2019年12月12日木曜日

ストレッチはランナーの外傷予防に役立たない

比較的常識化している話だが・・・



Infographic running myth: static stretching reduces injury risk in runners
https://bjsm.bmj.com/content/early/2019/11/06/bjsports-2019-101169

static stretchingは、ランニング・パフォーマンスや外傷リスク改善のため重要な役割という概念が広まってる。static stretchingのようにランニング前の"warm aup"の一部として行い、ランニング終了時やstrength training programの一部として全てのレベルのランナーで広く実践されている。static stretchingは、微かに張力が感じられる程度のポイントまで筋肉を伸ばし、その位置で30秒間以上ストレッチごと維持する。

現在の研究エビデンスではこの考えは事実上不正確と明確に記載されている。
ランニングは、身体の関節や軟部組織に高負荷をかけ、結果、外傷関連overuse外傷で、膝蓋大腿関節痛、脛骨内側過労性症候群、腸脛靱帯症候群(iliotibial band syndrome)、アキレス腱障害などの高リスクとなる。
overuse外傷は主にランニング負荷(i.e. 回数、強度 and/or 時間)が多いほど急激にかつ組織の適合能力(ie, 強度)を超えてしまう。他の要素、筋力不足、全般的健康問題、外傷既往がランナーの外傷の素因となる。

stretchingが、短期間・長期間ともにendurance runnerでのoveruse injuryのリスク軽減にimpactを与えないという研究。

Baxter C, Mc Naughton LR, Sparks A, et al. Impact of stretching on the performance and injury risk of long- distance runners. Res Sports Med 2017;25:78–90. Yeung SS, Yeung EW, Gillespie LD, et al. Interventions for preventing lower limb soft-tissue running injuries. Cochrane Database Syst Rev 2011;56.


active warm-upはランニングのパフォーマンスを改善することが記載されるも

McGowan CJ, Pyne DB, Thompson KG, et al. Warm-Up strategies for sport and exercise: mechanisms and applications. Sports Med 2015;45:1523–46.
ランナーの外傷リスク軽減にベネフィットあるかは未だ不明。


static strethingが、回復促進と、delayed onset muscle soreness(DOMS)のインパクト軽減に推奨されている。endurance ランナーは多いのは高速あるいは筋力を使う(down-hill)ランニング後DOMSを経験しやすい .
DOMSは筋痛、stiffness、疲労で、大腿筋が重傷、数日ランナーのパフォーマンスを低下させる。消耗性運動後のDOMSの程度や期間軽減のストレッチは示されてない。


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静的ストレッチは関節の柔軟性改善は望めるが、これらの改善が長期において回復やパフォーマンス、ランニング・エコノミー改善とは直結しない。ランナーは準備・パフォーマンス・回復に関して特異的な強化トレーニングプログラムを加えるべき。
よりハードなランニングやトレーニングセッション、ランニングパフォーマンス前に漸増的warm-upを行うこと。体温や代謝的変化、神経系や心理関連効果によりパフォーマンス増加が望める。

長距離ランナーに対しては、ランニング前の受身的静的ストレッチングの代わりにtypical active warm-up:ウォーキング 5-10分、easy joggingから始める。
スピードアップした走行努力やトレーニングセッション、レースのためなら、下肢に特異的にフォーカスした6-8分のdynamic movementを取り入れる(ie, walking lunges:ランジleg swings、A skips)。最後にglobal running pace(ie. 3x100 m)で3回のshort effortを行う。








エリートアスリートはしていることだとおもう
実際、マラソンの現場で最後のactive warm-upよく見かける

でも一般への周知が足りなのでは?

Council for Responsible Nutrition (CRN)レポート:5つの普及サプリメントのベネフィットとリスク

この時期になると、ウコンを含む商品のCMが盛んになる
リスクがあることも啓発すべきだと思う
ソルマック:https://www.taiho.co.jp/chc/brand/solmack/product/ichou/


Council for Responsible Nutrition (CRN)のcommisioned report 


Benefits and risks of 5 most common supplements
Naveed Saleh, MD, MS, for MDLinx | December 11, 2019


5つのコモンなサプリメント食品のベネフィットとリスク

亜鉛、ニコチンアミド、βカロテン、ターメリック、ビオチン


亜鉛
亜鉛は、恒常性、触媒、および分子機能の全範囲で役割を果たします。そのため、多くのタンパク質、特に魚、肉、マメ科植物、全粒穀物に含まれています。
亜鉛欠乏症はまれですが、亜鉛は一般的な風邪治療、癌予防、糖尿病治療、不妊治療、いぼ治療などのために販売されている人気のあるサプリメントです。しかし、小児と成人の両方で、急性呼吸器感染症、免疫、糖尿病の面で亜鉛の利点に関する研究結果が混在しています。
一部の研究者によると、症状の発症から24時間以内に摂取すると、亜鉛は風邪の持続期間を短縮する可能性があります。驚くことではないが、亜鉛は通常、中咽頭へのウイルスの結合を減らすためにロゼンジに入れられます。ただし、大量の亜鉛は、免疫力の低下、悪寒、頭痛、疲労、発熱につながる可能性があります。
注目すべきは、亜鉛を鉄と一緒に摂取すると、両方の元素の腸管吸収が低下することです。亜鉛は、フルオロキノロンとテトラサイクリンのバイオアベイラビリティを低下させます。

