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2022年11月28日月曜日

BEAMSランダム化治験:COPDへの定期低用量徐放性モルヒネの有効性は確認できず

 

今までの報告で、COPDの息切れへのオピオイド適応についていろいろ議論がある

オピオイドは、慢性的な息切れと重度の疾患を持つ人々の症状を軽減することがあり、小規模で短期の臨床試験のメタアナリシスでは、COPD患者を含む慢性的な息切れ8に対する低用量オピオイドの有益な効果が示唆されている。しかし、1週間の無作為臨床試験(RCT)では、20mg/日の経口徐放モルヒネとプラセボでは息切れに統計的有意差がなかった。COPDで慢性的な息切れがある人を対象とした別のRCTでは、低用量の経口徐放性モルヒネを4週間投与すると疾患特異的健康状態が改善し、息切れがよりひどい人(修正MRC息切れスケールスコア3または4)でも息切れが改善されたと報告されている。

ただ、持続的な息切れに対するモルヒネの安全性は不明である。COPD患者を対象とした集団ベースの研究では、モルヒネ使用による入院と死亡の増加が報告されているが12、これらの影響は重度の酸素依存性COPD患者では報告されていない。低用量オピオイド(最大用量20mg/日のモルヒネ)の日用使用は、RCTにおいて重篤な有害事象(入院または死亡)と関連していない報告もある。

2022年11月1日火曜日

先行急性増悪の回数と重症度にてその後の急性増悪・死亡率予後を推定

急性増悪の重症度

中等度増悪事象は、増悪診断コード、抗生物質とOCSの5~14日間の処方、過去に検証された定義に基づく記録された症状の組み合わせによりGPに記録された事象と定義

先行急性増悪の回数と重症度にてその後の予後を推定


Frequency and severity of respiratory infections prior to COPD diagnosis and risk of subsequent postdiagnosis COPD exacerbations and mortality: EXACOS-UK health care data study 

Hannah Whittaker, et al.

http://orcid.org/0000-0003-0149-4869

https://thorax.bmj.com/content/early/2022/10/31/thorax-2022-219039


概要

【目的】 慢性閉塞性肺疾患(COPD)発症前の下気道感染症(LRTI)が、将来の増悪や死亡率とどのように関連するかについてはほとんど知られていない。イングランドの COPD 患者を対象に、この関連性を調査した。


【方法 】Clinical Practice Research Datalink Aurum, Hospital Episode Statistics and Office of National Statistics dataを使用

追跡開始日は患者の最初のCOPD診断日とし、追跡開始前の1年間のベースライン期間を軽度のLRTI(一般診療(GP)イベント/抗生物質なし)、中度のLRTI(GPイベント+抗生物質)、重度のLRTI(入院)に割り付け

被験者をカテゴリー分け none, 1 mild only, 2+ mild only, 1 moderate, 2+ moderate and 1+ severe

Negative binomial regression modelにより、ベースラインのLRTIとその後のCOPD増悪の関連をモデル化し、Cox比例ハザード回帰により死亡率を検討


【結果 】 COPD患者215 234人において、軽度および中等度のLRTIの頻度と重症度の増加は、LRTIの記録がない場合と比較して、その後の増悪率の増加と関連していた(1軽度調整IRR 1.16, 95% CI 1.14~1.18, 2+軽度IRR 1.51, 95% CI 1.46~1.55, 1中度IRR 1.81, 95% CI 1.78~1.85, 2+中度IRR 2.55, 95% CI 2.48~2.63).

1+ severe LRTI (vs no baseline LRTIs) 症例では、将来の増悪の割合も増加した(調整後IRR 1.75、95%CI、1.70~1.80)。

この関連パターンは、全死亡およびCOPD関連死亡のリスクについても同様であった。1+ severe LRTIs を有する患者は、全死亡およびCOPD死亡のリスクが最も高かった。

Fig2:急性増悪頻度rate ratio Fig3 死亡率

 

【結論 】COPD診断前のLRTIの頻度と重症度が高いほど、その後の増悪の割合が高くなり、全死亡およびCOPD関連死亡のリスクが高くなることが示唆された。


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2022年10月27日木曜日

COPDへのSARM(selective androgen receptor mudulation)にて脚力増加効果

GSK2881078 - Wikipedia

 Selective androgen receptor modulators (SARMs) are a novel class of compounds that bind selectively to the androgen receptor to elicit some, but not all, of the effects of testosterone; specifically SARMs increase skeletal muscle mass in both animal and human studies, while sparing prostate effects in men and virilising effects in women. Identified adverse class effects of SARMs include transient elevation of hepatic transaminases and reversible lowering of high-density lipoprotein-cholesterol (HDL-C). This profile makes SARMs attractive as potential anabolic medicines in conditions associated with cachexia, for example, cancer.


女性への男性化作用や男性での前立腺への悪影響の乏しく、主に骨格筋増量をもたらす薬剤で、cachexia含め、男性サルコペニアへの治療に役立つことが期待される


COPDでの筋力低下へのRCT


2022年10月19日水曜日

COPD在宅リハビリテーション多施設RCT:活動性・情緒CRQ全てに有意改善示される ;対照的に日本では懸念される状況にある在宅ケア

日本の在宅ケアは介護保険により乗っ取られてしまっている。そもそも介護保険制度での介護認定の「樹形モデル図」なんて、機械学習でも古臭くなった「教師あり学習」の「決定木」でさえ欠点が明らかになり、そもそも、対象者も同等の特性とは言えなくなったのに関わらず、介護認定仕組みの方を姑息的に弄り倒してごまかし続けている欠陥制度である。

実際の現場でも、真面目な施設が大部分だと思うが、在宅ケアが形式だけの訪問看護がなされ散る事例があり、コロナ感染したから特別指示をくれと患者・家族ニーズを無視して訪問看護事業所が請求してきたり、通院患者なのになぜか「訪問看護」がなされ、急遽医療が必要な事例なのに患者・家族に口頭だけで受診を促すだけで終わらせるという事例がここ1ヶ月で同事業所関連で経験した


リハビリテーションは、日常生活に即した対応が必要で、患者の生活実態に近い場で行われるのが理想であり、 在宅にて継続的に行われるのが当然なのだろう。


COPD患者在宅リハビリテーションに関する大規模な多施設RCTがなされ、非常に良好な結果が報告されたようだ。

介護保険により毒された日本の在宅リハビリテーションに光が灯る日があるのだろうか?


慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象とした在宅リハビリテーションプログラムに関する初の多施設共同無作為化比較試験の結果が、CHEST2022年次総会で発表され、非常に良好な結果を示した。12週間終了時点で、介入に無作為に割り付けられた患者は、活動レベルや感情的幸福を含む慢性呼吸器質問票(CRQ)のすべての領域において、有意かつ臨床的に意味のある改善を示していたと、ミネソタ州ロチェスターのメイヨークリニック、呼吸器・重症医療部門顧問のRoberto P. Benzo医師は報告している。

2022年8月16日火曜日

Oscillating positive expiratory pressure deviceにてCOPDのQOL改善

気管支拡張でOscillating positive expiratory pressure device使ったことあるなぁ

Flutterだったっけ?

https://bronchiectasis.com.au/physiotherapy/techniques/oscillating-positive-expiratory-pressure-therapy


COPDへの利用にて咳嗽関連QOL、疲労関連QOL、一般的QOL改善


Oscillatory positive expiratory pressure therapy in COPD (O-COPD): a randomised controlled trial

Saeed M Alghamdi, et al.

https://thorax.bmj.com/content/early/2022/08/09/thorax-2022-219077

【背景】Oscillatory positive expiratory pressure (OPEP) は、痰の排出を促進し咳を軽減することを目的としているが、COPDにおける有効性や、患者選択の指針となるようなエビデンスは限られている。定期的に痰が出るCOPD患者において、OPEP療法が生活の質、咳および睡眠障害の客観的指標に与える影響を評価することを目的とした。

【方法】 毎日またはほとんどの日に痰が出るという安定した COPD 患者を登録し,Acapella装置の 3 ヵ月間の使用と通常ケア(能動的呼吸サイクルの使用を含む)を比較する評価者盲検並行群間無作為化比較試験に参加した.主要アウトカムは,レスター咳嗽質問票(LCQ)を用いて測定した咳嗽関連 QOL であった.副次的アウトカムには、疲労(Functional Assessment of Chronic Illness Therapy、FACITスコア)および一般的なQOL(EuroQol-5 Dimensions、EQ-5D)が含まれた。サブスタディ(45名)では、咳と睡眠中の障害・動きの客観的モニタリングも実施した。

【結果】 122名(61/61 OPEP/コントロール)が採用され、女性40%、喫煙者17%、FEV1 38(25-56)%予測、年齢62±10歳であった。103人が研究を完了した(55/48 OPEP/対照)。 

OPEPの使用は対照群と比較してLCQの改善と関連;MD(95%CI)1.03(0.71~2.10);(p=0.03)、FACITスコア4.68(1.34~8.02);(p<0.001)およびEQ-5D 4.00(0.49~19.75);(p=0.04)。また、咳の回数も-60(-43~-95)回/24時間(p<0.001)と改善が見られたが、睡眠障害に対する統計的有意な効果は確認されなかった。

【結論 】Acapellaの定期的な使用は、毎日またはほとんどの日に痰が出るCOPD患者の症状とQOLを改善する。


Trial registration number ISRCTN44651852.

COPDのendotyping: 「COPD」群と「COPD-気管支拡張症関連」群

 microbiome profilingとproteomics protein profilingによるCOPDのendotypingにて、 COPD群と「COPD-気管支拡張症関連」群に区分け


Endotyping Chronic Obstructive Pulmonary Disease, Bronchiectasis, and the “Chronic Obstructive Pulmonary Disease–Bronchiectasis Association”

Jeffrey T.-J. Huang ,et al.

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine  Volume 206, Issue 4


https://doi.org/10.1164/rccm.202108-1943OC       PubMed: 35436182

https://www.atsjournals.org/doi/abs/10.1164/rccm.202108-1943OC?af=R


【背景】:気管支拡張症と慢性閉塞性肺疾患(COPD)は臨床的特徴が重複する疾患であり,共存が多い(COPD-Bronchiectasis Associationと呼ばれる).


【目的】 気管支拡張症、COPD、COPD-気管支拡張症患者における喀痰マイクロバイオームとプロテオームを調査し、治療に役立つエンドタイプを同定することを目的とする。

【方法】 COPD患者(n=43)、気管支拡張症患者(n=30)、COPD-気管支拡張症患者(n=48)からなるコホートにおいて、16S rRNAアンプリコンシーケンスを用いて喀痰マイクロバイオームプロファイリングを、ラベルフリープロテオミクスワークフローを用いてタンパク質プロファイリングを、それぞれ実施した。結果は、91名の患者(各群28-31名)からなる独立したコホートにおいて、炎症マーカー、ムチン、細菌培養の標的測定により検証された。

【測定方法と主な結果】 喀痰マイクロバイオームおよびタンパク質プロファイルの主成分分析により、COPDと「COPD-気管支拡張症関連」群に部分的に分離されたことが示された。 

さらに解析の結果、「COPD-気管支拡張症関連」患者はCOPD患者に比べ、プロテオバクテリアの存在量が多く、ムチン-5ACや「好中球脱顆粒」経路のタンパク質の発現量が多いことが明らかになった。 

一方、COPD患者では、ムチン-5Bといくつかのペプチダーゼ阻害剤の発現が上昇し、一般的な常在菌分類群の存在量が多く、マイクロバイオームの多様性が高かった。 

「COPD-気管支拡張症組み合わせ」と「気管支拡張症群」のプロファイルはほぼ重なっていた。炎症、ムチン、微生物学的特徴に差のある5つのエンドタイプが提唱された。「COPD-気管支拡張症 」関連に関連する主要な特徴を独立したコホートで検証した。

【結論】 好中球性炎症,ムチン発現の差異,グラム陰性感染は,"COPD-気管支拡張症関連 "の患者における支配的な特徴である.


