2021年9月21日火曜日

小児喘息への吸入ステロイドと肥満の関連はありそうだが、因果関係の可能性は?

  「体格の指標であるBMI(body mass index)は乳児期早期に増加傾向を示し、乳児期後期から減少に転じて、さらに幼児期に減少から増加に転じます。このBMIが幼児期に減少から増加に転じる現象はadiposity rebound(AR)」と呼ぶ。

http://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/clinical-research/untersuchung/post_259.html


Associations between Inhaled Corticosteroid Use in the First 6 Years of Life and Obesity-related Traits
Asja Kunøe et al.
 American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine  Volume 204, Issue 6
https://doi.org/10.1164/rccm.202009-3537OC       PubMed: 33975528

https://www.atsjournals.org/doi/10.1164/rccm.202009-3537OC

理論的根拠:乳幼児は、特に、吸入コルチコステロイド(ICS)による肥満度(BMI)、adiposity rebound (AR)、体組成への潜在的な臨床的副作用を経験しやすいかもしれませんが、この年齢層における長期研究ではほとんど検討されていません。

目的:生後6年間のICS曝露と、BMI、AR、体組成、および血中脂質濃度との関連を明らかにすること。

方法:COPSAC(Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood)の2つの母子コホートに属する小児を対象とした。ICSの使用は6歳までプロスペクティブに登録し,累積投与量を算出した。解析には重回帰モデルを用いた。

測定と主な結果:COPSACコホートの1,111人の子どものうち、合計932人(84%)がBMIデータを持ち、786人(71%)が6歳時の二重エネルギーX線吸収測定スキャンデータを持ち、815人(73%)がAR年齢を算出した。

291名(31%)の小児が、6歳までに10週間の標準的な治療よりも多いICS累積投与を受けていた。

0~6歳のICS治療は、BMI z-scoreの増加(0. AR年齢が-0.18歳(95%信頼区間,-0.28~-0.08歳,P=0.0006),幾何平均体型脂肪率が2%増加した(P=0.05).

ICSの暴露と二重エネルギーX線吸収測定のデータは関連していなかった。

結論:幼児期のICS使用は,6歳時のBMI zスコアの増加,ARの早期化,android body fat percentageの増加と関連する傾向が見られた。

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