 ニコチンアミド
ニコチンアミドは、家禽、魚、豆類、ナッツ、穀物などのナイアシンが豊富な食品前駆体から体内で形成されます。 これは、ナイアシンの水溶性の形態(すなわち、ビタミンB3)です。 研究者たちは、ニコチンアミドが日光損傷を受けた皮膚の一部の皮膚病変および非黒色腫皮膚癌のリスクを低下させる可能性があることを示唆していますが、残念ながら腎移植レシピエントではそうではありません。臨床的にはニコチンアミドは尋常性座瘡や酒さなどの炎症性皮膚疾患の治療に使用されます。 ペラグラやナイアシン欠乏症の治療にも使用されます。 サプリメントとして、ニコチンアミドは皮膚癌を防ぐために販売されています。
ニコチンアミドは、メラニン細胞およびケラチノサイトでの紫外線によるDNA損傷の修復を改善することが示されています。 臨床試験では、ニコチンアミドは紫外線および光線力学的療法による免疫抑制を減少させました。
ニコチンアミドは、低用量で比較的忍容性が高いです。 しかし、高用量では、胃腸障害、頭痛などを引き起こす可能性があります。

βカロテン
ベータカロチン(すなわち、ビタミンE)は、目の障害、癌予防、HIV / AIDS治療、免疫刺激、心臓病、および口腔白板症(すなわち、白い斑点またはプラーク)のために販売されている酸化防止剤です。しかし、ベータカロチンの健康への影響に関するエビデンスはまちまちで、心臓病、癌、およびCD4数への影響は様々。注目すべきは USPSTFが、心臓病または癌の一次予防のためのベータカロチンまたはビタミンEのサプリメント使用に対して"against"の推奨を発表したこと。
アプリコット、パパイヤ、メロン、および他のオレンジまたは黄色の果物は、ベータカロチンの豊富な供給源です。いくつかの研究では、ベータカロチンはアポトーシスを誘発し、caveolin-1 の発現を介し癌細胞株の細胞増殖を減少させたというものもある。
アルコールと一緒に服用すると、ベータカロチンは肝臓の損傷を増強する可能性があります。さらに、アルコールは、ベータカロチンの潜在的な化学予防効果を負に相殺します。ベネフィットを期待し慢性的摂取によりベータカロチンはカロテノデルミーまたは無害な皮膚の黄変を引き起こす可能性があります。


ターメリック
ウコンは南アジア固有の根茎であり、伝統的な料理の香辛料および着色添加物として使用されます。民間療法では、消化不良、炎症、便秘の治療に使用されます。栄養補助食品として、ウコンは認知、癌予防、および関節炎を助けるために販売されています。
ウコンは忍容性が比較的高く、胃腸の不快感が副作用の可能性があります。さまざまな種類の化学療法、鎮痛剤、抗凝固剤との薬草相互作用を示します。
ウコンの有効成分はターメロンオイルと水溶性クルクミノイドで、クルクミノイドクルクミンが最もよく研​​究されています。クルクミンは、胆汁分泌促進作用、抗炎症作用、抗増殖作用、免疫調節作用、化学予防作用を持つ弱い植物エストロゲンです。クルクミンは気分障害や過敏性腸症候群の治療にも有益であることがわかっています。
クルクミンは急速に吸収され、代謝されます。ただし、シトクロムP450酵素とシクロホスファミドやドキソルビシンなどの化学療法薬を妨げることが示されています。
<追加>

日本では一般に、アキウコン(Curcuma longa Linne)のことを言い、カレーなどの香辛料などにも用いられます。
・通常、食事中に含まれる量の摂取であれば、おそらく安全と思われますが、過剰摂取や長期摂取では消化管障害を起こすことがあります。
アキウコンは胃潰瘍、胃酸過多、胆道閉鎖症の人には禁忌とされます。
胆石の人は医師に相談してください。
  • C型慢性肝炎の患者
  • ウコンは血液凝固を抑制することがありますから、血液凝固抑制薬(アスピリン、ワルファリン、ヘパリン、ジクロフェナク、イブプロフェンなど)を服用しているときにウコンを摂取すると、紫斑や出血が生じる可能性が高くなると考えられます。

https://www.med.or.jp/people/knkshoku/ukon.html


ビオチン
ビオチンは、卵、肉、野菜に含まれるビタミンBです。 炭水化物と脂質の代謝に不可欠な補酵素です。 それはニューロンの微小管形成を開始し、欠乏は神経障害を引き起こす可能性があります。 ビオチンはまた、白血球数だけでなく、インターロイキンおよびインターフェロンの活性を低下させる可能性があります。
ビオチンのサプリメントは、癌予防、骨粗鬆症、多発性硬化症、免疫調節、季節性情動障害のために販売されています。
限られた研究によると、ビオチンは脆弱爪に役立つ可能性あり。 さらに、ビオチンは多発性硬化症、糖尿病性ニューロパシーの改善、およびクロムと併用で糖尿病患者の血糖コントロールと関連している予備研究結果がある。 ビオチンが化学療法による脱毛に役立つかどうかはまだ解明されていません。
興味深いことに、ビオチン・サプリメントは、hCG、甲状腺、トロポニンなどのさまざまな免疫測定法の結果を妨げる可能性があります。




薬物との相互作用や ホルモン検査値などは見逃されやすい



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