2022年8月9日火曜日

COPD:在宅リハビリテーションプログラムにてSTST改善

STSTは大腿四頭筋を代表とする筋力低下の指標で、在宅リハビリテーションの有効性指標にはなるのだろう

2022年7月5日火曜日

COPD:CLEAN AIR研究:海外基準HEPAフィルターにて健康改善効果あり、増悪・レスキュー使用改善の可能性も

HEPA、すなわち、”high-efficiency particulate air cleaners”のこと


ここのサイトだと

日本のJIS(日本産業規格)では、「定格風量で粒径0.3μmの粒子に対し、99.97%以上の粒子捕集率を持つ」という条件を満たせば、HEPAフィルターとして認められます。海外では、日本よりさらに厳格な規格が設けられています。特に国際規格であるISOや、ヨーロッパの統一規格であるENなどは、最                                                                           大透過粒子径(MPPS:Most Penetrating Particle Size)(※)である、0.1~0.2μmを基準としています。

この論文は当然のごとく欧米企画なので日本のHEPAフィルター付き空気洗浄機のことをそのまま述べているわけではない


Randomized Clinical Trial of Air Cleaners to Improve Indoor Air Quality and Chronic Obstructive Pulmonary Disease Health: Results of the CLEAN AIR Study

Nadia N Hansel , et al.

Am J Respir Crit Care Med. 2022 Feb 15;205(4):421-430. 

doi: 10.1164/rccm.202103-0604OC.

 

【研究序文】屋内の粒子状物質は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の転帰の悪化と関連している。室内汚染物質の削減が呼吸器疾患症状罹患率を改善するかどうかはまだ不明である。

【目的】 active portable high-efficiency particulate air cleanerを設置することで、元喫煙者の呼吸器疾患症状罹患率が改善されるかどうかを明らかにすること。

【方法】 中等度から重度のCOPDを有する適格な元喫煙者は、この盲検ランダム化比較試験において、能動型または偽の携帯型高効率微粒子絶対空気清浄機の投与を受け、6か月間追跡された。主要アウトカムは,St. George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)の 6 ヵ月後の変化であった.副次的転帰は,増悪リスク,呼吸器症状,救助薬の使用,および 6 分間歩行距離(6MWD)とした.Intention-to-treat 分析にはすべての被験者を、per-protocol 分析には空気清浄機の使用率が 80%以上のアドヒアランスの良い被験者を対象とした。

【測定方法と主な結果】

合計116人の参加者が無作為化され、そのうち84.5%が試験を完了

SGRQの総スコアには統計的に有意な差は認められなかったが、アクティブフィルター群では 偽薬群と比較して

  • SGRQ症状サブスケール減少(β、-7.7[95%信頼区間(CI)、-15.0~-0.37])
  • 呼吸器症状減少(息切れ、咳、痰の尺度、β、-0.8 [95% CI、-1.5~-0.1])
  • 中等度増悪の割合が低い(発生率比、0.32[95%CI、0.12~0.91])
  • 救助用医薬品の使用減少(発生率比、0.54 [95% CI、0.33-0.86])(すべてP < 0.05)

プロトコルごとの解析では,アクティブフィルター群と偽薬群の主要アウトカム(SGRQ,β -4.76[95% CI,-9.2~0.34]), 中等度増悪リスク,息切れ,咳,痰の尺度,および 6MWD に統計的有意差がみられた

室内で過ごす時間が長い参加者ほど治療効果が高い

【結論】 本試験は、COPDの元喫煙者を対象に実施された初の環境介入試験であり、携帯型高効率微粒子絶対空気清浄機の潜在的な健康効果を、特にアドヒアランスが高く、屋内で過ごす時間が長い被験者において示している。


2022年5月11日水曜日

USPSTFは無症候性成人のCOPDスクリーニングを行わないよう勧告

いわゆる人間ドックや無症状被験者へのスパイロメトリ検査含め、無症状気流制限への治療の妥当性含め日本でも議論・考慮が必要


2022年5月6日金曜日

ERSステートメント:COPD急性増悪管理評価のための臨床トライアルのコア・アウトカム・セット

 

BOX1 COPD増悪の管理を評価する臨床試験の中核となるアウトカムセット

1) 死亡

 a) いかなる原因による死亡

 b) COPD増悪による死亡

2) 治療の成功

3) 高次治療の必要性

 a) 現状の増悪に対する入院の必要性

 b) 増悪のための集中治療室への入院の必要性

4) 血液中の酸素と炭酸ガスの濃度(動脈血ガス濃度)

5) 患者が報告するアウトカム

 a) 息苦しさ

 b) 健康関連QOL(生活の質

 c) 日常生活動作

 d) 初期治療後の症状悪化度

6) 将来への影響

 a) 疾患の進行

 b) 将来の増悪

 c) 将来の入院

7) 安全性

 a) 治療による重篤な有害事象

 b) 耐性菌の発生

 c) 肺炎の発症

8)治療アドヒアランス



急性増悪はCOPDと診断された患者の約3分の1は少なくとも1回の中等度または重度の増悪を経験し、9~16%はさらに頻繁にこれらの事象を経験する。重要なことは、毎年、COPD患者の20人に1人、二次医療でCOPDをモニターしている患者の4人に1人が重度の増悪を経験、90日死亡率がおよそ15%になる。新しい維持療法により増悪の発生は減少したが  、その管理は最適とは言えず、何十年も変わっていない。。しかし、近年、増悪の複雑さと不均一性、およびその基礎となるメカニズムがますます理解されてきて、さらに、有望なバイオマーカーの臨床的検証は、増悪を管理するアプローチを変革する可能性のある精密医療介入の導入への道を開くものである。したがって、今後数年間は、精密医療介入を含む新規治療法を評価するために、臨床試験の数が増加することが予想される。

しかし、COPD増悪の管理に関する臨床試験の設計と実施は、方法論的・実際的な課題によって複雑になっている。関連性があり、比較可能で、明確に定義された、患者にとって重要なアウトカムを選択し、一貫して使用することは、重要な課題である。最近のメタ疫学研究では、COPD増悪試験で評価・報告されるアウトカム、アウトカムの定義、評価方法には著しい異質性があることが明らかにされた  。このため、最近の関連するシステマティックレビューやメタアナリシスでは、利用可能なエビデンスの確実性に限界があると報告されている。この問題に対処するため、欧州呼吸器学会(ERS)はこのタスクフォースを結成した。

1) to develop a core outcome set for clinical trials evaluating the management of COPD exacerbations. A core outcome set is an agreed minimum set of critically important outcomes that should be evaluated in all future trials in a specific area of healthcare, aiming to improve their quality and comparability [27].


2) To prioritise a single instrument for measuring each of the core outcomes. The core outcome measurement instruments describe how each of the core outcomes should be evaluated in clinical trials [28].

