明らかとなった。

45−64歳女性の心筋梗塞オッズ比は、いづれも存在しない場合に比較して、糖尿病とうつの組み合わせで、オッズ比7.1(95% CI, 6.1-8.2)倍にもなる。
同年齢層の男性では、2.8(95% CI, 2.5-3.2)倍。


"Myocardial infarction in subjects using anti-diabetic and/or antidepressant agents compared to non-users: a nationwide register study in Sweden"
Rådholm K, et al
EASD 2013; Abstract 202.

http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/EASDCardio/41896


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