このプロジェクトのアウトプットは、世界的なマルチステークホルダーによるコンセンサスに基づくものであった。

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ERS statement: a core outcome set for clinical trials evaluating the management of COPD exacerbations

Alexander G. Mathioudakis, et al., on behalf of the DECODE-NET

https://erj.ersjournals.com/content/59/5/2102006

European Respiratory Journal 2022 59: 2102006; 

DOI: 10.1183/13993003.02006-2021



概要

COPD急性増悪の管理を評価する臨床試験では,多様なアウトカムが評価され,臨床的に重要なアウトカムや患者にとってより重要なアウトカムが省略されることが多い.我々は,臨床試験の質と比較可能性を向上させるために,増悪管理に関する今後のすべての臨床試験で評価することを推奨する,重要なアウトカムのコンセンサスベースの最小セットであるコアアウトカムセットを開発した.COPD増悪のアウトカムは、方法論的システマティックレビューと世界11カ国の患者86人への定性的インタビューにより特定された。5大陸88カ国から1063人(患者256人、医療専門家488人、臨床研究者319人)が参加した2回にわたるデルファイ調査により、最も重要なアウトカムを優先的に選定し、コアアウトカムセットに組み込んだ。1)主要評価項目の最終決定と、2)各評価項目の評価に使用する測定器の優先順位付けのため、世界規模の仮想コンセンサス会議が2回実施された。コンセンサスは、厳密な方法論に基づいたシステマティックレビューによって得られたものである。COPD患者の意見は、プロジェクトのすべての段階で考慮された。生存率、治療の成功、息切れ、QOL、日常生活動作、より高度なケアの必要性、動脈血ガス、疾患の進行、将来の増悪と入院、治療の安全性とアドヒアランスはすべて主要アウトカムに含まれた。選択されたいくつかの測定方法の検証と最適化のために、焦点となる方法論研究が推奨された。委員会は、優先されたアウトカムと関連する測定方法が、患者や医療専門家にとって負担になるとは考えなかった。


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2022年3月7日月曜日

気道閉塞:PRISmは移ろいやすい


拡張剤投与後

  • PRISm : FEV1予測比 < 80%  &  FEV1/FVC ≧ 0.7)
  • COPD(Global Initiative) grade 0 : FEV1予測比 ≧ 80%  &  FEV1/FVC ≧ 0.7
  • 閉塞 : FEV1/FVC < 0.7



Editorialから

CHEST誌の最新号でWanらは、PRISmの会員資格( individual membershipと本当に記載)は流動的であり、閉塞型と正常型の両方のスパイロメトリーに頻繁に移行し、肺機能の時間的な著しい変化と関連していると報告している。本研究では、被験者が2つ以上のスパイロメトリーカテゴリーに属し、連続した2回の診察の間にFEV1% and/or FVC%予測値において10%を超える変化があった場合、有意な移行:significant transitionと定義している。本研究では、登録時、5年後、10年後のフォローアップ時にスパイロメトリーが実施された。PRISmに該当する被験者の約半数は、各診察時にPRISmに移行したり、PRISmから外れたりした。したがって、肺機能の長期的な軌跡は、PRISmが保たれている被験者を識別するための前提条件であると思われる。スパイロメトリックの横断的研究は、リスクと併存疾患のプロファイルの観点から慎重に解釈する必要がある。

スパイロメトリーは複雑な呼吸プロセスの結果であり、肺機能の変化はさまざまな生物学的または病理学的プロセスを反映していることを認識することが重要である。スパイロメトリーだけでは、適切な診断を行うことはできても、それを裏付けることはできない。スパイロメトリーだけに基づく一次元的な病態の定義や分類は避けなければならない。そうでなければ、スパイロメトリーは、Hutchinson1が最初に定式化したように、手頃なグローバルヘルスマーカーとして容易に使用することができる:FVCが低下している積極的なスクリーニング対象者は、制限の存在と考えられる特定の原因を特定するために、少なくとも肺容量測定を含む総合評価を行う必要がある。ネットワーク医療は、生命維持能力の指標としてのVCを超えた、根本的な生物学的プロセスの解明に役立つかもしれない。正しい視点に立てば、スパイロメトリーは金となり得る



Significant Spirometric Transitions and Preserved Ratio Impaired Spirometry Among Ever Smokers

Portions of this work were presented in abstract form at the American Thoracic Society International Conference, Virtual, August 5-10, 2020.

Emily S.Wan, et al.

https://doi.org/10.1016/j.chest.2021.09.021Get rights and content

【背景】縦断的研究から得られた新たなデータは、FEV1およびFVCの比例的減少によって定義される保存率障害スパイロメトリー(PRISm)は、正常および閉塞性スパイロメトリーの個人と比較して、他の肺機能カテゴリーへの移行が頻繁に起こる不均質な集団であることを示唆するものである。これらの遷移の臨床的意義については議論がある(例:遷移は単に測定値のばらつきやノイズを反映しているだけかどうか)。

【研究課題】PRISmの患者は、肺機能の実質的な変化と関連するトランジションに富んでいるか?

【研究デザインおよび方法】Genetic Epidemiology of COPD(COPDGene)研究に登録され、第1期から第3期(登録、5年フォローアップ、10年フォローアップ)においてスパイロメトリーが可能な現在および過去の喫煙者を分析対象とした。気管支拡張後の肺機能カテゴリーは以下の通り。PRISm(FEV1<予測値80%,FEV1/FVC比≧0.7),Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease grade 0(FEV1≧予測値80%,FEV1/FVC≧0.7),閉塞(FEV1/FVC<0.7)である.2つ以上のカテゴリーに属し,連続した診察の間にFEV1 % predictedおよび/またはFVC % predictedに10%以上の変化があった場合,有意な移行状態であると判定した。Ever-PRISmは、被験者がいずれかの診察時にPRISmを有していた場合に存在した。ロジスティック回帰により,年齢,性別,人種,予測FEV1 %,現在の喫煙,喫煙年数,BMI,および気管支拡張薬反応陽性歴で補正し,有意な移行とever-PRISm状態の関連性を検討した.

【結果】10.1年±0.4年の追跡調査期間中にデータが揃った被験者(N = 1,775)において、PRISmの有病率は第1期から第3期まで一貫して10.4~11.3%であったが、約半数のPRISmの被験者は各調査時にPRISmに移行またはPRISmから脱却していることがわかった。全対象者のうち、19.7%が有意な移行を経験した。ever-PRISmは有意な移行の有意な予測因子であった(未調整OR, 10.3; 95% CI, 7.9-13.5; 調整OR, 14.9; 95% CI, 10.9-20.7 )。結果は、X線肺気腫とガストラップの追加調整、正常下限基準による肺機能分類、およびFEV1単独(予測FVC%の変化に関係なく)による有意な移行を定義した場合にも同様であった。

【解釈】PRISmは不安定なグループであり、時間の経過とともに閉塞と正常の両方のスパイロメトリーへの有意な移行が頻繁に見られる。




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2022年1月14日金曜日

COPD患者の内皮細胞は老化とSASPの増加を示す。だが、吸入ステロイドにより抑制される可能性がある

吸入ステロイド(ICS)はCOPD患者や内皮の老化が特徴的な他のグループ(例えば喫煙者)を心血管系の合併症から、またウイルス性疾患における血管内皮から始まる合併症から守ることができるかもしれない。・・・

2022年1月12日水曜日

低中所得国:3つのCOPDスクリーニング法

Covid-19流行下では肺機能検査ままならないという主張もある

代わりに、質問紙法やPEFを用いるという考えも浮かぶ

この報告はそういうバックグランドではなく、COPDの健康インパクトが大きい低・中所得国でいかに広く治療インパクトが大きい症例をピックアップできるかの検討


Discriminative Accuracy of Chronic Obstructive Pulmonary Disease Screening Instruments in 3 Low- and Middle-Income Country Settings

Trishul Siddharthan, et al.

JAMA. 2022;327(2):151-160. doi:10.1001/jama.2021.23065

January 11, 2022

キーポイント

疑問点 3つの中低所得国でのCOPDスクリーニング手段の識別精度はどの程度か?


結果 ネパール、ペルー、ウガンダの成人10709人を対象としたこの横断研究では、COPDの3つのスクリーニング検査は実施可能で、気管支拡張後スパイロメーターを基準として、受信者動作特性曲線下の面積は0.72から0.79の範囲であった。


意味づけ 本研究では,COPDスクリーニング検査の3つの方法が低・中所得国において実施可能であることを示したが,他の環境での性能を評価し,実施が臨床転帰の改善と関連するかどうかを判断するには,さらなる研究が必要である.


概要

【重要性】 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の世界的な罹患率と死亡率のほとんどは低・中所得国(LMICs)で発生しており、経済的にも大きな影響を及ぼしている。


【目的 LMICの3つの環境において、COPDのスクリーニングのための質問票と呼気ピーク流量(PEF)を用いた3つの機器の識別精度を評価すること。


【デザイン、設定、被験者】 2018年1月から2020年3月にかけて、ネパールの半都市Bhaktapur、ペルーの都市Lima、ウガンダの農村Nakasekeにおいて、40歳以上の人口から年齢と性別で層別したランダムサンプルを用いて実施した判別精度の横断的分析である。


【曝露】  3つのスクリーニングツール、1)COPD Assessment in Primary Care to Identify Undiagnosed Respiratory Disease and Exacerbation RiskCAPTURE、範囲0~6、スコア5以上または低PEF[女性250 L/min未満、男性350 L/min未満]で高リスクと判定)、2)COPD in LMICs Assessment questionnaireCOLA-6、範囲2~5、スコア3未満で高リスクと判定)を用いた。範囲:0~5、スコア4以上で高リスク)、3)肺機能質問票LFQ、範囲:0~25、スコア18以下で高リスク)を、COPDの基準診断に対して、品質保証された気管支拡張後スパイロメーターを用いて評価しました。CAPTUREとCOLA-6にはPEFの測定値が含まれている。


【主要評価項目と測定方法】  主要評価項目は、COPDを識別するためのツールの識別精度で、受信者動作特性曲線下面積(AUC)と95%CIで測定した。副次的評価項目は、感度、特異度、陽性予測値、陰性予測値であった。


【結果】  研究に参加することに同意した成人10709人(平均年齢56.3歳(SD、11.7)、女性50%)において、35%が喫煙経験があり、30%が現在バイオマス煙に暴露されていた。3地点におけるCOPDの非加重有病率は,ネパールで18.2%(642/3534人),ペルーで2.7%(97/3550人),ウガンダで7.4%(264/3580人)であった. 
COPD1000例のうち,臨床的に重要な疾患(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease分類B-D)が49.3%,重症または非常に重度の気流閉塞(強制呼気1秒量<予測値50%)が16.4%であり,95.3%がこれまで診断されていない症例であった。 
スクリーニング機器のAUCは,ペルーにおけるLFQの0.717(95%CI,0.677-0.774)からネパールにおけるCOLA-6の0.791(95%CI,0.770-0.809)までの範囲であった.感度は,ネパールのCOLA-6で34.8%(95%CI,25.3%-45.2%),ネパールのCAPTUREで64.2%(95%CI,60.3%-67.9%)であった。機器の平均投与時間は7.6分(SD 1.11)、データの完全性は99.5%であった。

 LFQ scores 18 or less and COLA-6 scores 4 or greater signify high risk. See Table 2 for thresholds optimized to 90% sensitivity. Optimization is not possible for CAPTURE, as the instrument does not have a single threshold and is scored in 2 stages. CAPTURE indicates COPD Assessment in Primary Care to Identify Undiagnosed Respiratory Disease and Exacerbation Risk; COLA-6, COPD in Low- and Middle-Income Countries Assessment; LFQ, Lung Function Questionnaire.


【結論と課題 】 本研究により、COPDのスクリーニング検査は中低所得国3カ国において実施可能であることが示された。他の中低所得者層における機器の性能を評価し、導入が臨床転帰の改善と関連するかどうかを判断するために、さらなる研究が必要である。


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2022年1月11日火曜日

COPD:「やってる・やらない」より「できるか・できないか」が重要

18世紀の終わりごろまで天体の高度観測に用いられた器械。円周の4分の1の目盛り環に0度から90度を目盛り、これに円の中心を通る照準尺を取り付け、回転できるようにしたもの。四分儀。

象限儀(しょうげんぎ)の意味 - goo国語辞書


“できる” or “やってるか”ということだが、後者の方が尊いと考えがちだが、

COPD患者の死亡予後に関して、やることより能力次第ということになる。


  • 6分間歩行距離:身体能力(「can do」)
  • 身体活動量:加速度計:身体活動(「do do」)
2つの軸と死亡予後を評価

“Can do, do do” quadrants and 6-year all-cause mortality in patients with COPD

Anouk W. Vaes, et al.

CHEST, journal, Published:January 10, 2022

DOI:https://doi.org/10.1016/j.chest.2021.12.657

“Can do, do do” quadrants and 6-year all-cause mortality in patients with COPD - CHEST (chestnet.org)


背景

身体能力(「can do」)と身体活動(「do do」)はCOPDの予後指標であり、COPD患者を4つの排他的サブグループ(いわゆる「can do, do do」quadrant:以下、 「象限」)に細分化するのに使用されることがある。この概念は、COPD患者の全死亡率に対する身体能力および身体活動の影響をよりよく理解するために有用であると考えられる。

研究課題

COPD患者の "can do, do do "象限における6年間の全死亡リスクはどの程度か?

研究デザインおよび方法

このレトロスペクティブ研究は、初診の外来受診時に総合評価を受けたCOPD患者のデータを用いた。身体能力は6分間歩行距離で、身体活動量は加速度計で評価した(歩数/日)。全死因死亡データは市町村個人記録データベースから入手した。受信者動作特性曲線を用いて、6年間の全死亡を予測するための身体能力および身体活動量の閾値を決定した。得られた閾値を用いて、男性患者と女性患者を4つの「できる、できる」quadrantに分けた。

結果

829名の患者データを解析に使用した。6年死亡率に対する最良の判別値は、男性では404mと4125歩/日、女性では394mと4005歩/日であった。中央値(IQR)55(37-71)ヵ月の追跡期間中に、129(15.6%)の患者が死亡した。 
 確立した予後因子補正後、"can do, don't do" quadrant 及び "can do, do do"quadrantは、"can't do, don't do" quadrantに比べ有意に死亡リスク低下 : 男性:HR (95%CI): 0.36 (0.14-0.93) と 0.24 (0.09-0.61) 、女性:0.37 (0.38-0.99) と 0.29 (0.10-0.87)  
 “can’t do, do do” と “can’t do, don’t do” quadrantの有意差認めず

解釈

身体能力が保たれているCOPD患者は、身体能力が低下している患者と比較して、身体活動レベルに関係なく、6年死亡リスクが有意に低いようである。


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2021年11月27日土曜日

中等症以上COPD急性増悪予防:アジスロマイシンのbenefit-harm解析にて有益性

「ロフルミラストは一般的に純有害であり、純有益である確率は、ベースラインの重度増悪リスクが22%/年以上の患者においてのみ60%以上である」

対して、「GOLD グレード II 以上の患者で、最大限の吸入療法を行っているにもかかわらず増悪歴があり、ベースラインの心電図で QTc 間隔が正常で、喘息の併発や既存の聴覚障害がない場合、アジスロマイシンの追加が正味の利益をもたらすことを実証」とのこと

 

 

2021年11月16日火曜日

DISARM:吸入ステロイドは肺のmicrobiomeに対して影響を与えるのか?

 概念実証として、COPD初期におけるアジスロマイシンの無作為化比較試験では、マクロライド系薬の抗炎症効果の一部が、細菌由来の抗炎症性代謝物の産生に影響を与えることによる下気道マイクロバイオームへの影響によってもたらされる可能性が示された研究は、微生物叢と宿主の間の相互作用を直接分析する可能性を提供し、治療可能な特性の特定や、ICSの恩恵を受ける可能性の高い被験者の特定など、個別化されたアプローチにつながると考えられる。

 

吸入ステロイド使用による肺炎など感染への悪影響懸念の1つの材料として細菌叢へ影響が懸念される。ただ、急性増悪への効果など善悪二分割というわけには行かない。細菌叢への影響に軟する報告

 

Effects of Inhaled Corticosteroid/Long-Acting β2-Agonist Combination on the Airway Microbiome of Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Randomized Controlled Clinical Trial (DISARM)
Fernando Sergio Leitao Filho et. al.
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Volume 204, Issue 10
https://doi.org/10.1164/rccm.202102-0289OC       PubMed: 34464242
https://www.atsjournals.org/doi/10.1164/rccm.202102-0289OC



解説記事:

Balancing Benefits and Risks: Do Inhaled Corticosteroids Modify the Lung Microbiome?
Shivani Singh , et al.
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Volume 204, Issue 10
https://doi.org/10.1164/rccm.202109-2024ED       PubMed: 34554893
https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1164/rccm.202109-2024ED

 

Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Diseaseのガイドラインでは、COPDにおいてICSを使用すると肺炎のリスクが高まることから、COPDの増悪歴がある患者や末梢の好酸球増加症の患者にICSの使用を制限することが推奨されている。このように、COPDでは、グルココルチコイドがCOPD増悪を予防・治療するものの、肺感染症のリスクを高めることが認識されている。ICSの慢性使用がCOPDの肺炎リスクを高める生物学的メカニズムを解明しようとする研究がいくつかあり、例えば、ウイルスに対するIFN反応の鈍化マクロファージを介した細菌除去の阻害主要組織適合性複合体クラスII分子のダウンレギュレーションなどに注目している。さらに、ICSは、マウスの微生物相における連鎖球菌の増殖を促進する抗菌ペプチドを抑制する。興味深いことに、カテリシジンなどの抗菌ペプチドの濃度が低いと、COPDの増悪につながる。喀痰試料では、ICS使用によりbacteria load増加とHaemophilus and Moraxella speciesなどのいくつかのcommonな呼吸器系病原体のphylumであるProteobacteriaによるalpha diversityの減少が見られる。 これらの特定の呼吸器系病原体との関連以外にも、呼吸器系微生物叢の他の構成要素もCOPDにおけるICSの使用と関連している。

しかし、ICSの抗炎症作用は、肺マイクロバイオームと呼吸器系病原体への感受性の両方に対照的な影響を及ぼす可能性がある。

ICSの使用により気道の粘液産生が減少し、気道のクリアランスが改善され、細菌の栄養分が減少する。その結果、気道の細菌量が減少し、呼吸器系病原体への感受性が低下すると考えられる。

ICSによる抗菌ペプチドへの影響は、細菌の増殖を促し、細菌の優勢(多様性の低下)を促進し、病原体への感受性を高める可能性がある。

このように、ICSの使用が呼吸器系病原体のリスクに与える影響をより深く理解するためには、これらの薬剤が宿主だけでなく呼吸器系マイクロバイオームに与える影響を評価する必要があり肺マイクロバイオームの特徴を明らかにするために、培養に依存しないアプローチが増えてきたことで、呼吸器系薬剤の臨床的影響を調べ、気道マイクロバイオータへの影響を判断する機会が増えてきた。


 慢性閉塞性肺疾患の下気道微生物宿主間相における吸入コルチコステロイド(ICS)の潜在的な二面性のある役割を模式的に示したもの。左側では、ICSの使用は、粘液の分泌と細菌の栄養分を減少させることにより、微生物に対する宿主の感受性を低下させ、微生物の負担を減らし、微生物相をより多様化させる。右側では、ICSは、抗菌分子の抑制、マクロファージの貪食作用、IFN反応の鈍化など、免疫反応に影響を与えます。これらの影響により、肺の微生物叢の中で特定の微生物が「増殖」し(つまり多様性が減少し)、感染症のリスクが高まる。


本誌の最新号では、Leitao Filhoらが、臨床的に安定したCOPDの肺マイクロバイオームに対するICS+長時間作用型β2-アゴニスト(LABA)療法とLABA単独療法の効果を無作為化試験で検証し、これらの限界の一部を明らかにしている。

 


参加者全員に4週間のランイン期間を設け、その間にICSの使用を中止し、LABA(フォルモテロール)の使用を開始した。run-in期間終了後、参加者は気管支鏡検査を受けてマイクロバイオームを採取し、その後、ブデソニド/ホルモテロール、フルチカゾンプロピオン酸/サルメテロール、またはホルモテロール単独に1:1:1で無作為に割り付けられ、12週間投与されました。マイクロバイオームサンプリングのためのフォローアップ気管支鏡検査は、無作為化から12週間後に行われた。主要な試験結果は、ICS/LABA群とLABAのみの群との間で、12週間の治療期間における肺マイクロバイオームのα多様性(サンプル内の分類学的多様性)またはマイクロバイオーム組成の変化であった。

著者らは、ICS/LABA使用とLABA使用の結果として、これらのマイクロバイオーム指標に有意な変化を示さなかったが、フルチカゾン/サルメテロール投与は、フォルモテロール単独投与群と比較してα多様性の相対的な減少と関連していることを観察した。この結果は、4週間のランイン期間にもかかわらず、12週間の治療期間中に対照(LABAのみ)群のα多様性が予想外に増加したことによると思われる。

副次解析では、気道マイクロバイオームのα多様性の経時的変化は、気管支拡張後のFEV1の増加と正の相関を示した。これらのデータは、微生物群集の多様性の喪失が、気管支拡張剤に対する反応性の重要な要因である可能性を示唆している。さらに、フルチカゾン/サルメテロール群では、フォルモテロール、ブデソニド/フォルモテロールの両群と比較して、ベースラインからの微生物のシフト数が多かった。ブデソニド/ホルモテロール群では同様の傾向がみられなかったことから、これらの観察結果の一部はクラス効果ではなく、ステロイドやLABAの処方に特有のものである可能性が示された。

もちろん、本研究にもいくつかの限界があり、今後の研究の余地がある。特に、ICS/LABA製剤を比較したサブグループ解析では、下気道微生物叢の違いを検出するための検出力が不足していた可能性があり、これは侵襲的な処置を必要とする研究にとって大きな課題である。また、ICSの使用歴は3群間で均等ではなく、このバランスの悪さがベースラインの結果に影響を与えている可能性がある。また、かなりの数の被験者がランイン期間中に脱落したが、これはおそらくICSの中止に耐えられなかったためであると考えられる。そのため、ICSの中止に耐えられなかった被験者のマイクロバイオームの反応が重要である可能性を認識していない。さらに、LABAの処方、薬物送達デバイス、およびステロイドの効力の違いが3つのグループに存在し、研究結果に影響を与えている可能性がある。



グルココルチコイドが免疫系に影響を与えるメカニズムが複数あり、安定したCOPDにおけるICS療法の利点と弊害が逆説的に存在することを考えると、Leitao Filho氏らが肺マイクロバイオームサンプルにおいて明確な一律のICS関連シグナルを観察しなかったことは驚くべきことではない。とはいえ、この論文は、ヒトを対象とした介入型の肺マイクロバイオーム研究の分野を前進させるものです。中等度または重度のCOPD患者を対象とした、無作為化対照法による縦断的な下気道マイクロバイオームのサンプリングは、大きな成果と言えます。今後の研究では、宿主の炎症性エンドタイプを同時に評価することが重要です。宿主と微生物環境の両方を同時に評価できる、より高度なハイスループットマルチオミクス技術を用いた縦断的研究は、COPDにおける慢性療法のマイクロバイオームへの影響をより明確にすることができます。

COPDにおけるICSのリスクとベネフィットが明らかになるにつれ、ICSが複数のメカニズムで肺マイクロバイオームを変化させることが明らかになってきました。本研究は、ICSの使用が下気道のマイクロバイオームに及ぼす影響を、縦断的に、無作為に、かつ対照的に検討した初めての試みです。ICS使用のリスクを減らし、メリットを最大限に引き出すためには、微生物をベースにした個別化医療のアプローチが、誰が最もICS使用の恩恵を受けるかを理解するのに役立つと思われる。

2021年11月15日月曜日

COPD急性増悪:4m歩行速度試験による退院後リスク評価

4m歩行速度試験:4MGS test

4MGSテストの実施時間はわずか2分で、ストップウォッチと短い講習を受けるだけなので、家庭を含むほとんどの臨床現場でCOPD患者のアウトカムツールとして利用できる可能性があります

https://erj.ersjournals.com/content/erj/43/5/1298.full.pdf

2021年10月18日月曜日

重症COPD歩行時酸素投与:自動酸素タイトレーション酸素流量 vs 定常酸素流量


FreeO 2の主な特徴 : spO 2 –O 2 flow closed-loop and monitoring.
注意事項 FreeO 2は、患者のニーズに応じて酸素流量を0 L/minから20 L/min(流量精度±0.1 L/min)まで1秒ごとに調整
比例積分コントローラは,臨床医が設定した SpO 2 の目標値と連続的に測定された SpO 2 の差に基づいて酸素流量を調整する.いくつかの心肺パラメータ(O 2 流量,SpO 2,呼吸数,心拍数)が連続的に記録され,臨床医はこれらのパラメータの傾向を知ることができる.心拍数と呼吸数は,パルスオキシメータのプレチスモグラフィ波形から得られる。本研究で使用されたバージョンは、同様の技術的特徴を持つ装置の旧バージョンである。 



Thorax Online First

http://thorax.bmj.com/cgi/content/short/thoraxjnl-2020-216509v1?rss=1

Schneeberger, T., Jarosch, I., Leitl, D., Gloeckl, R., Hitzl, W., Dennis, C. J., Geyer, T., Criee, C.-P., Koczulla, A. R., Kenn, K.

Automatic oxygen titration versus constant oxygen flow rates during walking in COPD: a randomised controlled, double-blind, crossover trial

Oct 17, 2021 1:00

【根拠】

COPD患者では、定流量酸素システム(CFOS)による酸素補給では、運動時に酸素飽和度が不足することがあります(SpO2<90%)。自動滴定酸素システム(ATOS)は、滴定しないCFOSと比較して有益であることが示されていますが、ATOSが、ガイドラインで規定されている運動中に滴定されるCFOSよりも優れているかどうかは不明です。本研究では、低酸素血症のCOPD患者の歩行能力に対するATOSの効果を、CFOSの滴定と比較して検討することを目的とした。

【方法】

50名の参加者がこの前向き無作為化対照二重盲検クロスオーバー試験に参加した。参加者は、2回の持久力シャトルウォークテスト(ESWT)を実施した。(1)運動量を調整したCFOS(ESWTCFOS)と(2)SpO2 92%を目標としたATOS(ESWTATOS)の2つの耐久シャトルウォークテスト(ESWT)を行った。主要評価項目は歩行時間。副次評価項目は、SpO2、経皮的PCO2(TcPCO2)、呼吸数(RR)、心拍数(HR)、安静時および運動終了時の血液ガスおよび呼吸困難とした。

【結果】

参加者(中央値(IQR):年齢66(59, 70)歳、FEV1 28.8(24.8, 35.1)% predicted、PO2 54.7(51.0, 57.7)mm Hg、PCO2 44.2(38.2, 47.8)mm Hg)は、ESWTCFOSと比較して、ESWTATOSで有意に長く歩いた(効果の中央値(95% CI)+144.5(54~241.5)秒、p<0.001)。アイソタイムでは、SpO2はATOSの方が有意に高く(+3(95% CI 1~4)%, p<0.001)、TcPCO2、RR、HRは同等でした。運動終了時には、PO2(+8.85(95%CI 6.35~11.9)mmHg)と呼吸困難(-0.5(95%CI -1.0~-0.5)ポイント)はATOSで有意に差があり(それぞれp<0.001)、PCO2は同等であった。

【結論】

重症COPDの低酸素血症患者において、ATOSの使用は、PCO2に影響を与えずに、歩行耐久時間、SpO2、PO2、呼吸困難を臨床的に有意に改善した。



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Trial registration number

NCT03803384.

2021年9月27日月曜日

NOVELTYコホート:医師診断 喘息 and/or COPD内のheterogeneity

 

NOVELTYコホート:医師診断 喘息 and/or COPD内のheterogeneity

http://makise.mobi/wp/2021/09/27/870/

特定個人への医師の診断でも、COPDと喘息で揺れ動く事例多数あり、一時点で喘息なのかCOPDなのかあるいはACOなのか断定できるのは不可能と思う。同じ俎上に乗せてその特性を検討するというのは喘息・COPD診断スペクトラムの実態理解の上に重要だと思う

元論文:

Heterogeneity within and between physician-diagnosed asthma and/or COPD: NOVELTY cohort | European Respiratory Society (ersjournals.com)

2021年9月22日水曜日

Necroptosis Signaling : COPD炎症・気道リモデリング・気腫


  • ネクロプトーシス誘導分子RIPK3による細胞死と炎症の制御

https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2019.910265/data/index.html

  • MLKL(mixed lineage kinase domain-like) :This protein plays a critical role in tumor necrosis factor (TNF)-induced necroptosis, a programmed cell death process, via interaction with receptor-interacting protein 3 (RIP3), which is a key signaling molecule in necroptosis pathway.



Necroptosis Signaling Promotes Inflammation, Airway Remodeling, and Emphysema in Chronic Obstructive Pulmonary Disease

Zhe Lu , et al.

American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Volume 204, Issue 6 




【根拠】RIPK3(receptor-interacting protein kinase 3)とMLKL(mixed lineage kinase domain-like)を介したNecroptosisは、組織の炎症や破壊を促進する制御された壊死の一形態であるが、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の病態への寄与は十分に理解されていない。

【目的 COPDにおけるNecroptosisの役割を明らかにすること。

【方法】COPD患者とCOPDでない対照者の肺組織におけるRIPK3とMLKLの総量と活性(リン酸化)を測定した。たばこの煙で実験的にCOPDを発症したマウスの肺と肺マクロファージにおいて,Necroptosis関連のmRNAとタンパク質,および細胞死を調べた。 Ripk3−/− および Mlkl−/−マウスのCS急性および慢性曝露に対する反応を野生型マウスと比較した。また、apoptosis (with the pan-caspase inhibitor quinoline-Val-Asp-difluorophenoxymethylketone [qVD-OPh]) とnecroptosis (with deletion of Mlkl in mice) の複合的な阻害効果を評価した。

【測定と主な結果】 重症のCOPD患者では、上皮とマクロファージの総MLKLタンパク質、肺組織のpRIPK3とpMLKLが、COPDではない非喫煙者や喫煙者の対照者と比較して増加していた。CS曝露マウスと実験的COPDの肺とマクロファージでは、Necroptosis関連のmRNAとタンパク質レベルが上昇していた。Ripk3またはMlklを欠損させると、CSの急性曝露による気道炎症を防ぐことができた。Ripk3の欠損は、慢性的なCS曝露後の気道の炎症とリモデリング、および肺気腫性病理の発症を抑制した。Mlkl欠損とqVD-OPh処理は、CSによる慢性気道炎症を抑制したが、Mlkl欠損のみが気道のリモデリングと肺気腫を予防した。Ripk3またはMlklの欠失とqVD-OPhの投与は、CSによる肺細胞死を減少させた。

【結論】NecroptosisはCS暴露によって誘導され、COPD患者の肺や実験的COPDで増加する。Necroptosisを阻害することで、CS誘導の気道炎症、気道リモデリング、肺気腫が軽減される。Necroptosisを標的として阻害することは、COPDの治療戦略として期待できる。

HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...